キングダムハーツ ユニオンクロス キーブレード戦争編

チリシィがつぶやく。
「人は心を守るために悲しい出来事を記憶の奥に仕舞い込むようにできてるって聞いたけど、本当なのかな?」
「だとしたら、こんな大掛かりに記憶の上書きをする必要があったのかな?」
「悲しい記憶であっても忘れてはいけない。」
「忘れるべきじゃないなんて思ったりもしたけど、それは傷を負った本人じゃないからかもね・・」
「だって、記憶の奥底に仕舞い込んだとしても心に負った傷が消えることはない。」
「忘れるというのとは少し違うから。」
「主人公は上書きによって悲しい記憶を思い出せなくなってるけど、記憶の奥底―心に負った傷が消えたわけじゃない。」
「でももしその記憶が必要になる時があれば、主人公と一緒にいる僕が憶えてるから。」


「主(カレ)は6人の弟子に新しい名前を与え、そのうち5人に予知書を与えた。」
「予知者となった5人の弟子は未来が書かれたその予知書を読み、最後のページに書かれた一節に驚愕したらしい。」
「彼の地の大戦によって光は敗北し消滅する。」
「世界は永遠の闇に覆われることとなる。」


―数カ月後―
キーブレード戦争が終わり、主人公が倒れ込んでいる。
「終わりなんてもっと世界を焼き尽くす様な恐ろしい光景だと思ってた。」


―数日前―
デイブレイクタウンの噴水広場前で揉めているキーブレード使い達を見つける主人公。
「やめとこうよ、気持ちはわかるけどキリがないよ。」
「最近多すぎるよね、本当にどうなっちゃうんだろう・・」
チリシィが止めるのも聞かず、主人公は仲裁に入った。
「仲間にキーブレードを振るうなんて!」


争っていたキーブレード使いの一人が言う。
「仲間だと?笑わせるな。」
「こいつらは俺達のルクスを奪ったんだ。」


相手のキーブレード使いが言う。
「はあ?光は俺達が守っている。」
「お前達のユニオンが裏切りの闇ではないのか?」


「お前達のユニオンこそ光を奪う闇ではないのか!」
争いをやめないキーブレード使い達にチリシィが言う。
「待ってよ!例え別々のユニオンでも目的は同じ仲間。」
「戦うのは間違ってる!」


そこにスクルドがやってきた。
「やめなさい!」
「私達の敵は闇の魔物。」
「キーブレードは人に振るうものじゃない!」


キーブレード使いが言う。
「人であろうが光を奪う者は闇の存在、魔物と同じだ!」
「もう戦いは始まってるんだ。」


予知者アセッドが現れる。
「そのとおり。」
「もはや信じられるのはユニオンの結束のみ。」
「同じキーブレード使いであろうが、その心が闇か否かの判断はできない。」
「絶対的強者、ユニオンの強さは回収した光の数じゃない。」
「強いユニオンこそが正義なのだ。」
「それは戦って証明するしかない。」
スクルドに言う。
「反論があるのか?」
「お前達はアヴァが裏で組織しているダンデライオンの一味だろ?」
「アヴァがやっていることも結局は力の誇示だ。」
「同じではないのか?」


主人公が言う。
「俺はダンデライオンじゃありません。」
「ユニオンはウルベウス。」


予知者アセッドがキーブレードを出現させる。
「キーブレードを構えろ。」


主人公は予知者アセッドに挑むが、あっさりと敗れてしまう。
「お前はキーブレード使い失格だ。」


「キーブレードを納めろ、アセッド。」
予知者イラがやってきた。
「マスターともあろう者がキーブレード使いに危害を加えるとは!」


「ふん!力を試してやったまで。」


予知者イラが言う。
「お前の殺気を感じてここに来たんだぞ。」


「もはや決戦は避けられん。」
「インヴィ、グウラ、アヴァ、そしてお前もだ。イラ。」
「どのユニオンよりも多くのルクスを回収しようと躍起になっている。」
「戦いは最初から始まっていた。」
「それを激化させていったのはお前達の方だ。」


予知者イラが言う。
「だから力で抑えつけようと言うのか。」


「結局は強い指導者が世界を左右する。」
「俺はルクスでなく、どこよりも多くの兵を集める。」
「強い組織こそが絶対だ。」
「均衡を保つには指導者は一人でいい。」
「お前達4人を追放し、俺が全てのユニオンを統べる。」


予知者イラが言う。
「勘違いするなアセッド。」
「お前の力はそこまでではない。」
「過信した者の末路、思い知らせてやろう。」


「待っているぞ、決戦の地で。」
予知者アセッドは去っていった。


スクルドが言う。
「マスター・イラ。」
「決戦の地とは・・何が起きようとしているのですか?」


「定められた刻がもうすぐ訪れる。」


スクルドが言う。
「やはりアヴァ様が言っていた・・」


「もはや避けられん。」


スクルドが言う。
「そんな!」
「アヴァ様は言っていました。」
「その争いに勝者はないと。」
「それなのになぜ戦うんですか!」


「そうだな・・勝者を作らないためだ。」
「備えよ。」
予知者イラは去っていった。


予知者アセッドとの戦いで力を使い果たし倒れ込んでしまった主人公をスクルドが自宅まで運んでくれた。
チリシィがお礼を言う。
「ありがとう、スクルド。」


首を横に振るスクルド。
「ううん、それにしても日に日に雰囲気が悪くなってる。」
「あっちこっちで小競り合いを見かけるわ。」
「マスター達の様子はどうなの?」
「まあ、さっきのが物語ってるとは思うけど。」


チリシィが言う。
「うん、もうみんなバラバラなんだ。」
「何があったのかわからないけど、すっかりみんな変わってしまった。」


「そう・・やっぱりもう戦いは避けられないのね。」


主人公が目を覚ました。
「エフェメラは・・」
「エフェメラには会えた?」


スクルドが答える。
「彼とはまだ会えていないけど、アヴァ様の指示で動いているみたい。」
「私もなるべく多くのキーブレード使いを最終決戦に向かわせない様に説得してる。」
「でもほとんどの人が世界の終わりなんて信じてくれなくて。」
「それどころかアヴァ様の不在に不安を感じたダンデライオンの士気も下がり始めてて。」


「アヴァ様は?」


チリシィが言う。
「実はアヴァ様は行方不明で・・」
「でもグウラ様なら何か知ってるかもしれない。」
「二人は仲良かったから。」


主人公が言う。
「グウラ様に聞きに行こう。」
「もう時間がない。」


「・・そうね。」
スクルドと主人公は予知者グウラに会いに向かった。
「こっちでいいの?」
チリシィについていく。
「グウラ様はあまり塔に来ることはなくて、街の空き家に出入りしてるみたいなんだ。」
空き家の前にやってくる。
ここはストレリチアが命を落とした場所だ。
「ここら辺だと思うけど今いるかはわからないよ。」


「とにかく入ってみましょう。」
主人公とスクルドは空き家の中に入った。
「静かだね。」


「俺に何か用?」
予知者グウラが現れた。
「ルクス集めもしないでこんな所に来るなんて、お前達アヴァのダンデライオンか?」


スクルドが答える。
「あ、はい。」


「アヴァを捜してるの?」
「会ってどうする?」
「決戦に向かう状況を変えてほしいって頼むの?」
「いくらアヴァでもそんなことはできない。」
「それとも状況を聞くの?」
「それを知ったところで君たちは何もできない。」


スクルドが言う。
「でも何もしないで世界の終わりを待つなんてできません。」
「なるべく多くの仲間を決戦から回避させる。」
「それがダンデライオンの使命です。」


「さすがアヴァに集められただけはあるね。」
「まるでアヴァみたいだ。」
「いつも正しいアヴァ。」
「でも、いくら正しくても世界を救うことはできない。」
「もし可能性があるならマスターだけだ。」
「チリシィから聞いたことあるでしょ?」
「俺達予知者と呼ばれる5人はマスター・オブ・マスターの弟子だった。」
「この状況を変えられるとしたら彼しかいないよ。」
「でもマスターはある日突然消えたんだ。」
「俺もアヴァもマスターを捜そうとしたけど何も手掛かりはない。」
「唯一、マスターの行方を知り得るとしたらルシュだ。」


チリシィが言う。
「ルシュ様・・」
「マスター・オブ・マスターの6人目の弟子。」
「ルシュ様もマスターが消えてすぐ、後を追うように消えたんだ。」


スクルドが言う。
「そのルシュ様も見つからないんですか?」


「そうなるよね。本当に君はアヴァみたいだ。」
「アヴァはルシュを捜している。」
「マスターの行方を聞くためにね。」
「不調和を許さず、運命を悲観し真の強さを見失う。」
「真実を読み違え秘密に踏み込む。」
「これはロストページの一文。」
「これが誰を指すものなのか。」


スクルドが聞く。
「それにどういう意味があるのですか?」


「その裏切り者がこの世界を終わらせるきっかけになる。」
「目星はつけたんだけど、結局は止められなかったよ。」
「実際、的外れだったのかもしれないしね。」
「このロストページには続きがある。」
「そしてその一振りによって最後の戦いを告げる鐘がなる。」
「遂に戦いが始まるのだ。定められた刻が。」


チリシィが聞く。
「予知書のそんな大事な一節をボクらに教えていいんですか?」


「ダメだね。」
「でももう戦いは避けられないし、それを知ったところで何も意味はないさ。」
鐘の音が鳴り響く。
「ほら、始まった。」
「君たちも一度戻った方がいい。」
「おそらく各ユニオンから召集がかかる。」


―その少し前―
デイブレイクタウンの時計塔が見える小高い丘の上にアヴァはやってきた。
ルシュが時計塔を見ながら座っている。
「やっと見つけたわ、ルシュ。」


ルシュが言う。
「アヴァか・・」


アヴァが聞く。
「ずっと何してたの?」


「見てた。」
「俺の使命だから。」


アヴァが聞く。
「あなたはどんな使命を?」


「見てろと。」
「ただ、見てろと。」
ルシュは立ち上がり、アヴァの方を向いた。
「俺は5人と違い予知書を授からなかった代わりに、その予知書に書かれた先の時代へと進まなくてはいけない。」
「この世界の終わりを見届けて旅立つんだ。」
「アヴァはキーブレード戦争を回避させたいんだろ?」
「だからマスターと同じく姿を消した俺を捜していた。」
「マスターの行方を知るために。」
「でもそれは無理だよ。」
「この世界は終わるようになってる。そういう話にね。」


アヴァが聞く。
「ルシュ、何を知ってるの?」


「欠落した一片・・」
「アヴァ達の知らない予知。」
「マスターの意思。」


アヴァが驚く。
「マスターの意思?」
「こうなったのも、世界の終わりも、マスターの意思だと言うの?」


「俺の使命は、秘密を受け継ぐこと。」
「そのためには欠落した一片通りにこの世界を進ませないといけない。」
「マスターの意思は世界の行く末じゃない。」
「俺が使命を果たすために行動し、見ている。」


アヴァが聞く。
「欠落した一片には何が書かれていたの?」
「ルシュ・・あなたがこうなるようにしていたの?」
「あなたが裏切り者なの?」


ルシュはマスター・オブ・マスターから受け継いだキーブレード「ノーネーム」を出現させ、裏切り者の名前を告げた。


アヴァが驚く。
「そんな・・」


「そうさ、それが裏切り者の正体。」
「君にこの真実が受け止められるのか?」


アヴァが言う。
「それが真実だなんて信じられない。」


「だから運命に従い戦うしかないんだよ。」
「もしも別の答えがあるとしても、それは戦いの果にある。」
「マスターは世界の行く末より、我ら弟子が鍵にどう導かれていくのかを知りたいんじゃないかな。」


「世界より私達?そんなはずはない!」
「ルシュ、あなたはマスターの意思を利用している。」
「マスターがそんなことを望むはずはない!」
アヴァはキーブレードを出現させ、ルシュにキーブレードを振り下ろした。
ノーネームとアヴァのキーブレードが激しくぶつかり、その衝撃で時計台の鐘がなった。


主人公とスクルドは空き家を出た。
「私はダンデライオンの仲間の元に戻るわ。」
「主人公も来ない?」


主人公は首を横に振った。


「そう、わかったわ。」
「でも戦いに参加しないでほしい。」
「私達と共に外の世界に旅立ってほしい。」
「エフェメラもきっとそれを望むはずよ。」
「考えてみて。」
「じゃあ、またね。」
スクルドは行ってしまった。


主人公がチリシィに聞く。
「チリシィ、もし俺が消えたらチリシィはどうなるの?」
「消えるの?」


「うん・・」


主人公が言う。
「そうか・・」
「チリシィはどう思う?」
「俺はどうすればいい?」


「ボクは主人公に消えてほしくない。」
「予知者様の意思に反してしまうかもしれないけど、使い魔としてじゃなく友達として君には戦いに参加してほしくない。」


そこに黒いチリシィが現れる。
「ダンデライオンに入って戦いから逃げるのかい?」
「ああ、未来にキーブレード使いを繋ぐんだっけ?」
「そう言えば確かに聞こえはいいけど、結局多くの仲間を見捨てちゃうんでしょ?」
「君達はある時からバングルによってこ世の罪を集め始めた。」
「罪という闇を力に変え始めたんだ。」
「そう、君達はギルトとその名を置き換えて闇の力を使っていたんだよ。」
「大丈夫だよ、これも僕らを作ったマスターの意思。」
「それはわかるでしょ?」
「ここまで言えばボクが何者なのかわかったよね?」
「そう、ボクは君の闇から生まれた。」
「ボクのプレイヤーはキミだよ。」
「こんな時にウソを言っても仕方ないだろ?」
「ボクはそのチリシィと違ってずっと君のそばにいるわけでもないし、ボクはボクの意思で行動する。」
「最終決戦に参加しないなら、夢はボクが見せてあげるよ。」
黒いチリシィは黒装束を着たハートレスを出現させた。
「君達スピリットと違い、ボク達ナイトメアは悪夢を見せる存在。」
「それによって繋がりを絶ち、自由に生きるんだ。」


主人公は襲いかかってくるハートレスを倒した。
「強くなったねえ。嬉しいよ。」
「じゃあ本番だ。」
黒いチリシィは黒装束のハートレスを吸収してナイトメア・チリシィになった。
主人公は襲いかかってくるナイトメア・チリシィを倒した。
「これで繋がりは絶たれた・・」
「今は消えるけど・・また別の夢で会おう・・」
ナイトメア・チリシィは消滅した。
―数日後―


主人公はキーブレード戦争の真っ只中にいた。
予知者様の言葉はまったく耳に入らなかった。
これから何が始まるのか、目の前で何が行われているのか。
異常なまでに高揚した空間に圧倒され、視覚も聴覚も断片が鮮明に焼きつく。
この戦いの意味を考える間もない。
これまでの様な異形の魔物じゃなく、目の前に立ちはだかる敵はかつての仲間。
例えどんなに絶望的な状況でも、人は一縷の夢を、希望を、最後の瞬間まで信じたいと願う。


主人公が呟く。
「まだ最後じゃない。」


主人公の目の前に予知者アセッドが現れた。
「おまえか!」
「おまえはキーブレード使い失格だと言ったはずだ!」
キーブレードを構える主人公。
「ほう、戦いを望むか。」
「その根性、我がユニオンにほしいな。」
主人公は予知者アセッドを倒した。
「素晴らしい!合格だ!」
「お前は強い!強いぞ!」
「だからこそ、ここで消そう!」
「いずれ脅威となりかねん!」
予知者アセッドが主人公にキーブレードを振りあげた時、イラが現れた。
「決着だ。」
予知者アセッドと予知者イラが戦闘を始めた。


主人公が呟く。
「まだだ・・」


予知者インヴィが現れた。
「巻き込んでしまってごめんね。」
「せめて楽に送ってあげるわ。」
主人公は予知者インヴィを倒した。
「さすがアヴァね。」
「いい子を育てたわ。」
「生き延びなさい。」
予知者インヴィは去っていった。


予知者グウラが現れる。
「あ、このあいだの・・」
「何かもうボロボロじゃない?」
「大丈夫?」
頷く主人公。
「そうか、じゃあやれるね?」
「そうそう、ここ戦場だからさ。」
主人公は予知者グウラを倒した。
「ヤバ、強!」
「本気出さないとマズい相手なら俺はパスだわ。」
「じゃ、またどっかで会えたらね。」
予知者グウラは主人公の前から去っていった。


死んでいく仲間たちの心が天にのぼっていく様子を見た主人公が呟く。
「ダメだ、行っちゃダメだ・・」


予知者イラが現れた。
「君か・・」
「せめて静かに送ろう。」
主人公は予知者イラを倒した。
「よくここまで成長した。」
「惜しい、本当に惜しいキーブレード使いだ。」


予知者アセッドが現れた。
「この時を待ちわびていたぞ・・イラ。」
「俺が新たな主として世界を創り直してやる!」


予知者イラが言う。
「お前さえ調和を乱さなければ!」
予知者アセッドと予知者イラの戦闘が再び始まった。


力尽きて倒れ込んだ主人公のところにチリシィがやってくる。
「もういいんだよ、もういい・・」
主人公の体に天から光が差し込んだ時、スクルドがやってきた。
「女神・・」
「スクルド・・」


スクルドが微笑む。
「主人公・・」


エフェメラもやってきた。
「やっと会えたな。」


主人公がエフェメラに言う。
「約束・・破った・・」
「遅い・・」


「ああ、悪かった・・」
「一緒に行こう。」
エフェメラは主人公に手を差しのべた。

2020/1/11現在、公開されているストーリーはここまでです。**

新たなストーリーが公開され次第、追記、修正します。**