キングダム ハーツ Re:コーデッド

ディズニーキャッスルにいるミッキーがソラ達に手紙を書いている。
「すぐに伝えたかったんだ。」
「君の中に眠っていた思い出。」
「そして未来へと繋がる記憶の欠片の事を。」


「二つの旅が終わった。」
「一つは闇の侵食を止める旅。」
「一つは離れ離れになった心を戻す旅。」
「正直どちらも大変な旅だったが、私に出来たことと言えば旅の記録係。」
「そして旅の終わりに残った2冊の旅の記録。」
「しかし一冊目に残されたのはたった1行。」
―ナミネにお礼を言う―
「いや、この1行を残すために1冊目はその役目を果たしたのかも知れない。」
「それにしてもナミネとは一体誰のこと・・」
「そして今日、突然覚えのない文章が現れた。」
―彼らの痛みを癒やしに戻らなければならない―
記録係ジミニー・クリケットが慌ててミッキーの所に向かう。
「覚えのない文章が・・」
「私は書いていませんし、メモは肌身離さず持ち歩いていました。」
「いつ誰がどうやって書いたのやら。」


ミッキーがそのメモを読む。
「痛みを癒やしに戻る・・」
「もしかしたら誰かが僕達に助けを求めているのかも。」
「詳しく調べてみよう。」
「メモの他のページは白紙で文字が消えていても、メモ自体に記録が残っているかも知れない。」


ドナルドとグーフィー、そしてチップとデールがミッキーの部屋に呼ばれた。
チップとデールがコンピューターを操作し、ジミニーのメモを解析する。
「原因は分からないけど、いくつかのワールドがおかしくなってる。」
「メッセージの解析も出来ません。」


ミッキーが困っている。
「うーん、何か方法はないのかい?」


グーフィーが言う。
「おかしくなっているワールドのデータを直せば何か分かるんじゃないかなあ。」
「データの中の誰かにメモの中を冒険して直してもらうってのはどうでしょう。」


「この謎を解明出来るのは一人だけだ。」


コンピューターの中にデータのソラが誕生した。
「ソラのデータ書き換えに成功しました!」
「データの中に記録されていたソラがキーブレードを手に入れて異変に立ち向かう力を持ったってこと!」


グーフィーが聞く。
「僕らが会ったことのあるソラとは別のソラなの?」


ミッキーが答える。
「これまで君達と冒険した記録の中のソラだから、僕達の知ってるソラではあるけど本人ではないんだ。」


チップとデールが言う。
「これでソラがおかしなワールドのデータを直してくれるね。」


ミッキーがデータのソラに話しかける。
「僕はミッキー。」
「この世界の君とは会ったことはないけれど、僕は君の事を知っているしソラも僕の事は知っているよ。」
「僕とソラは友達なんだ。」
「僕は君と違う世界にいるからね。ちょっと分かりにくいかも知れない。」
「僕はそちらの世界には行けない。」
「だから君が僕達の代わりに謎を解明して欲しいんだ。」
「その世界のどこかにある答えを見つけて欲しい。」
「君にしか出来ない事なんだ。」


データのソラが言う。
「うーん、よく分からないけどこの世界を冒険してみればいいって事か?」


「そういうこと!」
「分からないことがあったらいつでも声をかけて。」
「ソラ、覚えておいて。」
「僕は君と離れているけど、君を手伝うことは出来る。」
「僕は君といつも一緒だ。」


ミッキーとは別の声がデータのソラに話しかける。
「この世界は傷ついている。」
「傷を癒やせば道は開ける。」
ソラがキーブレードを手に持つと強く光り輝いた。


コンピューターのモニターを見ていたグーフィーが言う。
「ああ眩しかった。何が起きたのかなあ。」


ジミニー・クリケットが言う。
「大変だ、みんなジミニーメモを見てくれ!」
「メモに新しい言葉が書き足されている。」
―この世界は傷ついている―
―傷を癒やせば道は開ける―


ミッキーが言う。
「世界が傷ついている?」
「この世界というのは・・」


データのソラがデスティニーアイランドにいるハートレスを倒すとジミニーメモに新たな書き込みが増えた。
―痛みが一つ癒やされた―
―痛みを癒やせば道は開ける―


ミッキーが言う。
「うーん、どうやらメモの世界を修復するとメッセージが書き加わるみたいだね。」
「メモが僕達に何か伝えようとしているのかな。」


するとミッキーの部屋にデータのソラが入ってきた。
「どうして君がここに・・」


コンピューターのモニターにミッキー、ドナルド、グーフィーの姿が映し出される。
そしてⅩⅢ機関の服を着たリクが現れた。
「俺はリクじゃない。」
「そこにいるソラと同じ、厳密にはリクの姿を借りたデータだ。」
「ジミニーメモに記された多くの記録。」
「一度バラバラになった記録は繋ぎ直されたが、あのバグのせいで完全な姿には戻れなかった。」
「そこで記憶を保管する器として記録の中にあった俺が選ばれたんだ。」
「リクである俺に一旦全ての記録を移し、データをバグから保護しようとした。」
「そういう意味ではジミニーメモそのものとも言えるな。」
「刻まれた言葉の謎を探るため、お前達を取り込ませてもらった。」
「まだ気づいていないのか?」
「ここはメモの中の世界。」


チップとデールの声が聞こえてきた。
「王様、王様!聞こえたら返事して下さい!」
「ようやく繋がった!」
「突然誰もいなくなったからデータの中を調べていたんです。」


ミッキーが言う。
「ソラがここにいてチップとデールが外から見えるってことは、ここがデータ世界の中というのは本当のようだね。」
「教えてくれないかな。」
「僕達がここから出る方法は?」


その時、警報が鳴り響いた。
「何者かがデータに侵入しようとしてます!」


データのリクが言う。
「ハッキングか!」
「このままではデータの中から出られなくなるぞ。」
リクがコンピューターを操作する。
「駄目だ。メモと現実世界を繋ぐ道が奪われた。」
「回線を復旧させれば別の道が見つかるはずだ。」
「だがそうするにはバグが邪魔だな。」


ソラが言う。
「よく分からないけど、このままじゃミッキー達もとの世界に帰れないんだな?」
「だったら俺がバグを直してくるよ。」
「友達が助け合うのは当たり前だって。」
「じゃあ行ってくる!」


ソラがオリンポスコロシアムに行くと、ピートが現れた。
「久しぶりだな。」


モニターでその様子を見ていたミッキーが言う。
「ピート船長、どうしてここに。」


「お前達と同じさ。外の世界から遊びに来てやったんだ。」
「こっちの世界はもう俺様のもんだからな。」
ピートはどこかに消えてしまった。


ミッキーが言う。
「何か企んでるみたいだ。」
「急いで追いかけよう。」
「それにしてもピートはどこに行ったんだろう。」


ジミニー・クリケットが言う。
「データの世界の中に元々存在していたという訳ではなさそうですし・・」


リクが言う。
「何らかの方法で侵入してきたのは間違いないだろう。」


「現実世界のこの装置以外にも、この世界に侵入する方法があるということでしょうか・・」


ソラが冥界に入るとピートがいた。
「こんなところにいたのか。もう逃げられないからな!」


ピートが言う。
「逃げられないのはどっちかな?」
「そろそろ姿を見せてやれよ。」
「なあ、マレフィセント。」


マレフィセントが現れた。
「私の計画を邪魔する者は許さない。」
「これは挨拶代わりだよ。」
マレフィセントは魔法でソラをふっ飛ばし、キーブレードを消滅させてしまった。
「所詮こんなものさ。」
「これでこの世界は私達のものだよ。」
「さあハートレス達よ。全てを闇に沈めてしまえ!」


そこにミッキーとリクが助けに現れた。
「マレフィセント、君もデータの世界に来ていたとはね。」


マレフィセントが言う。
「データの世界?そんな事はどうでもいい。」


ピートが言う。
「全ては俺様の活躍のおかげよ。」
「お前達が何か始めようとしていると聞いてな。」
「マレフィセントの命令で城を探りに来てたのさ。」
「そしたらだ、俺様も不思議な光に捕まっちまった。」
「気がついたら俺様だけ変な場所にいたんだ。」
「そこでマレフィセントを呼んだら、マレフィセントも来れたんだ。」
「そこはいろんな所に通じている部屋だった。」
「世界を手にするのに使えるんじゃないかと考えたんだ。」
「その後いろいろと中を調べ回ってな。」
「ここがお前達の城と繋がった別の世界だって事を知ったのさ。」
「おっと言い忘れてたが、外の世界への道は俺様が独り占めさせてもらったぞ。」


ソラが言う。
「道を奪ったのはお前だったのか!」


マレフィセントが言う。
「心配はいらないさ。」
「いずれどの世界も闇に染まる。」
「まずはこの世界を闇に染めてハートレス達を外の城に送り込んでやるとするかね。」
「眠りの時は終わり、私は今こそ全ての世界を手に入れる。」
「でもね、お前達のせいで世界は眩しすぎるのさ。」
「だから今度はお前達に眠ってもらうよ。」


リクがキーブレードを構える。
「世界をお前の好きにはさせない。」
しかしマレフィセントに闇の魔法で捕らえられてしまった。
「所詮お前も闇の存在。」
「闇は闇に沈む運命なのさ。」
「こいつはもらっていくよ。」
「いろいろと役に立ってくれそうだからね。」
マレフィセントはリクとともに姿を消した。


「残念だったな。」
「これでもう手も足も出ないだろ。」
ピートも姿を消した。


ミッキーとソラは一旦ミッキーの部屋に戻った。
ジミニー・クリケットが言う。
「何ということだ。」
「リクが連れ去られてしまうなんて・・」


グーフィーが言う。
「リクの中にはメモのデータが隠されているんだよね?」
「このままじゃデータが全部闇に沈められちゃうよ。」


ミッキーが言う。
「ここは僕が何とかするから大丈夫。」
「最後のバグを直す手がかりを探してリクも取り戻してくるよ。」


「ミッキー、俺も手伝うよ。」
ソラがキーブレードを出そうとするが出現しない。
「あれ、キーブレードが出ないぞ?」


ミッキーが言う。
「ソラ、残念だけど君のキーブレードは完全に壊されてしまったんだ。」
「実はあのキーブレードは僕達が外からデータを書き換えて君に渡したものだったんだ。」
「現実世界に帰れたら外の世界からデータを書き換えて、もう一度君にキーブレードを渡せるかも知れない。」
「でも外への道がマレフィセント達に奪われているからね。」
「今のところキーブレードを取り戻す方法がないんだ。」
「心配しないで。今度は僕が友達を助ける番だ。」
「みんなはここで待っていて。」
ミッキーは一人でデータの世界に旅立った。


ソラも一人でデータの世界に入っていく。
「キーブレードがなくたって何かやれるはずだ。」
「リクだけでも助けないと!」
「出てこい、ピート!」


ピートが現れた。
「何も出来ないくせに、よくノコノコとやって来たな。」
「今俺様は操り人形の準備で忙しいんだ。」
「お前はこいつらと遊んでろ。」
ソラの前にハートレスが現れた。
そこにグーフィーとドナルドが助けに来た。
「もうソラ、一人で行っちゃ駄目だよ。」
「ピートを追いかけるんでしょ。」
「ほら、僕達と一緒に行こう。」
「友達なら助け合うのは当たり前だよ。」


ドナルドが言う。
「本当はね、僕達ちょっとだけ嬉しいんだ。」
「僕達ソラを見てるだけだったでしょ。」
「本当はまた一緒に冒険したかったんだ。」
「キーブレードがなくても、僕達がソラの力になるよ。」


ソラはドナルド、グーフィーと一緒にピートを追いかけた。
「ほう、一人じゃ勝てないからって仲間に泣きついて来たか。」
「だがそれもここまでだ。」


ソラの手にキーブレードが現れた。
それを見たピートが驚く。
「どういう事だ?」
「そいつはマレフィセントが壊したはずじゃ・・」


ミッキーがやって来る。
「どうやら君の中で新しいチカラが芽生えたようだね。」
「詳しくは分からないけれど、きっと君の中の何かが目覚めたんだ。」
「キーブレードは心の力に強く結びついている。」
「だけど心はデータ化出来ない。」
「僕の古い友人はそう言っていた。」
「僕らはデータを書き換えて君にキーブレードを渡した。」
「けれどキーブレードの真の力はデータ化出来ていなかったんだ。」
「真の力を持たない作り物だったからマレフィセントに壊されてしまったんだと思う。」
「でも君のこれまでの行動を通して僕達は絆で結ばれた。」
「心と心を結ぶ絆。」
「データ化出来ない心の力を君は手に入れたんだよ。」
「だから君のキーブレードは蘇ったんだ。」
「僕はそう信じるよ。」
「それはきっと君だけの力なんだ。」
「バグを直す手掛かりがないかこの世界を調べて回っていたんだけど、もう大丈夫だったみたいだね。」


ピートはスキをついて逃げて行った。
するとピートが逃げたあとに鍵穴が出現する。
「見て、鍵穴だ!」


ソラが言う。
「ここは俺に行かせてよ。」
「ドナルドもグーフィーもミッキーも俺を信じて戦ってくれた。」
「そんな気持ちに応えたいんだ。」
「この新しい力でみんなの道を切り開くんだ!」
「必ず帰ってくるって約束するからさ。」


ソラはキーブレードで鍵を開き、ピートのあとを一人で追いかけた。
するとそこにはピートの操り人形になってしまったリクがいた。
「ソラ、来るな!」


ピートが言う。
「こいつは俺様の操り人形にさせてもらった。」
「データってやつは便利にいじれてな。」
「こいつにバグとかいうやつを埋め込んで俺の子分にしたんだ。」
「さあ、ご主人様の命令だ。」
「そいつをやっつけてしまえ!」
「じゃあな、あとはお前達だけで遊んでな。」
ピートはどこかに行ってしまった。


ソラは新たに手に入れたキーブレードを使ってリクに埋め込まれたバグを取り除き、そのバグを封じ込めた。


ソラがリクを連れてミッキーのところに戻ってきた。
「君の活躍のおかげでデータ世界のバグは封じ込められたよ。」
「本当にありがとう。」


リクも正気に戻っている。
「すまなかったな。いろいろ巻き込んでしまって。」
「本当ならゆっくり話をしたいところだが、ミッキー達には時間がない。」
「さあ、こっちだ。」
「約束通りミッキー達が現実世界に帰るための道を用意しておいた。」


ミッキーが言う。
「データ世界とも、とうとうお別れだね。」
「いろいろありがとう。」
「それじゃ、ソラもリクも元気でね。」


ミッキー、ドナルド、グーフィーは現実世界に戻ってきた。
チップとデールが喜ぶ。
「やったあ、みんな帰って来たぞ!」
「みんな、おかえりなさい!」


データのリクがコンピューターの中から呼びかけてくる。
「みんな、聞こえるか?」
「無事もとの世界に帰れたようだな。」


突然モニターに文字が浮かび上がる。
「データ収集完了・・回復率100%」
「闇に堕ちた異変・・その目覚めの時は来たり。」
「これよりデータ世界の全てを消去する。」
「繰り返す・・これよりデータ世界の全てを消去する・・」


データのリクが言う。
「データの世界を全て消去すると言っている。」
「こんなチカラがそっちに行ったら大変だ。」
「すぐにデータをロックする。」


ミッキーが言う。
「でもこのままじゃソラもリクも本当の旅の記録もみんな消えてしまう!」
「しかもデータの中にはマレフィセントとピートも残っている。」
「このままでは彼らも消えてしまう。」
「彼らがどんなに悪さをしようが現実世界の彼らをデータの中に残すことは出来ない。」


データのリクが言う。
「なんてことだ。データをロック出来ない!」
「ロックしないと現実世界にも影響が・・」


ソラはピートとマレフィセントを探しに行った。
途中で巨大なバグを見つけたのでキーブレードで封印し、データの裂け目に引っかかっていたピートとマレフィセントを助け出した。
「さあ二人とも、早くここから逃げるんだ!」


「礼は言わないよ。」
「これで貸しは返してもらったさ。」
ピートとマレフィセントは現実世界に帰っていった。


ミッキーがデータのソラに話しかける。
「これからデータは元の姿に戻り始める。」
「バグで壊れる前のメモ本来の姿に。」


「今度こそお別れだな。」
「あれ、なんでだろ。胸が苦しい。」
「まだバグが残ってるのかな。」


ミッキーが言う。
「そうじゃないよ、ソラ。」
「それは別れを感じてるんだ。」
「この世界で君と出会って、僕はいろいろな事を思い出したよ。」
「僕が初めて冒険に出た日のこと。」
「初めて友達が出来たあの日のこと。」
「いろんな思い出が駆け巡ってきた。」
「そして分かったんだ。」
「メモに記録されていたのは出来事だけじゃない。」
「そこでみんなと一緒に感じた僕達の心だったんだって。」
「約束する。僕達は今回の事をソラとリクに伝えるよ。」
「そうすればこの旅は君達とも共有できる思い出になる。」
「記憶は心と繋がって僕達の絆になるんだ。」
「だからこれからもずっと友達だ。」


データの修復が終わり、元のジミニーメモに戻った。


データのリクがコンピュータの中から話しかけてきた。
「みんな、聞いてくれ。」
「メモの中に新しい世界が現れたんだ。」
「データが全て修復されたおかげで何者かが書き足していた追加データへの扉が見つかったんだ。」
「その世界を調べれば残されたメッセージの謎が解けるはずだ。」


「よし、早速ソラに・・あ、データが直ってメモは一番最初の状態に戻ってるからソラがデータの中を旅した記憶は消えてしまっている・・」


リクが言う。
「俺にはまだ隔離データが残ってるが、記憶が消えた今のソラじゃ一人で行かせるのは無理だ。」


「ねえ、もう一度僕をデータ世界に戻すことは出来るかい?」
ミッキーはデータのソラに会いに行った。
「僕はミッキー。こことは違う別の世界から来たんだ。」
「彼らの痛みを癒やしに戻らなければならない―このメッセージの謎を解明するために君の力を借りに来たんだ。」
「記憶はなくても君が手にした力は消えていない。」
「君の力を貸して欲しいんだ。」
「全ての真実を知るために。」


データのソラが言う。
「俺、ミッキーのことはよく分からない。」
「けどなんか不思議なんだ。」
「懐かしいって気持ちがどこかにある。」
「ミッキーの知りたい真実って俺にも関係があるのかな。」


「それはまだ何も分からない。」
「でもきっと君が知らなくてはいけない大事なことだ。」


データのソラが言う。
「分かったよ、ミッキー。一緒に行こう。」


真実の眠る場所は忘却の城だった。
ミッキーとはぐれてしまったソラの前にリクが現れる。
「俺は誰でもない存在。」
「そしてここは手に入れる代わりに失い、失う代わりに手に入れる場所。」
「そう、忘却の城。」
「ここでお前は懐かしい人や大切な人と会うことになる。」
「カードを使って先に進むんだ。」
「そこに真実が眠っている。」
リクは姿を消した。


忘却の城を進んでいくと、再びリクが現れた。
「さすがだな、ソラ。」
「これから先に進むために見せたいものがある。」
「お前の記憶に存在しない隠された事実さ。」
「お前に知っておいて欲しいんだ。」
「そして感じて欲しい。」
「目を閉じてくれ。」
ソラが目を閉じると、過去の記憶の断片が見えた。
「これは・・リク・・カイリも・・」
「そうだ。俺は二人を捜して旅立った。」


「俺の心は闇に囚われ、カイリは心を失っていた。」
「そしてお前は本来の旅で俺とカイリを救うことになる。」
「俺とカイリに共通していたものは何だったと思う?」
「今見せたものから何かを感じなかったか?」
「痛みさ。」
「心が囚われ自分が自分でなくなる、自らを失ってしまう痛みだ。」
「なあソラ、お前ならどうする?」


ソラが答える。
「そんなの決まってるだろ。助けるよ。」
「二人の痛みは俺が何とかするよ。」


「思った通りの返事だな。」
「そうだ。お前はこの先俺達を助けることになる。」
「何があってもお前は変わらない。」
「それを理解して欲しかったんだ。」
「これからお前は様々な真実を知る。」
「大切なことを忘れたり失ったり惑わされたりして、自分を見失うような痛みに囚われるかも知れない。」
「だけどソラ、お前なら大丈夫だ。」
「どんな痛みだって受け止めて乗り越えて癒やすことが出来る。」
「この先何があっても心に従えばいい。」
「お前の心が感じたままに行動すれば沢山の人達を救える。」
「特別なことじゃない。」
「お前が当たり前にしてきたことをそのままやればいいんだ。」
「頼むぞ、ソラ。」


ソラが忘却の城を進んでいるとロクサスが現れた。
「お前は全てのカードを使った。」
「幻と会った感想を聞きたいが、お前は全て忘れてるんだから何も感じていないだろうな。」


ソラが言う。
「感じてるさ。」
「出会った記憶は無くしても誰かと会ったことは確かなんだ。」
「なのに思い出せないのが寂しい。」


「痛みか。」
「痛みにこだわっていたらいつかお前の心は闇に堕ちるぞ。」
「全ての痛みは消すしかないんだ。」


ソラが言う。
「そうじゃない。」
「記憶を無くしてもこの痛みのおかげで自分が何かを、大切なことを忘れたってことだけは分かってる。」
「だから俺、痛みから逃げたりしないよ。」
「忘れてしまった大事なことをどうにかして思い出すまではね。」
「痛みを捨てたら大切なことを思い出す手掛かりも消えてしまう。」
「だから決めたんだ。」
「たとえ闇に堕ちるかも知れなくても、俺の痛みはこのままでいい。」
「無くした記憶をいつか取り戻せたらきっと痛みは癒やされる。」
「その時が来るまで抱えていくよ。」
「この痛みだけが無くした記憶を繋ぎ留めてくれる絆なんだ。」


ロクサスが言う。
「痛みが絆だと?笑わせるな!」
「だったら俺が教えてやる。」
「本当の痛みってやつをな!」
ソラは襲いかかってくるロクサスを倒した。
「さっさと俺を滅ぼしてみろ!」
ソラが構えを解く。
「そうか。やっと見破ったか。」
「この俺もデータから生まれた幻だってことに気づいたんだな。」
「俺は幻だから倒す価値はない。」
「最初から存在していなかったんだからわざわざ消す意味もない。」
「そうなんだろ?」


ソラが言う。
「違うって。何が幻だよ。」
「お前の攻撃、かなり痛かったぞ。」
「本当の痛みってやつ、教えられたよ。」
「だけど俺が感じた痛みはそれだけじゃない。」
「自分の身体が痛いだけじゃなかったんだ。」
「戦っている間に伝わってきたんだよ。お前の痛みが。」
「鋭くて激しい痛み。」
「けどなぜか懐かしくてさ。」
「まるで自分のものみたいだった。」
「お前と気持ちが繋がって同じ痛みを分け合えた気がしたんだ。」
「そんな風にお前と心が繋がるきっかけになるなら、痛みを受け止めてみるのもそんなに悪くないな。」


ロクサスが言う。
「お前には敵わないな。」
「ほら。」
ソラにカードを投げる。
「合格だ。ソラ。」
「お前は痛みを理解した。」
「そのカードで真実に辿り着くんだ。」
「痛みを受け止める覚悟がお前にあるかを確かめる。」
「それが俺の役目だったんだ。」
「その役目も終わった。」
「俺はもう消えるだけだ。」
「帰るべき場所は無いかも知れない。」
「でも帰りたい場所はあるかな。」
「懐かしくて切ない夕日・・最初で最後のあの夏休みさ。」
ロクサスは消えてしまった。


忘却の城を進んでいくとミッキーと合流出来た。
「やっと君のところに来れたよ。遅くなってごめんね。」
「一緒に真実を確かめるつもりだったのに君一人ばかり苦労させて。」


「いいって、いいって。」
「それよりミッキー、ほら!」
ロクサスにもらったカードを見せる。
「このカードを使えば真実が分かるらしいんだ。」


「なるほど。」
「彼らの痛みを癒やしに戻らなければならないというメッセージの謎も解けるかな?」


カードを使って忘却の城の奥に進むとナミネがいた。
「はじめまして、ソラ。私はナミネ。」
「君は私を知らないけど、私はソラを知ってるの。」


ミッキーが言う。
「僕から説明するよ。」
「君はある時、全ての記憶を無くしてしまったんだ。」
「そんな君を助けてくれたのがここにいるナミネなんだよ。」


「そうじゃないの。」
「ソラの記憶を繋ぎ直したのは私だけど、その前にソラの記憶をバラバラにしたのも私なの。」
「それにジミニーメモのデータにバグが生まれたのも私のせい。」
「全ての始まりはソラの心に眠っていた遠い記憶の欠片。」
「ソラと繋がる誰かの記憶。」
「普通はありえないよね。」
「ソラの記憶を直す時に見つけたんだけど、最初は何かの間違いだって思ったんだ。」
「でもね、調べてみて分かったの。」
「この記憶は確かにソラの心にあるもの。」
「心の底でずっと眠っていて、いつの日かソラが思い出さなければならない大切な記憶。」
「そして危険な記憶。」
「この記憶は強い痛みの塊なの。」
「むやみに手を出せばソラの心は痛みに傷つけられて壊れてしまう。」
「だから痛みに負けない方法をみんなに探して欲しくてメモにメッセージを残したんだ。」


ミッキーが言う。
「彼らの痛みを癒やしに戻らなければならない―あれは君からのメッセージだったんだね。」


「私がソラ達の記憶をほどいた時にメモの文章も消えたよね。」
「あのメモはみんなの旅の思い出。」
「記憶と深く繋がっていたからその影響を受けてしまったの。」
「でもソラ達の記憶はバラバラになっただけで、それと同じように文字は消えてもメモに記録された思い出は残っていたからデータを読み取れたでしょう?」
「だけどデータを分析したら記憶にも記録にもないバグに荒らされていた。」
「そのバグの原因が私。」
「私がメモのデータにこの記憶を―痛みを書き加えたのが原因。」
「この記憶に宿る痛み・・そこから生まれたバグに立ち向かえば痛みに負けない方法が見つかると思って。」
「出来たら自分で伝えたかったけど、本当の私はもうどこにもいないから。」
「ソラには分からなくていいのよ。」
「君は痛みに立ち向かう方法を見つけたんだから。」
「痛みというものは消してしまえば癒やされるかも知れない。」
「けれど消すことの出来ない痛みもある。」
「そんな痛みに立ち向かうには目を背けずに受け止めるしかない。」
「一人では受け止められないほど強い痛みでも、誰かと心で繋がって分かち合えば。」


ソラが言う。
「痛みを絆に変えて一緒に受け止めればいいんだな。」
「じゃあ試してみるよ!」
「ナミネが見つけたその記憶を調べるんだ。」
「痛みの塊でも受け止めてみせる。」


ミッキーが言う。
「待って。受け止めるのは君だけじゃない。」
「僕も一緒だよ。」


ソラとミッキーはナミネが持っている記憶の欠片に触れた。
記憶の欠片に秘められた想いが心に流れ込んでくる。
ロクサスとアクセルがいる。
「これは隠された真実。」
「ソラの心の奥底に封じ込められていたの。」
「ソラ本人の記憶じゃなくてソラと繋がる人達の記憶。」
シオンもいる。
「みんなソラを待ってる。」
「君にしかその痛みを癒すことは出来ないから。」
「それにディズが君が眠ってる1年の間、君の中に何かを隠してた。」
「何なのかたずねたけど、彼は償いだとしか言わなかった。」
「きっとソラの中にみんなを救う鍵がある。」
「そして彼らも。」
アクア、テラ、ヴェントゥスがいる。
「君なら彼らの痛みを理解出来るかも知れない。」
「彼らは鍵。」
「キーブレードの真実に繋がる存在。」
「そしてその存在は今もソラの中で繋がっている。」


ソラが言う。
「俺、会ったことある気がする。」


「うん、二人とは会ったことがある。」
「もう一人は私には分からなかったけど、とても特別な繋がりがあるみたい。」


ミッキーが言う。
「今が本当に思い出さなければならない時というのはもしかして・・」


「私には分からない。」
「けどこの先必ず彼らの目覚めが必要な時が来る。」
「そして彼らを助けられるのはソラだけ。」


ミッキーが言う。
「彼らの絆が鍵になると言うことだね。」
「分かったよ、ナミネ。」
「僕は今のことを外の世界にいるソラに必ず伝えるよ。」


デスティニーアイランドにいるソラ、リク、カイリがミッキーからの手紙を読んでいる。
「ソラ、リク、カイリ。」
「キーブレードを巡る真実はいくつもの繋がりを経て君達の心の中にあったんだ。」
「ソラ、君に繋がるみんなが君を待っている。」
「彼らの悲しみを癒せるのは君だけなんだ。」
「もしかしたらこれまでの旅は、これから始まる旅の準備だったのかも知れない。」
「これまで偶然だと思っていたことは全て繋がっていたんだ。」
「新しい旅立ちの扉はもう開かれようとしている。」


マレフィセントがピートと話をしている。
「なるほどね。」
「データの世界なんて言い方をするから気づかなかったよ。」
「予知書―かつてそう呼ばれた本があったのさ。」
「まるで未来の世界を見てきたように記録された本さ。」
「その予知書から未来の世界を再現し、未来に存在する人物や力まで取り出せたそうだよ。」
「まるでおとぎ話さ。」
「でもね、データの世界とやらも同じじゃないかい?」
「あいつらが記録を残すために使ったメモとやらが過去にあったとされる予知書と何か繋がりがあるのかも知れないね。」
「あのデータとやら、本当に手に入れないといけないねえ。」