キングダムハーツⅢ Re: Mind(リマインド)

>>「キングダムハーツⅢ」のストーリーをおさらい


キーブレード墓場にいるルシュがつぶやく。
「鍵が導く心のままに。」
ルシュはⅩⅢ機関に所属していた時のシグバールの姿をしている。


そこにルクソードが現れる。
「例えば黒ヤギが自ら隠した手紙を白ヤギに探させるとするなら、そこにはどういう
意図があると思う?」


「急に現れてなぞなぞか?」


ルクソードが言う。
「答えはいくつか考えられる。」
「隠した場所を忘れた。騙してからかっている。」
「本当になくしてしまっている。」
「シンプルに考えてもいくつか思いつく。」
「つまり考えても無駄だ。」


大きくため息をつくルシュ。
「じゃあ大人しく命令に従っていればいいってハナシ。」


「そう。これまではそうしてきた。」
「任務の意味は考えず遂行するのみ。」
「しかし私はついつい相手の考えを読んでしまう。」
「そんな中身もわからない箱がなぜ我ら機関にとって重要な益となるのか。」
「これは本当にゼアノートやゼムナスの命令なのか。」
「ゼアノートが必要としているのは7つの光と13の闇の衝突。」
「中身が不明な箱に興味を持つ可能性は極めて低い。」
「だとすれば箱に興味があるのはゼムナスか、捜索を言い渡したシグバール。お前だ。」
「確認したが、ゼムナスではなかった。」
「目的は何なんだ?」


ルシュが答える。
「中身は本当に知らないんだ。」
「でも古の時代からキーブレード使いに守られてきた箱。興味ないか?」
「きっとキーブレード使いにとって重要な秘密が隠されてるってハナシ。」


ルクソードが聞く。
「どこでその情報を得た?」


ルシュがとぼける。
「どこだったかなあ。」
「俺の任務は情報収集。」
「色んな世界を飛び回ってるからな。」
「どこかの世界の言い伝えだったか・・」


「なぜこのタイミングで箱を探せと言い出したのか。」
「おそらく他にも箱を探している者が現れ自分と箱の関わりを知られる前に、自らも箱の探索者として第三者になろうとした。」
「シグバール、お前は何者だ?」
「まあいい。お前が何者だろうが私には関係ない。」
「このまま道化を演じるさ。」
ルクソードは去っていった。


ルシュがつぶやく。
「お前こそ何者だ?ルクソード。」


―75年前―
キーブレード墓場で青年のゼアノートと闇の衣を着た謎の男が話をしている。
「どう?」


青年のゼアノートが答える。
「ああ。闇を払う衣。便利だ。」


謎の男が喜ぶ。
「でしょ?で、どうだった?世界は。」


「悪い意味で自分の存在意義を感じた。」
「各世界の人々は何事もないように平和に過ごしてる。」
「多くが正しい隣人を演じているが、それは表層的なもの。」
「誰もがその心の奥底に悪意を秘めている。」
「歪な光ばかりが目につく。」


謎の男が言う。
「世界を巡り見聞を広げる修行の旅がずいぶんな旅になってるみたいだな。」
「よほど深い闇でも見過ぎたか?」


「力なき者、力を欲しても得られぬ者は力ある者を狡猾におとしめることで力を得たかのように錯覚する。」
「そうやって人間は闇に染まっていく。」
「自らの都合のよいものだけを信じ、自らを肯定する理由を後付け
する。」
「それを繰り返し、負の連鎖になっていく。」


謎の男が言う。
「弱い人間はそうやって自己肯定していないと自身を保てない。」
「大目に見てやってもいいだろ?」


「いや、そんな歪な光なら闇に覆うべきだ。」
「いくら力を得たかのように錯覚しても所詮は勘違い。」
「実体は強者の皮を被った弱者。」
「俺はむしろ彼らを肯定している。」


謎の男が大げさに驚く。
「キーブレード使いが闇を肯定するのか。」
「過激な思考だね。」
「じゃあそのまま闇に覆われていくのを放置しとけばいい。」


「無秩序に放置すれば悪意が世界に蔓延する。」
「誰かが制御すべきだ。」


謎の男が言う。
「矛盾してないか?」
「闇を肯定するなら傍観者でいればいいだろ。」


「心を理解するのは難しい。」
「他人の感情ならなおさらだ。」
「自分が理解できないことを矛盾だと結論づけるのは簡単さ。」


謎の男が言う。
「厳しいねー。悪い意味での存在意義ってことか。」


「俺に何ができるかわからないけど放置はできない。」
「闇に覆われた先が大事だからな。」


謎の男が言う。
「歪な光の決断に左右されるのは確かに不幸なことだ。」
「君は?力を持つ強者は闇に覆われていく先の世界をどうしたいんだ?」


「強者か・・」
「さあ、もうすぐこの修業の旅も終わり。」
「マスター承認試験がある。」
「そこでハッキリするんじゃないかな。」


謎の男が言う。
「落ちれば弱者ってこと?」
「それは違うな。」
「試験の結果は関係ない。」
「存在意義を感じたんだろ?」
「それが君の成すべきことなんじゃないの?」


「不思議なことになぜか自分がこれから先進むべき道、成すべきことは感じてるんだ。」
「そう、この衣もなぜか懐かしいと言うか着るべくして着たというか・・」


謎の男が言う。
「いや、多分君、それ着なくなるよ。」
「必要性を感じなくなるってこと。」
「君が本当の強者なら闇に支配はされない。」
「そんなもので身を守る必要はない。」
「むしろ闇を支配する側になるからさ。」
「俺なんて怖くて怖くて、とてもじゃないけど脱げないけどね。」


青年のゼアノートが聞く。
「あんた、何者なんだ?」
「占い師か何かか?」


「例えば俺が占い師だと言っても、本当は画家かもしれないし学者かもしれない。」
「俺の目的が世界平和だと言っても、本当は世界の滅亡かもしれない。」
「自らの目で見た事実だけを真実とすればいい。」
「俺の名前は・・」
「ロストマスターの一人だ。」
「鍵が導く心のままに。」


―そして75年後―
年老いたゼアノートがキーブレード墓場でルシュ、アイザと話をしている。
「少年時代と青年時代の狭間・・」
「ある人物との出会いが私をここまでたどりつかせた。」
「彼が何者だったのか、いまだに定かではないが。」
「今なら真実がわかる。」


ルシュが言う。
「回顧的になってる場合じゃないだろ。」
「ソラを奪われ13個目の器を失ったまま。」
「そろった12人も今ここに集まってるのはこの3人。」
「本当に他の奴らは各々の時間に戻っちまったのか?」


アイザが言う。
「マールーシャ、ラクシーヌの二人はこの時間に現存し、既にニューセブンハートの調査中だ。」
「ルクソードも同じくこの時間に現存するが前回の集結の際、お前から何か指示されて動いているようだ。」
「何を指示した?」


ルシュがとぼける。
「ああ、そうなのか。」
「まあルクソードへの指示は今後の我らに有益なものだが、今すぐ関わる問題じゃないってハナシ。」


「相変わらず秘密主義だな。」
「まあいい。」
「アンセム、ゼムナス、ヴァニタス、リク=レプリカ、若きゼアノートの5人の心は、いったんは元の時間に戻りはしたが再集結した。」
「既に各々が光の守護者を追っている。」


ルシュが言う。
「まず人間として復活し、再びノーバディとなったのが俺とお前、ルクソード、マールーシャ、ラクシーヌの5人。」
「過去の時間からレプリカに心を移したのがアンセム、ゼムナス、ヴァニタス、リク=レプリカ、若いじいさんの5人。」
「そこになんだか知らないけど、じいさん加えて11人。」
「あと二人ってことか。」


年老いたゼアノートが言う。
「今回の集結は起点となる我に紐付くものだ。」
「元の肉体のままではなく、各時間で別の体に分けた我が心が消滅したことで元のこの姿が形成し直された。」
「完全なる消滅をもたらすには心と体が元の姿の状態でなくてはならない。」
「自ら心を何度も分けていた理由はそこにもある。」
「アンセムとゼムナスの元となった我が若き器、テラの姿も復活したが、我が心はこの元の体に、テラの心は闇によって心が不在の空の器となり、そこにはテラと融合した時間の我が心を宿した。」


ルシュが言う。
「それで12人。」
「あと一人、ソラの代わりは?」


アイザが言う。
「ヴィクセンが造っていたレプリカは20体。」
「初期の12体は人の姿を形成できない傀儡。」
「そしてプロトタイプとしてリク=レプリカが造られ、次にNo.1が造られた。」
「あと6体の素体にはアンセム、ゼムナス、ヴァニタス、リク=レプリカ、若きゼアノートを移し、そして残りが1体。」
「ヴィクセンとデミックスも加えるつもりだが、あくまで補欠。」
「残ったレプリカの素体1つにソラに関わる心を移す計画だ。」
「リク=レプリカのあとに造られたはずのNo.1。」
「記憶にはないが、ヴィクセンの記録が残っていた。」
「それがソラの記憶に大きく関わる存在らしく、器としてはより有効に使えるはずだ。」
「若きゼアノートが人形に心を宿す実験に向かった。」
「俺はヴィクセンを迎えにいき、13人を揃える運びになる。」


ルシュが言う。
「さすがだな。」
「俺が余計な心配をする必要はなかったってハナシ。」
「じゃ、俺も進めるか。」


年老いたゼアノートが言う。
「鍵が導く心のままに。」


―年老いたマスター・ゼアノートを倒した後―
ソラはχブレードを使ってキングダムハーツの鍵を閉じ、皆で元の世界に戻ってきた。


ミッキーが言う。
「やっと終わったね。」


ソラ首を振る。
「まだだよ。」


リクが言う。
「カイリのことは一度イェン・シッド様の所に戻ってみんなで考えよう。」


ソラが言う。
「ううん、俺はこのまま行くよ。」
「俺の旅はカイリを捜す旅から始まった。」
「やっと取り戻したと思ったらまた離ればなれ。」
「今回こそ一緒に帰れるはずだったのに、この場にカイリはいなかった。」
「もう一人にさせたくない。」
「俺にしか出来ないことだ。」


ミッキーが言う。
「ソラ、君の目覚めの力は心を追って飛び回る力じゃない。」
「カイリを助けることが出来たとしても、君が元の世界に帰れなくなるかもしれない。」


「大丈夫。俺なら何があっても必ず帰ってくる。」


リクが言う。
「行かせてあげよう、ミッキー。」
「心が命じたことは誰も止められない。」
「ソラを信じよう。」


ミッキーが言う。
「うん、でも本当に気をつけて。」


「ありがとう。」
ソラはカイリを捜す旅に出た。


ソラは目覚めの力を使って「終わりの世界」にやって来た。
ソラの前にチリシィが現れる。
「来るの早くない?」
「どうしたの?」


「実は・・」
事情を説明するソラ。


「いくら目覚めの力でも命を戻すことはできないよ。」


ソラが言う。
「カイリの心はまだ消えてない。」
「命は消えてないってことだろ?」
「前は6人の心も戻せたんだ。今回だって。」


「聞いた限りの状況はこの間より深刻だよ。」
「6人の心を取り戻したのも本来の使い方じゃないんだよ。」
「目覚めの力は眠った心を目覚めて戻す力であって、心と身体の消滅から取り戻す力じゃないんだ。」
「キミはそれを6人に使ってその結果、その時間自体もなかったことに書き換えてしまった。」
「禁忌を犯してしまってる。」
「やっちゃいけないことだよ。」
「禁忌を犯せばそれ以上の代償を払うことになるんだよ。」


ソラが青年のゼアノートに言われたことを思い出す。
「あいつに言われた。」
「代償って何なんだ?」


チリシィが答える。
「力を失って、もう目覚めの力は使えなくなる。」
「それだけじゃない。」
「キミ自身がこの世界から消えてしまう。」
「力が失われるから元の世界には戻れなくなる。」


「でもやるよ。」
「あとのことはわからないけどさ。」
「俺が今できることはそれしかないから。」
「カイリを取り戻すためにできることをやる。」
「俺の旅はそこから始まったんだ。」
「心が命じたことだから。」


チリシィがため息をつく。
「止めても無駄だよね。」
「じゃあ本当にこれが最後になるから僕の言うことを忘れないで。」
「キミはまた過去に戻る。」
「でもこれは前のような書き換えはできない。」
「どんな理不尽な出来事も受け入れて進むしかない。」
「今のキミの心はもうその時間に存在していた。」
「キミの心が過去に戻ったこと自体、元々起きていたことなんだ。」
「戻る場所はキミが運命を書き換えたタイミングから新たに書き換えてしまったことでできた時間の特異点。」
「キミはそこで守護者の心を経由してカイリの心にたどりつく。」
「守護者たちがそれぞれ抱えていた気持ち、悲しみ、不安、恐怖、優しさ、彼らがその時何を思い何を見ていたのか。」
「キミがそれを払い、彼らの心をたどることでより深い心に触れていく。」
「たどりついた先で何が待ち受けていて何ができるのかはわからないけど、心の繋がりをたどる中でこれまで見えていなかった真実を知りキミの大きな力になるはずだ。」
「ただ、過去の時間の流れの中でキミがここへ旅立った時がタイムリミットだから。」
「それまでにカイリの心を取り戻さないといけないよ。」
「助言できることはこれで全部。」
「あとはキミの心のままに進んで。」
「鍵が導く心のままに。」


ソラはドナルドがカイリを守るためゼタフレアを唱えた過去までさかのぼり、ヴェントゥス、アクア、テラ、ロクサスそして自分自身の心をたどった。
残る二人の守護者、リク、ミッキーの心をたどり、7つの光を受けとったソラは、ついにカイリの心を探し当てた。
ソラはカイリを連れて終わりの世界に戻ってきた。
「カイリ。」
「帰ろう。みんなが待ってる。」


チリシィが現れた。
「はじめまして、カイリ。無事でよかった。」


ソラが言う。
「でさ、俺たち帰るんだけどチリシィも一緒に来なよ。」
「やっぱりさ、会いたい人を待つだけじゃダメなんだ。」
「離れていても確かに心は繋がってる。」
「どうしてもそばにいられないならその時を待つのも仕方ない。」
「でも、もしそばにいられるならそばにいたほうがいい。」
「ここは確かにきれいな場所だけど、一人で見るより大事な人と一緒に見たほうがいい。」
「さっきカイリと一緒に見て思った。」
「何かを共有しあうのも時には大事なことなんだ。」
「だから一緒にここを出てチリシィの友達のところに連れて行くよ。」


ソラはチリシィをヴェントゥスの所に連れて行きカイリを元の世界に戻した後、姿を消した。


その後、リクはテラのもとで修行を積んだ。
「立派になったな。」


リクが言う。
「やっとあなたとの約束を果たすことができました。」


「ああ。だがもう教えることは何もない。」
「既にキーブレードマスターになり、今もこうしてみんなの先頭に立っている。」
「大事な仲間を助ける力も手に入れた。」
「こうしてこの辺境の世界まで来られる時点で力はもうあるということだ。」
「だから会いに来るように言ったんだ。」


そこにアクアとヴェントゥスがやってくる。
「本当に行かれるのですか?」


アクアが答える。
「うん、でも大丈夫よ。」
「今度は3人一緒だから。」


テラ、アクア、ヴェントゥスの3人は鎧を身につけ、異世界に旅立っていった。
「お気をつけて。」


―約1年後―
ミッキー、ドナルド、グーフィーの3人は過去にソラと行った世界を巡ってソラの足取りを探す。
トワイライトタウンでは賢者アンセムが中心となりロクサスとシオンの記憶データを調査中だが、進展がない。
カイリは自分の心にソラの手がかりがあるんじゃないかと、この1年ほぼ眠ったまま賢者アンセムに調べてもらっている。


リクは最近、奇妙な夢を見るようになっていた。
夜の見たこともないビルが建ち並ぶ場所でソラを捜して歩いていたら、ひときわ大きなビルの上から視線を感じるという夢だ。
そこからは憶えていない。
夢の専門家であるフェアリー・ゴッドマザーに相談する。
「なるほどね。」
「イェン・シッド様がね、ずっとソラの手掛かりがない状況を心配しててね。」
「以前、ソラの夢に入ったリクにも手掛かりがあるんじゃないかっておっしゃってるの。」
「そこで夢なら専門の私にリクの夢を見てほしいってマーリン様に言われていたところだったの。」
「ソラの夢に入っていたリクの夢。」
「きっとその夢にソラの手掛かりがあるわ。」
「それとあと二人。」
「カイリと・・」


ソラは星が広がる夜空の世界にいた。
「消えてはいないんだな。」
「おーい、誰かいないー?」


ソラの呼びかけに反応してヨゾラが現れた。
ヨゾラは「トイボックス」の世界で販売されているゲーム「VERUM REX」に登場するキャラクターの一人だ。
「あれ?君は・・ヨゾラでしょ?」
「俺はソラ。」
「そうそう、君に聞きたいことがあるんだ。」


ヨゾラが驚く。
「ソラ、おまえがソラ?」
「聞いたことがある。」


「君がいるってことは、ここは現実の世界じゃないのかな?」
「あ、でも君のことは彼女からも聞いてるし。」
「やっぱり現実に存在してるのか?」


ヨゾラが言う。
「確かにここは現実じゃないが、俺は実在する。」
「これは俺の本来の姿じゃないが。」
「どうしておまえは俺をヨゾラと呼ぶんだ?」
「おまえはなぜソラを名乗ってる?」
「おまえが本当にソラでここで俺に会う運命だったなら、やっぱりおまえがそうなんだな。」
「この不思議な空間に迷い込み、いくつかの試練を受けた。」
「そしてソラを救えと言われたんだ。」
「さっさと終わらせよう。」


ヨゾラは突然ソラに襲いかかってきた。
ソラは襲いかかってくるヨゾラを倒した。
「そうか。まだ俺の力は必要じゃないんだな。」
ヨゾラの身体は消滅し、気がつくとソラは終わりの世界にいた。


夜の街を走る車の後部座席で眠っている青年。
青年はヨゾラと同じ容姿をしている。
「将軍、将軍。」


運転手に将軍と呼ばれた青年が目を覚ます。
運転手が言う。
「あれ、すごいですね。」


青年が車の外を見る。
「俺にはよくわからないんだ。」
「この世界が本当に本物なのか。」
「そんなの考えたこともなかった。」