ゲーム ネタバレストーリー まとめ

ゲームのストーリーをまとめていきます。

キングダム ハーツⅢ

「奪われた世界、奪われた心。」
「その繋がりを断ち切られても、それが運命なら歩む道は帰るべき方向を常に向いている。」


若い頃のゼアノートとエラクゥスがチェスを指しながら話をしている。
「キーブレード戦争って知ってる?」
「大昔キーブレード使い達が光を奪い合ったってやつ。」
「奪い合った光でキングダムハーツを出現させて何がしたかったんだろうな。」


エラクゥスが答える。
「さあな。戦争起こす理由なんて理解出来ないよ。」


ゼアノートが言う。
「じゃあロストマスターって聞いた事ある?」
「キーブレード戦争は彼らが起こしたんだ。」
「いや、彼らのためになのかな。」
「本当は知ってるんだろ?」
「彼の地で光は闇に敗北する。」
「次期マスター候補のお前が知らないはずない。」
「見つめる目が全てを見てる。」
「もう決まってるんだ。この世界の結末は。」


エラクゥスが言う。
「結末が決まってたらつまらないだろ。」
「もし闇に敗北するなんて結末になるなら俺が書き換えるさ。」


「かなりの自信だな。」
「でも勝負の分が悪いんじゃないか。」


エラクゥスが言う。
「光は闇と違って目に見えるものだけじゃない。」
「最後まで分からないさ。」


「期待してるよ。」
「しかし光は予知書通りに敗北したのだ。」
「チェックメイト。」
「言い伝え通りだな。光は闇に敗北する。」
「また違う策を考えとくんだな。」


エラクゥスが言う。
「まだ終わってないよ。」
「結末が決まってるのはつまらない。」
「光は目に見えるものだけじゃない。そう言っただろ?」
「光は過去からだって届くんだ。」
「チェックメイトだ。」
「だから最後まで分からないって言ったろ?」


「ああ、そうだな。」


エラクゥスが言う。
「あれ、珍しい。」
「いつもならなかなか負けを認めないのに。」


「あんまり負けないからな。」


「それ言う?」
二人で笑い合う。


ゼアノートが言う。
「今日のは見事だった。」
「結局最後はお前に負けるのかもな。」
「世界を救うのはエラクゥスみたいなタイプだよ。」
「その時は俺も隣にいたいな。」


「ああ。俺もお前の隣にいるさ。」


ソラ達はグミシップでオリンポスに向かっている。
まもなく夜空の惑星が一直線に並ぼうとしていた。
ハデスは18年温めてきた計画をついに実行に移そうとしていた。
そもそも運命の女神達が予言したオリンポス乗っ取りの未来はこの時が示されていた。
ハデスは考える。
テラやアーロンが現れた事で計画を早まったことが失敗の原因だったのだ。
そしてついに惑星が一直線に並ぶ。
惑星直列から放出された闇のエネルギーは牢獄に閉じ込められていたタイタン族を次々に解放する。
さらにかつてソラに倒されたタイタン達までもが復活を果たす。
ハデスは復活したタイタン族にゼウスへの復讐心を煽りオリンポスへ向かわせていた。


ソラ達はオリンポスに着いたが、コロシアムが見当たらない。
「どう見てもコロシアムがないよね。」
「まあちょっとズレただけさ。」
「すぐに会える。とりあえず行ってみよう!」


山頂に登りヘラクレスの名前を呼ぶソラ。
「おーい、ヘラクレスー!」


突然ソラ達の前にハデスが現れた。
「今むしずが走る名前を呼んだのはどこのどいつだ?」
「まったく、なんでこんな山の中でまたあのムカつき野郎の名前を聞くんだ。」
「何だ、お前らか。」
「まあいい、あいつはすぐいなくなるから。」
「待て待て、先約があるんだ。お前らと遊んでる暇はないんだよ。」
「全宇宙が俺様に支配されるのを待ってるんだからな。」
「タイタン族よ、復活の肩慣らしだ。」
タイタン族の力でソラ達はどこかに飛ばされてしまった。
「あの方角は・・ま、いいか。」
「ご苦労さん、さあ、お仕事に戻ってー。」


ハデスのもとに闇のゲートからマレフィセントとピートが現れた。
「やれやれ、忙しい時に限って客が多い。」
「一体何の用だ?」
「あんたらに関わって上手くいった試しがないんだよ。」
「もうハートレスも必要ないからな。」
「今回は俺一人でやらしてもらう。」
「さあ帰った帰った。」


マレフィセントが言う。
「好きにするがいいさ。私もやることがあるからねえ。」
「ただし一つだけ教えておくれ。」
「この世界に黒い箱はないかい?」


ハデスが答える。
「黒い箱?」
「箱って言ったらゼウスが地上に隠したあの箱か?」


「それはどこにあるんだい?」


ソラ達が飛ばされた先にはヘラクレスがいた。
「ほら会えただろ。」


ヘラクレスが言う。
「久しぶりだね、ソラ、ドナルド、グーフィー。」
「まさか空から降ってくるとは思わなかったけど元気そうだ。」


ソラが辺りを見回すと、テーベの町が火に包まれていた。
「何があったんだ?」


「分かるだろ。いつものことさ。」


ソラが言う。
「ああ、いつものことね。」
「そう言えばさっき、そのハデスと会ったよ。」
「全宇宙を支配するとか言ってた。」


ヘラクレスが言う。
「全宇宙だって?そりゃまたずいぶん大きな話だ。」
「まあハデスが何を企んでいようが僕がぶっ飛ばすけどね。」
「そう言えばソラ、何か目的があってここへ来たんだろ?」
「ただの観光じゃないことは分かってるよ。」


「俺、ヘラクレスに聞きたい事があって来たんだ。」
「前にヘラクレスは力を失っただろ?でもちゃんと力を取り戻した。」
「ZEROからHEROに。」
「どうして取り戻せたのか聞きたくて。」


ヘラクレスが言う。
「うーん、あの時メグが死の川に投げ込まれて、僕はメグを助けたい一心で駆け出していて。」
「自分でもよく分からないんだ。」


「そうか。」
「俺もこれまでの力を失っちゃってさ。」
「ヘラクレスに聞けば力を取り戻す方法が分かるかもって思ってここに来たんだ。」


そこにメガラとフィルがやって来た。
「大変なことになったわね。」


ヘラクレスが言う。
「メグ、もうしばらく隠れてて。」
「僕達はこの火事で逃げ遅れた人がいないか捜してくるよ。」


「気をつけてね、ワンダーボーイ。」

ヘラクレスがソラ達に言う。
「手伝ってくれるだろ?」


「ああ、勿論!」


ヘラクレスはペガサスにメガラとフィルを乗せた。
「フィル、メグを頼んだよ。」
「ペガサス、二人を安全なところに。」
ペガサスは二人を乗せて飛んでいった。


その時、叫び声が聞こえてきた。
「助けてー!誰か、お願い!」


小さな女の子が崩れかけた建物の上から降りれなくなっている。
「大変だ。女の子が逃げ遅れたみたいだ。」
ヘラクレスとソラ達は協力して女の子を助け出した。
「助けてくれてありがとう。」


そこにマレフィセントとピートが現れた。
「おやおや、ソラと王の手下がいるよ。」


ピートがソラを指差して言う。
「なあマレフィセント。王の手下はともかく、こいつ前に会った時よりずいぶん弱くなってるみたいだぞ。」
「今のうちに倒しちまおうぜ。」


「そんな雑魚なら放っておけばいいのさ。」
「私達にはやることがあるだろ。」


ピートが言う。
「おお、黒い箱を手に入れるんだったな。」


「余計なことを言うんじゃないよ!」
「私達の目的が叶ったらまた相手をしてあげるよ。」
マレフィセントとピートは闇のゲートの中に姿を消した。


ソラ達はヘラクレスと一緒に逃げ遅れた町の人を助けて回った。
そこにブライグが闇のゲートから現れる。
ブライグはノーバディの時シグバールと名乗っていた元ⅩⅢ機関メンバーのNo.Ⅱだった男だ。
「いやー、お見事、お見事。」
「なんと麗しき自己犠牲の精神。」
「これが光の心を持つ者の成せる業というやつか?」
「自己犠牲はやめとけってハナシ。」


ヘラクレスが言う。
「僕は自分の命をかけてメグを救うことが出来た。」


「それはお前が特別な存在だからだろ。」
「普通の人間はそうはいかないんだよ。」
「自己犠牲する者を救おうとして新たな自己犠牲が生まれる。」
「それが負の連鎖ってやつ。」
「どこかが崩れたら共倒れってハナシ。」
「それは繋がる心も同じだ。」
「確かに繋がる心は力になるだろう。」
「反面、繋がる者に苦しみや負担を与える可能性があるってことを覚えておけ。」
「だがソラ、お前はそのままでいい。」
「繋がる心を力にして心の繋がりをたどって進むんだ。」
「まあお前は心の繋がりをたどるしか道がないってハナシ。」
「たどり着いた時、お前は自分の宿命を知ることとなるだろう。」
「案外ゴールは近いかも知れないな。」
「楽しみだ。」
ブライグは闇のゲートをくぐって消えていった。


ソラが呟く。
「繋がる心がみんなに苦しみを・・」
「俺の宿命・・」


その時、大きな地響きが起きる。
「この音と揺れ方はいつもと違うみたいだ。」
「まさかとは思うけど父さん達が心配だ。」
ヘラクレスは口笛を吹いてペガサスを呼んだ。
「ソラ、僕は先に行ってみるよ。」
「無理はしないでいいからね。あとは僕に任せて。」


ソラが聞く。
「父さん?」


「ああ、天界の王ゼウスだよ。」
ヘラクレスはペガサスに乗ってハデスのもとに向かっていった。


ソラが言う。
「天界の王がお父さん・・」
「それってヘラクレスも神様って事だよな?」
「どうりで強いはずだ。」
「でもⅩⅢ機関も来てるし放っておけないな。」
「助けたい心か・・」
「行こう!」


襲いかかってくるタイタン族を倒しながら山を登り、天の頂までやって来た。
ゼウスがタイタン族を操るハデスに捕らえられている。
「ただではおかぬぞ、ハデス。ここから出たら・・」


ハデスが言う。
「今日から俺がボスなんだよ。」


そこにヘラクレスがやって来た。
「浮かれるのはまだ早いぞ、ハデス!」


ソラ達も駆けつける。
「俺達もいるぞ!」


ソラ達とヘラクレスは襲いかかってくるタイタン族を協力して倒した。
ヘラクレスは無事ゼウスを助け出す。
「ありがとう、息子よ。」


ハデスが言う。
「18年だぞ。この俺様が18年も温め続けた計画なのに。」
「よくも邪魔してくれたな!」


ソラが言う。
「もう諦めろって。」
「何度やったってヘラクレスには敵わないよ。」
「冥界で大人しくしててね。」
「ジメジメ暗いところがお似合い。」


「このー!黙って聞いてりゃ俺様をこけにしやがって。」
「ムカつき親子にムカつきお供どもがー!」
「こうなりゃお前らから始末してやる。」


ヘラクレスとゼウスがハデスの前にやって来た。
「ハデス、お帰りはあちら。」
「おっと、忘れ物だよ。」
ヘラクレスはハデスを殴り倒した。
「テーベの町を壊したお返しだ。」


「覚えてろよー、少なくとも俺は覚えとくぞー!」
「またメガラを死の川に放り込んで・・」
ゼウスが雷をハデスに投げつける。
ハデスは冥界に逃げ帰っていった。


ソラ達はヘラクレスと一緒にテーベの町に戻ってきた。
「ほんとに戻ってきちゃって良かったのか?」
「天の頂って生まれ故郷だったんでしょ?」
「お父さんもいたのに。」


ヘラクレスが言う。
「お父さんとはいつでも会えるから。」
「それより大切な人と離れ離れになるのはきっと虚しいことだから。」
メガラがやって来た。
「あそこが僕の居場所だ。」
「そうだ。ソラが聞きたいことの答え、途中だったな。」


ソラが言う。
「ううん、いいんだ。」
「きっと誰かに教わるようなことじゃない。」
「ヘラクレス達のことを見てて分かったよ。」
「助けたい一心、それだけで充分だ。」
「うん、やっぱりここに来て良かった。」


ヘラクレスが言う。
「ソラのその心があれば失った以上の力を手に入れられるさ。」


ピートがテーベの町で穴を掘っている。
「ホントに予知書が入ってる箱なんてあるのか?」
「黒コートの奴に担がれたんじゃ・・」


マレフィセントが言う。
「口を動かさず手を動かすんだよ。」
「予知書は必ず手に入れなければならない。」
「手掛かりのない私達はどんな情報だろうと確かめる必要があるのさ。」
ピートが小さな黒い箱を掘り当てた。
「何だい、何かあったのかい。さあ、見せてごらんよ。」


「マレフィセント、これがハデスが言ってたパンドラの箱だろ?」


マレフィセントが小さな黒い箱を見て言う。
「埋めておしまい。」
「パンドラの箱と黒い箱は別物。」
「もうこの世界に用はない。行くよ。」


アクアを救出するため闇の世界を旅しているミッキーとリク。
「なぜかな。この世界に来たのはそんなに前じゃないのに遠い昔の事のように感じる。」


ミッキーが言う。
「リクはあれから多くの世界を周り、多くの感情に触れ合ったんだ。」
「普通は何年もかかる経験をしてきたからね。」


「最初にこの世界に来た時、不安で仕方なかった。」
「でも今は不安も恐怖も感じない。」
「むしろ気持ちが高ぶってるように感じるんだ。」
「これはまだ俺の中に闇があってざわついているんじゃないかと思ったんだけど、それでもない気がする。」
「ミッキーからアクアの話を聞いて気持ちが急いてしまったけど、それとも違うんだ。」
「闇に負ける気がしない。」
「前と違ってミッキーと一緒だからかな。」


ミッキーが言う。
「ううん、それはきっとリクが大切な人を守る強さを手に入れたってことじゃないかな。」
「自分の感情より誰かを助けたい気持ちの方が前にきてる。」
「不安や孤独を感じる隙きが無いほどにね。」


「大切な人を守る強さか。」
「まだ小さかった頃の約束を思い出すよ。」
「ある人と交わした約束。秘密なんだ。」
「ミッキーもアクアとの思い出、この世界で何か手掛かりは憶えてない?」


ミッキーが言う。
「それが前に来た時とは様子が変わってるみたいなんだ。」
「アクアとの繋がりをたどれば再会できると思ってたんだけど、たどればたどる程どんどん薄れていくんだ。」
「ともかく行ける所まで行ってみよう。」


ミッキーとリクは闇の海岸にやって来た。
「ここは・・」


ミッキーが言う。
「途絶えた・・」
「アクアは確かにここにいたはず。」
「でもここで繋がりが消えている。」


リクが言う。
「ここには来たことがあるんだ。俺とソラで。」
「俺とソラはここから光の世界に戻った。」
「もしかしたらアクアも戻ったんじゃないか?」


ミッキーが首を横に振る。
「逆にここから更に闇の深淵に向かってアクアの繋がりが消えている。」
「僕達にはこれ以上の闇に潜る術がない。」


突然巨大なハートレスが現れ、リクはハートレスに飲み込まれてしまった。
声が聞こえてくる。
「また会えるとは思わなかった。」
「どうしてこんな世界に来た?」


リクが答える。
「助けないといけない人がいる。」


「力を貸そうか。」


リクが聞く。
「誰なんだ?」


「俺は・・」


リクは意識を失ってしまった。


「リク!」
リクが目を覚ますとミッキーが心配そうに介抱していた。
「大丈夫かい?」


「ハートレスは?」


ミッキーが答える。
「リクを吐き出した後またどこかに消えてしまったよ。」
「不意を突かれたとはいえ油断しすぎた。」


「ミッキーは大丈夫だった?」


ミッキーが言う。
「うん、新たな衣のおかげでね。」
「でもリクの方こそ・・」
リクのキーブレードが折れている。
「闇の世界に来てから強敵ばかりだったし、僕達は今までキーブレードの強化をまったくしてこなかった。」
「一旦イェン・シッド様の所に戻って立て直してこよう。」


リクが言う。
「アクアはさっきのような敵と一人で戦っているのかも知れない。」
「俺が最初にこの世界に来た時のように不安や孤独と戦い続けてると思うんだ。」
「アクア、もう少しだけ待ってくれるかな。」


「アクアはソラに似てるよ。」
「心の強さがね。」


リクが言う。
「そうか、ソラに似てるなら少しは安心かな。」
「あいつならどんな深い闇に飲まれても負けない。」


「またすぐに戻ってこよう。」


リクは折れたキーブレードを砂浜に突き刺した。
「このキーブレードはもう使えない。」
「だからここに残していくよ。」
「もう一人の俺のために。」


ソラ達はミステリアス・タワーに戻ってきた。
「そうか、力は取り戻せなかったか。」


ソラが言う。
「でもいいんです。大事なことが分かったので。」


イェン・シッドが言う。
「しかし目覚めの力は必要になる。」
「難しく考えすぎていたのかも知れんな。」
「必要に迫られれば活路を見出す。それがソラの強さ。」


ミッキーとリクも戻ってきた。
「ただいま。3人はどこかに行ってたの?」


ドナルドが言う。
「ヘラクレスの世界に行って来ました。」
「ソラの失われた力を取り戻す為に。」
「でも取り戻せなかったんですけどね。」


「そうなんだね。」
「でも僕達も良い報告は出来ないんだ。」


リクが言う。
「マスター・アクアは前に俺とソラでたどり着いた闇の海岸で繋がりが途絶えてたんだ。」
「闇の世界よりもはるか闇の底、闇の深淵に向かって。」
「でも前にソラが闇の深淵に飲み込まれた時、俺がソラを迎えに行った。」
「だから同じようにマスター・アクアに近い強い繋がりを持つ者が闇の深淵に潜りさえすれば・・」


ミッキーが言う。
「アクアと強い繋がりを持つ二人、一緒に修行していたヴェンはアクアにしか見つけられない場所にいる。」
「テラもアクアが最後に見て以来姿を見せていない。」
「アクアがヴェンを見つける鍵―」


イェン・シッドが言う。
「そしてアクア達3人のキーブレード使いを育てたマスター・エラクゥスもゼアノートに討たれた。」


ソラが言う。
「俺が助けるよ。」
「ごめん、なんか突然そういう感情がわいて。」


ミッキーが言う。
「でもなんだか説得力があったよ。」


イェン・シッドが言う。
「ソラは目覚めの力を取り戻すことを優先するとして、王とリクはかつてアクアが訪れた世界をたどればアクアとの繋がりの手掛かりが得られるかも知れん。」


ミッキーが言う。
「分かりました。」
「僕達はアクアの足跡をたどって手掛かりを探してみますがその前に、実は闇の世界の敵は強力で僕のキーブレードは痛み、リクのキーブレードは折れてしまいました。」
「新たなキーブレードを手に入れなければなりません。」


「なるほど。」
「ではカイリ達が修行中の魔法使いマーリンの元に寄ってみなさい。」
「ついでにこれを渡してきてくれぬかな。」
「二人に渡したのと同じく、カイリとリアの分の闇を払う新たな衣だ。」


ソラが言う。
「えー、ずるいー。」
「イェン・シッド様、俺の分は?」


「勿論ソラの分も用意してあるぞ。妖精達からの贈り物だ。」
「ソラの衣は前回と同じく特殊な能力が秘められているらしく、用意するのに時間がかかったようだ。」
「あとチップとデールからの贈り物も入れてある。」
「皆これで準備は整ったかな。」


そこにジミニー・クリケットがやって来た。
「待った、待った!」
「私をお忘れなく。」
「またソラ達に私がお供させていただきますよ。」
「旅の記録はこのジミニー・クリケットにお任せあれ。」


イェン・シッドが言う。
「さて、新たな旅立ちに際してソラにはこれも渡しておこう。」
「絆のお守りだ。」
「多くの心と繋がることが出来るソラならば、その絆が大いなる力となって助けとなるであろう。」
「鍵が導く心のままに。」


ソラ達がグミシップに乗り込むと、チップとデールからの贈り物「モバイルポータル」が鳴り出した。
「チップー、繋がったよー!」
「もう、早く出てよ!」
「ソラに大事な事を伝えることになると思って。」
「このモバイルポータルをとりあえずソラに渡して欲しいってイェン・シッド様の所に送っておいたんだ。」
「写真も撮れるよー。」
「これを持っていれば遠くにいても会話が出来る。」
「前の眠りの世界の旅でリクが賢者アンセムから託されたソラの心と記憶に関するデータがあったんだけど。」
「僕達はアンセム・コードって呼んでるんだ。」
「今までそのアンセム・コードの解析を進めていたんだ。」


突然イエンツォが通信に割り込んできた。
イエンツォは元ⅩⅢ機関のメンバーNo.Ⅵでゼクシオンと名乗っていた男だ。
「データは暗号化されていて、まだ一部しか解析されていない。」
「本体の方とは初めましてだったかな?」
「僕はイェンツォ。」
「エレウスも一緒だよ。」
「エレウス、ロクサスの本体だからって気にすることないだろ。」
エレウスは元ⅩⅢ機関のメンバーNo.Ⅴでレクセウスと名乗っていた男だ。
エレウスは何も言わずにどこかに行ってしまった。
「ともかく君達が僕達のノーバディを倒したおかげで人間として復活したんだ。」
「最初はノーバディになることを望んだんだけど、僕達も結局ゼムナス、いや、ゼアノートに騙されていたのさ。」
「僕達はもうゼムナスやゼアノートの支配下にない。」
「人間だった頃と同じ純粋に心を解明しようとする学徒にすぎないよ。」
「僕達も君達のようにこの世界に連れ戻したい人がいるんだ。」
「それにはお互い協力した方がいい。」
「早速だけどソラ君、君に関する興味深いデータがアンセム・コードから解析されたんだ。」
「我が師賢者アンセムは君の記憶を復元する過程で君の心を調べていたらしい。」
「そして発見した。」
「どうやら君の心には君とは別の心があるらしい。」


ソラが言う。
「俺、なんとなく感じてたんだ。」
「俺の心に眠る心。」
「それは多分ロクサスの心だ。」
「そしてカイリの中にはナミネがいるはず。」


イェンツォが言う。
「なるほど。自分の心は自分が一番理解しているか。」
「実を言うと僕達にはまだそこまで結論を出せていなかったんだけど、しかし興味深いね。」
「本体とノーバディが同時に存在しているばかりか心が同居しているなんて。」
「賢者アンセムもソラ君のその特異性に目をつけたのかも知れないね。」
「僕達はその仮説に基づいて検証を進めてみるよ。」
「それじゃあ、また。」


チップとデールが言う。
「じゃあまた何かあったら連絡するからねー。」
「通信は僕達とレイディアントガーデンと王様達にも繋がってるからねー。」
モバイルポータルの通信が切れた。


「俺はロクサスを助けたい。」
「だから王様やリクのようにまずはロクサスの心をたどるよ。」
ソラはキーブレードを出現させてトワイライト・タウンへ向かった。


街を歩きながらグーフィーが言う。
「結局イェン・シッド様に話さなかったけど良かったのかな?」
「報告は大事なのに。」


ソラが言う。
「うーん、マレフィセントやシグバールのことだろ?」
「今は王様やリク達に余計な心配させたくなくてさ。」
「それにもし何かあってもあの二人の悪巧みなら俺達で何とか出来るだろ?」
「でも気になることも言ってたよな。ピートが言ってた黒い箱のこと。」
「まあどうせ大した事じゃないと思うけどね。」
「それよりこの街並み、なんか懐かしい!」


グーフィーが言う。
「前に来てからそんなに経ってないよ。」
「ソラの中のロクサスの感覚なのかもね。」


ソラが言う。
「うん、俺、眠りの世界でロクサスに会ったんだ。」
「あれはきっと俺の心の中にいるロクサスだと思う。」


グーフィーが言う。
「そう言えばデータの世界でもデータのソラに心の痛みを受け止める覚悟があるか確かめに来たんだよ。」


「心の痛み・・分かるような気がする。」
「リクやカイリがいなくなった時、キーブレードが使えなくなってドナルド、グーフィーと離れ離れになった時、大切な友達と離れ離れになった時の辛さとか悲しさ、絆があるからこそ心が痛かったんだと思う。」
「心の痛みが絆なんだ。」
「やっぱり心の繋がりをたどって間違いはなかったよ。」
「俺はロクサスを助けたい!」


その時、ソラの心に声が聞こえてくる。
「我らが主を求めるか?」


「え?」
突然ダスクと呼ばれるノーバディが現れてソラ達に襲いかかってきた。
ソラ達はダスクを倒した。
「うーん、さっきの声何だったんだ?」


そこにハイネ、ピンツ、オレットが走ってやって来た。
ハートレスの群れ「デビルズウェーブ」に追われているようだ。
「おお、ソラ!」
「悪い、挨拶はあとな。」


「早く逃げて!」
ソラ達はハイネ達を追いかけていたデビルズウェーブを追い払った。


ハイネが言う。
「助かったよ、ありがとうソラ。」


「ハイネ、ピンツ、オレット、久しぶり!」


オレットが言う。
「ドナルドとグーフィーも元気そうね。」


ピンツが言う。
「君達がいるってことはまた事件かな?」


ハイネが言う。
「何言ってんだ、ピンツ。」
「あんな黒いウジャウジャ、今まで見た事なかっただろ。」
「かつてない!」
「これが事件でないはずない。」


ピンツが言う。
「確かにね。白いグニャグニャは見た事があったけど、あんなのは初めて見た。」
「これは調査のしがいがあるぞ。」


オレットが言う。
「もう夏休みの自由研究は終わったでしょ。」
「事件はともかくソラ達は何か用があって来たのよね。」


ソラが言う。
「ああ、実はロクサスを探しに来たんだ。」


ハイネが言う。
「ロクサス?変だな。初めて聞く名前なのになぜか知ってるような気がする。」
「どこかで会ってたのかも知れないな。」


グーフィーが言う。
「うーん、会ってたというか、別の君達と友達だったかも知れないね。」
グーフィーはロクサスとハイネ達が一緒に写った写真を取り出して見せた。


「この写真って・・」
「うん、僕達も持ってるよ。」
ピンツが同じ写真を取り出すが、そこにはロクサスが写っていない。
「そうか、もう一つのトワイライトタウンか!」
「こっち側になくてあっち側にあるもの。」
「あっち側で僕達とロクサスは友達だったんだ。」
「ソラ、俺達もロクサスを捜すのを手伝うよ。」
「こっちの世界でも友達になりたいからな。」


ピンツが言う。
「じゃあ早速街で情報収集だね。」
「他にも僕達みたいにロクサスと関わりがあった人がいないか聞き込みしよう。」


オレットが言う。
「うん、ソラ達はその写真の場所、幽霊屋敷に行くんだよね。」
「街での事は私達に任せて。」


「ありがとう。」
「そうだ、確かこれ、写真も撮れるって言ってたよな。」
ソラはモバイルポータルを取り出した。
「せっかくだからみんなで撮らないか?」


「ああ、いいね、いいね!」
じゃんけんで負けたドナルドの代わりにグーフィーがカメラマンになり、ソラ、ハイネ、ピンツ、オレット、ドナルドの5人で写真を撮った。
「よく撮れてるね。」


オレットが写真に写る壁にミッキーフェイスのマークを見つける。
「あ、幸運のマーク!」
「最近私達の間で流行ってるの。」
「街のあちこちにこのマークが隠されててね、これを写真に撮ると幸運が訪れるんだって。」


ソラが言う。
「このマーク、見覚えない?」
「王様そっくり。」


「色んな所にあるみたいだから探してみてね。」


「よし、じゃあ俺達は街の人の聞き込みだ。」
「ソラ達は先に幽霊屋敷に向かっててくれ。」
「後で追いつく。」
ハイネ達と別れたソラは街外れの森の奥にある幽霊屋敷に向かった。


森の中に入るとネズミがハートレスに襲われていたので助けてあげた。
散らばったネズミの果物を拾い集めてあげたソラ。
「こんなに沢山の果物どうするんだ?」
「ま、いっか。気をつけてな。」


ソラ達が幽霊屋敷の中に入ろうとするとハイネ達がやって来た。
「結論から言うとロクサスの事を知ってる人はいなかったんだ。」
「残る手掛かりは幽霊屋敷だけ。」
「行ってみよう、もう一つのトワイライトタウンへ。」


幽霊屋敷の地下にあるコンピュータの椅子に座るピンツ。
「パスワードは・・確かシーソルトアイスだったよね。」
「それで転送装置は・・駄目だ。転送装置がプロテクトされてる。」
「残念だけどもう一つのトワイライトタウンへは行けないって事だよ。」


その時、ソラが持つモバイルポータルが鳴った。
通信はイェンツォからだった。
「やあソラ君。今コンピュータの前にいるんじゃないかな?」
「今アンセム・コード解析の為に賢者アンセムが使っていたコンピュータを調べていてね、そちらのコンピュータをモニターしていたところにログインがあったからもしかしてって思ったんだ。」
「一体誰がログインしたんだい?」


「あ、僕です。ピンツって言います。」
「僕がコンピュータを操作しています。」


イェンツォが言う。
「良かった。とりあえず不正ログインではないって事だね。」


「はい、でもちょっと困ってるんです。」
「プログラムの一つにプロテクトがかかってて実行出来ないんです。」
「もう一つのトワイライトタウンへ行く装置のプログラムです。」
「ロクサスの唯一の手掛かりなんです。何とかなりませんか?」


イェンツォが言う。
「もう一つのトワイライトタウン・・転送装置・・」
「おそらくそこはコンピュータで作られたデータの世界だね。」
「こっちでも調べてみよう。」
「ピンツ君、こっちのコンピュータとネットワークを構築しよう。」
「アドレスは・・」
ピンツがコンピュータを操作する。
「共有化した。これでOKだ。」
「こちらとそちらのコンピュータでネットワークを構築したから、こちらからそちらのコンピュータを調べたり操作したり出来る。」
「ロクサスのデータも以前構築した仮想世界が完全なものなら、賢者アンセムは完全なロクサスのデータを取り込んでいたはずだよ。」
「それならコンピュータ内にロクサスのデータログが必ず残っている。」
「とにかくアンセム・コードの解析がはかどるし、データのトワイライトタウンの事も調べられるってことだよ。」
「チップ君とデール君も色々協力してくれてるしね。」
「じゃあまた何か分かったら連絡するよ。」
「あ、そうそう。一つ心配なことがあるんだ。」
「元ⅩⅢ機関で僕達と同じ賢者アンセムの弟子だったエヴェン、君達にはヴィクセンって言ったほうが分かりやすいかな?」
「彼も僕達と同じように人間に戻って意識不明の状態が続いていたんだけど、リアがこの地を去った後姿を消したんだ。」
「エレウスとディランの二人、君達が知ってるレクセウスとザルディンが捜してはいるんだけど見つからなくてね。」
「嫌な胸騒ぎがしてるんだ。」
「闇の勢力に加担している可能性が十分あると思う。」
「彼の研究は厄介だ。用心した方がいいよ。」
モバイルポータルの通信が切れた。


ハイネが言う。
「やっべ、結構経ったよな。バイトの時間だ。」
「先立つものがなければ海にも行けない。」
「そして何より大事な焼きソバ!」
「4人分買わないとな。」


ピンツが言う。
「あー、そういうこと。」
「素直じゃないな。」
「じゃあ僕はコンピュータを調べてるから僕の分もしっかり稼いできてね。」


「またな、ソラ。」
ハイネとオレットは一緒に帰っていった。


ソラが幽霊屋敷を出ると偽アンセムとゼムナスが現れた。
偽アンセムはゼアノートのハートレス、ゼムナスはゼアノートのノーバディだ。
「ロクサスを復活させる気か?」
「存在しない者をどうやってこの世界に呼び戻すというのだ。」


ソラが言う。
「ロクサスは存在している。」
「今も俺の心の中に。」


ゼムナスが言う。
「仮にロクサスの心を復活できたとして、心を収める器はどうするというのだ。」


ソラが言う。
「ロクサスはもう一つのトワイライトタウンで存在していた。」
「きっと復活させられる方法があるはずだ。」


偽アンセムが言う。
「自分で言っている事に気づいているのか?」
「それはただのデータにすぎない。」


ソラが言う。
「心は何にだって宿る。それがデータであっても。」
「俺が必ず証明してみせるさ。」


グーフィーが言う。
「アンセムもゼムナスも元々一人だったんでしょ?」
「何で今一緒に存在していられるのかな?」
「それが出来るならソラとロクサスも一緒にいられるってことだよね。」


偽アンセムが言う。
「そこまで言うのなら任せよう。」
「ロクサスの復活は我らにとっても望ましいこと。」


ソラが言う。
「もうロクサスはお前達の言いなりにはならないさ。」


ゼムナスが言う。
「忘れたか?ノーバディは闇に心を奪われた抜け殻。」
「ロクサスを復活させるということは再び自らに闇の力を用いること。」
「ソラ、お前は結局闇の力を使うのか?」


偽アンセムが言う。
「まあいいだろう。」
「闇に心を委ねるがいい。」
偽アンセムとゼムナスは闇のゲートに消えていった。


ソラが言う。
「闇の力じゃない。それは助けたい心だ。」
「俺は心の繋がりをたどってロクサスを助けてみせる。」
「手伝ってくれるよな、ドナルド、グーフィー。」
「アンセムとゼムナスの目的は分からないけど、ハイネ達に注意するように言っとこう。」


カイリとリアは一緒にマーリンのところで修行を受けていた。
カイリが手紙を書いている。
「何も挨拶しなかったけど、イェン・シッド様に聞いたかな?」
「私もキーブレード使いになる為に修行に来てます。」
「今まで君達が旅から戻るのを待ってるだけだったけど、少しでも役に立てればと思って頑張ってます。」
「魔法使いマーリン様は時間を超える魔法が使えるみたいで、ここでは時間を気にする必要がないそうです。」
「すごいよね。」
「一緒にリアも修行してるんだけど、何度も何度も私に謝ってて。」
「もういいよって言ってるのにずっと謝ってばかりです。」
「最初はちょっと怖かったけど修行の合間に話すようになって、リアも助けたい親友がいるんだって知って何だか憎めない人だなって思ってます。」
「時々じっと私の顔を見てるからどうしたのって尋ねると、分からないけど思い出さないといけない気がすると言います。」
「それってきっと君の旅にも関係あるのかな?」
「君の旅は多くの人を助ける旅でもあってこれから出会う人達もそうだけど、こうして出会った人達も君の助けが必要なんだと思います。」
「旅は大変だと思うけど、これからもずっと元気で明るいソラでいてね。」
「君の笑顔が多くの心を救うから。」


リアがやって来た。
「手紙か?ソラに?」


カイリが言う。
「うーん、ソラに宛てて書いてるけど、渡さないから日記みたいなものかな。」


リアが言う。
「マーリン様に頼めば渡してくれるだろ。」


「うん、でもいいんだ。」
「ソラに話しかけるように書いてると落ち着くだけだから。」


リアがシーソルトアイスを2つ取り出した。
「これ。」
「マーリン様に頼んで買ってきてもらったんだ。」
「今日ほら、二人ともキーブレード出せたからお祝いってやつ?」


シーソルトアイスを食べるカイリの顔をじっと見つめるリア。
それに気づいたカイリが言う。
「なあに?」
「思い出さないといけないことってやつ?」
「明日はさ、二人で組手ってやつやるんでしょ?」
「手加減なしだよ、リア。」


リアはシオンの事を思い出しかけて突然涙を流す。
「ああ、ごめん。」
「陽が目に入っただけだ。」
「俺、先戻るわ。ごめんな。」


カイリが言う。
「リア、もう謝らないで。」


リアが言う。
「分かった。じゃ、俺からも。」
「リアじゃなくてアクセルでいい。」
「記憶したか?」


「うん、分かった。アクセル。」


ミッキーとリクはレイディアント・ガーデンにいた。
ディランに以前記憶を失ったゼアノートが倒れていた広場まで案内してもらう。
ディランは元ⅩⅢ機関のメンバーのNo.Ⅲでザルディンと名乗っていた男だ。
「ここでゼアノートが・・」


リクがミッキーに聞く。
「アクアがテラを助けて闇に堕ちた世界もレイディアント・ガーデンですよね?」


「うん、アクアの話だとそう言ってた。」


リクが言う。
「テラは正気ではなかったと?」


「姿はテラだったけど、内に闇の存在を感じたようだね。」


リクが言う。
「時を同じくしてゼアノートはここで発見された。」
「アクア、テラ、ゼアノート。この3人は同じタイミングにここにいて残ったのはゼアノートだけ。」
「ゼアノートはその後賢者アンセムの心の研究を乗っ取り、自らをアンセムと名乗って他の弟子達、そして自らの心と体を分けた。」
「心だけになったゼアノートは過去へと飛び若き日の自分を誘導し、その後リクの体を乗っ取った。」
「そして抜け殻となった肉体はⅩⅢ機関を結成。自分の心を分けられる13の器を用意しようとした。」
「しかし計画は失敗。」
「誘導された若きゼアノートは先々の時代で自分の心と関わった者を集結させ、新たな自らの器、真ⅩⅢ機関を結成。」
「ゼアノートの足取りだけ明確でアクアが助けたはずのテラだけその後の足取りがないのはおかしいな。」


ミッキーが言う。
「やっぱり僕はとんでもない見落としをしていた。」
「承認試験の最後の場所でマスター・ゼアノートの復活を見たよね?」
「僕やアクアが知っているゼアノートは元々あの老人の姿だったんだ。」
「でもゼアノートのハートレスである偽アンセムとノーバディのゼムナスはどちらも老人ではなかった。」
「つまり二人が分離した時は若い姿をしていたはず。」
「それが研究所にあったあの肖像画に描かれた姿。」
「僕は賢者アンセムの弟子だと気にしていなかったけど、彼が発見されたゼアノートってことだよね。」


リクが言う。
「そうか。俺と同じようにマスター・ゼアノートはテラを器にした。」


「そう、マスター・ゼアノートも一人は器にと言っていた。」
「アクアがここで助けたのはテラの体を奪ったマスター・ゼアノートだったんだ。」


リクが言う。
「でもマスター・ゼアノートは老人の姿で蘇った。」
「テラの体はどこに消えたんだ?」


「うん、マスター・ゼアノートはこうも言ってたよね。」
「光の7人のうち二人はこちら側。」
「ソラは取り戻したけど、テラは向こう側にいたんだよ。」


リクが言う。
「真のⅩⅢ機関か。ソラに伝えておかないと。」
「マーリン様にも。」


ソラ達がトワイライト・タウンを走っていると、スクルージ・マクダックに呼び止められた。
「おーい、お前達じゃな。うちのシェフを助けてくれたのは。」
スクルージ・マクダックはドナルドの伯父だ。
「ソラ、相変わらず元気がいいの。」
「今もドナルドとグーフィーと旅しているそうじゃな。」
「どうだ、ドナルドは頑張ってるか?」


グーフィーが言う。
「スクルージさん、さっきシェフって言ってましたよね?」


「おおそうだ、うちのシェフがお前達にお礼をしたいと言ってな。」
「これを預かっていたんだ。」
スクルージから手渡された箱を開けると、中にフルーツタルトが入っていた。
「それはタルトゥ・オ・フリュイだとシェフが言っておる。」
「ただのシェフではないぞ。」
「紹介しよう。リトルシェフだ。」
スクルージが帽子を脱ぐと、頭の上に森の中で助けたネズミがいた。
「旅先のたまたま入ったレストランで人生最高のご馳走を口にしてな。」
「その料理を作ったのがリトルシェフだったんだ。」
「話を聞くとリトルシェフはもっと料理の腕を磨きたいという。」
「それならばとわしがプロデュースしてここに店を出すことにしたんじゃよ。」
「リトルシェフはお前達に料理を振る舞いたいそうじゃ。」
「食材を持ってくれば他にも作ってくれるようじゃぞ。」
「いろんな食材で料理することがリトルシェフの修行にもなるからな。」


そこにハイネとオレットがやって来た。
「オーナー、ポスター貼り終わりました。」


グーフィーが聞く。
「ハイネ達はレストランでアルバイトしてるの?」


オレットが言う。
「私達はポスター貼りのアルバイトをしてたのよ。」
「街の空き地で野外シアターイベントが開催されるの。」
「素敵よね。」


ドナルドがスクルージに聞く。
「野外シアターも伯父さんが?」


「当然だとも。」
「人を呼ぶ催し物を開いて集まった人がくつろげる場所を提供する。」
「例えばレストランとかな。」
「それがビジネスには欠かせないシナジー効果というやつだ。」


ソラがハイネ達に言う。
「そうだ、言っておかないと。」
「またウジャウジャやグニャグニャが現れるかも知れないけど、無茶しないで気をつけて。」
「またすぐに戻ってくるから。」
「それで一つお願いがあるんだ。」
「前に俺も消えたことがあって、その時にドナルドやグーフィー、カイリが戻ってくることを強く願ってくれた。」
「だからハイネ達もロクサスが戻ってくることを願ってて欲しいんだ。」


その様子を建物の上から偽アンセムとゼムナスが見ている。
そこにブライグがやって来た。
「ヒントを与えすぎたんじゃないのか?」


ゼムナスが言う。
「我らの使命は誘導だ。」
「見ろ、あの楽観ぶり。」
「彼らにはあれくらい言ってやらないと分かるまい。」


ブライグが言う。
「確かに。しかしこれまで何度もソラに計画を阻まれたのも事実。」


偽アンセムが言う。
「思い通りに動かなければ消してしまえばいい。」


ブライグが言う。
「そうなると代わりの器を探さないとな。」


ゼムナスが言う。
「計画は常に並行して動かすものだ。」


ソラ達はトイ・ボックスの世界にやって来た。
体が小さくなり、おもちゃのような格好になっている。
「どこだよ、ここ。」
「俺達小っちゃくなってる?それにこの格好!」


そこにカウボーイ姿のウッディ・プライドとスペースレンジャーの姿をしたバズ・ライトイヤーがやって来た。
豚の貯金箱と恐竜のおもちゃもいる。
「新入りか?」
「ねえ、僕君のこと見た事あるよ。ヨゾラだ。」
バズが右腕のレーザーを構える。
「気をつけろ、黒いモヤモヤの仲間かも知れない。」


レックスという恐竜がソラに抱きつく。
「ヨゾラー!」


ウッディが言う。
「おいおい、大丈夫なのか?」


レックスが言う。
「彼らは今一番人気のヒーローなんだ。」
「きっとアンディが新しく買ってもらったのさ。」
「彼ならきっといなくなった仲間達のことやバズのレーザーが出るようになったことも、このおかしくなった世界のことを全部解決してくれるよ。」


ウッディがソラ達に聞く。
「君達、新しいおもちゃなのか?」
「モヤモヤした変な奴のことを知っているのか?」


グーフィーが答える。
「それはハートレスだよ。」
「僕達の敵。」
「僕達はその黒い奴らと戦ってるんだ。」


ウッディが言う。
「分かった。」
「とりあえず今のところは信じよう。」
「俺はウッディ。よろしくな。」


「俺はソラ。」
「僕ドナルド。」
「グーフィーだよ。」


バズが言う。
「私はバズ・ライトイヤー。」


レックスが言う。
「僕はレックス!」
「君達の大ファンなんだ。」
「いつも君達のゲームで遊んでるんだよ。」
「今はレベル47まで育てたんだけど、なかなかバハムートが倒せなくてさあ。」
「あ、そんなことじゃないんだ。言いたいことは。」
「残念だなあ。スリンキー達もいればきっと大喜びだったのに。」


そこに緑の兵隊のおもちゃグリーンアーミーメンがやって来た。
「全隊整列しました。」


目が3つある宇宙人のおもちゃリトルグリーンメンがやって来た。
「よそものー。」
「外の世界からー」
「ようこそー」


ソラが言う。
「みんなおもちゃ・・だから俺達もこんな格好なのか。」


バズが言う。
「それよりあのモンスターと敵対していると言っていたが、どこの所属なんだ?答えられないのか?」


ウッディが言う。
「まあまあ、落ち着け。」
「彼らは俺達が手を焼いていたあの黒いモヤモヤのことを知っている。」
「そんなに構えることないだろ。」


ソラが聞く。
「なあ、その黒いモヤモヤは前からここにいたのか?」


ウッディが答える。
「いや、最近になって現れたんだ。」
「そう言えばそのハートレスが現れたのとみんながいなくなった時期は一致するな。」
「前はこんなんじゃなかった。」
「目が覚めたら俺達以外のおもちゃがいなくなってて、アンディのママとモリーの声も聞こえなくなってた。」
「そしてアンディもずっと帰ってこないんだ。」
「アンディはいつも俺達と遊んでくれる最高の友達さ。」


ソラが言う。
「よし、アンディを捜そう!」
「他に何か手掛かりはないかな?」
「みんなが消えた時に変わったこととか。」


バズが言う。
「アンディ達が消えた直後、あの黒いモヤモヤと一緒にお前達の様なフードの付いた黒い格好をした奴が現れた。」
「異変が起こって以降、見かけたのはそいつとお前達だけだ。」


ソラが言う。
「黒いフード・・それってまさか・・ⅩⅢ機関!」
「俺達の敵だ。」
「ここで起こってる異変の原因が分かるかも知れない。」
「俺達に任せてくれないか。」


ウッディが言う。
「いや、ソラ達だけには任せられない。」
「みんながいなくなった原因が分かるなら俺達の問題でもある。」
「むしろ力を貸してくれ。」


「ああ。」
ソラとウッディが握手をする。
「それでその黒コートはどこに?」


「軍曹、偵察隊からの報告は?」


グリーンアーミーメンの軍曹が答える。
「ターゲットが最後に確認されたのはギャラクシートイズです。」
「最近できた新しいおもちゃ屋です。」


ソラはウッディ達と一緒にギャラクシートイズに向かった。
店の中央に大きなロボットのおもちゃがある。
「なあ、このおもちゃは動かないのか?」


ウッディが言う。
「まだ分からないんだろうな。」


そこに青年のゼアノートが現れる。
「じゃあ動かしてあげよう。」


「お前は!夢の一番過去のゼアノート!」


「憶えていてくれて光栄だ。」
青年のゼアノートはハートレスを出現させ、大きなロボットのおもちゃに乗り込ませた。
ハートレスに操られてロボットが動き出す。
「心無き物と抜け殻が合わさり新たな命を得たか。」
「ハートレスとノーバディの関係を見るようだな。」
「我らも欠落した闇を手に入れなければならない。」
「それにはこの世界の心の繋がりが手掛かりになる。」
「だから模した世界を作り繋がりを分断させてもらった。」
「お前達も興味深いはずだ。」
青年のゼアノートは闇のゲートの中に消えていった。


ソラ達は襲いかかってくるロボットを倒した。
ウッディが言う。
「ところでさっきの黒コート、世界を作ったみたいなことを言ってたけどどういう意味だ?」


ソラが言う。
「多分奴らは世界を二つに分けたんだ。」
「アンディ達のいる世界とこっちの世界。」
「どちらかが現実とまったく同じ別の世界なんだと思う。」


「簡単には信じられない話だ。」
「でもここが現実と別の世界だということならバズのレーザーも説明がつく。」


ソラが言う。
「設定とかよく分からないけど、この世界で異変が起きてるのは現実だろ?」


そこにグリーンアーミーメンの軍曹がやって来た。
「報告します。」
「レックスが何者かに連れ去られました。」
「隊員が上のフロアに連れて行かれるのを目撃しました。」
「ハムとエイリアンの行方も分かりません。」


上のフロアに行くとレックスが大きな恐竜のおもちゃに襲われていたので、ソラ達はレックスを助け出した。


そこにグリーンアーミーメンの軍曹がやって来た。
「たった今隊員からこの先のベビートイコーナーでハムを発見したと報告があって詳細を聞こうとしたのですが何かトラブルに巻き込まれたらしく、そこで連絡が途絶えてしまいました。」
「連絡が途絶える直前、ひどい雑音に紛れて音楽が聞こえました。」


ベビートイコーナーに行き、ラッパのおもちゃに閉じ込められていたグリーンアーミーメンの隊員を助け出す。
「報告している最中に大きな手に掴まれてここにねじ込まれたんです。」
「ハムもどこかに閉じ込められているかも知れません。」


その後おもちゃの家に閉じ込められていたハムを助け出す。
「やれやれ、やっと出られたか。」
「だが案外快適だったぜ。家具も揃ってるしな。」
そこに大きな女の子の人形が現れた。
「あいつだ、あいつが俺を閉じ込めたんだ。」


ソラ達は襲いかかってくる人形を倒した。
すると空飛ぶUFOが現れたので追いかけると、リトルグリーンメンがいた。
「僕達のお家ー。」
「けど僕達のお家ーアンディの部屋ー。」


バズが言う。
「そうだ、私達はアンディのおもちゃだ。」
「アンディの部屋が私達の家だ。」
「やはりこんなところに来るべきではなかった。」
「あの黒コートの言ったことが本当だとしても、あの家にアンディが帰ってこないとも限らない。」
「その可能性がある以上、私は帰る。」
「ウッディはどうする?」


「うーん、そうだな。」
「仲間達も見つかったことだし入口で待ってるみんなと合流して帰ろう。」


みんなで入口に向かうがまたレックスがいない。
「うん?レックスはどこだ?」


ハムが言う。
「レックスならソラ達のことをバズに信じてもらうんだって言ってテレビゲームのコーナーに行ったぜ。」


ソラが言う。
「ハートレスもいるし早く連れ戻さないと。」


ゲームコーナーに行くとレックスが「VERUM REX」というゲームソフトを持って走ってきた。
「見て見て、あったよー!」


ソラが言う。
「まあこんなにかっこよくはないけど服は似てるのかなあ。」


そこに青年のゼアノートが現れた。
「まだ実験中だ。出ていかれたら困る。」
「最終手段に進めるとしよう。」
バズにハートレスが乗り移った。
「最初に言ったはずだ。繋がりを分かつ試みだと。」
「抜け殻が心を宿す世界。」
「彼らは強い繋がりによって心を得ている。」
「その繋がりを別々の世界に分け、不安と疑心が芽生える中心を保ち続けられるのか。」
「更にソラという異物を入れて揺さぶり最後に決定的な溝を与えた時、強い繋がりがどれほど大きな闇を生み出すのか。」
「間もなく答えが出るだろう。」
青年のゼアノートはバズと共に闇の回廊に消えていった。


ソラが言う。
「俺の力では闇の回廊は開けない。」


グリーンアーミーメンの軍曹がやって来た。
「同じものかは分かりませんが闇のモヤモヤしたものならキッズスペースで見ました。」
「キッズスペースへはベビートイコーナーの出窓から通じています。」


キッズスペースに向かうと、開いたままの闇のゲートがあった。
ゲートをくぐり闇の世界に入ると青年のゼアノートとバズがいた。
「見ろ、あの強大な闇を。」
「お前達の強い心の繋がりが生み出した闇だ。」


ソラが言う。
「違う!心が繋がっていればどんなに離れていたって俺に力を与えてくれるんだ。」
「闇なんか生み出さない。」


青年のゼアノートが言う。
「繋がる心が力になるか。言い得て妙。」
「まさに心の繋がりこそが光の力。」
「繋がりを欠いた無垢の心は闇だ。」
「闇こそ心の本質だ。」


ウッディが言う。
「何か難しいことを語ってるけど、どうでもいいからバズを元に戻してお前は消えろ。」
「俺はおもちゃさ。でもそれがどうした?」
「心のことはお前よりも分かってる。」
「アンディが俺達を心から愛してくれたからな。」


ソラが言う。
「ウッディ達は仲間と引き離されても思い合う気持ちはより強くなっていた。」
「何にでも心は宿り繋がることで強くなる。」
「今もそうだ。きっとアンディ達もみんなを待ってる。」


「ああ、俺達はアンディの部屋に帰る。」
「愛するみんながいる場所に帰るんだ。」
「相棒も一緒にな。」


ソラが言う。
「ゼアノート、お前達がその心を否定するならやっぱりそこには光があるんだ。」


ソラとウッディが放つ光がバズの闇を払う。
「ウッディ・・私はどうしてたんだ?」
「ありがとう、ウッディ。」


青年のゼアノートが言う。
「人形にここまで強い心が宿るとはな。なかなか興味深い答えが得られた。」


バズが言う。
「私達はアンディとの愛で心が繋がっている。」
「誰もそれを断つことは出来ない。」
「まだ心を持たないおもちゃのように、お前には理解出来ないだろうけどな。」


「空の器に心を生むことが出来るのは分かった。」
「心の繋がりをたどれ。」
青年のゼアノートは消え去った。


闇のゲートをくぐりキッズスペースに戻ってきたソラ達。
グーフィーが言う。
「ゼアノートに逃げられちゃったね。」


ソラがウッディ達に言う。
「ごめん、みんなを元の世界に帰せなくて。」


バズが言う。
「このまま元の世界に戻ってたら絶対後悔していた。」
「せっかく友達になったばかりなのにもうお別れなんて寂しいだろ。」
「ずっと意地になっていて悪かった。許して欲しい。」


ソラとバズが握手をする。
「大切な仲間を心配してのことだから仕方ないよ。」


ハムが言う。
「ウッディは逆に無茶するからさ。バズがその分しっかりしてくれてるんだよ。」


ウッディが言う。
「多分俺達が元の世界に戻ったらソラ達とは会えなくなるんだろ。」
「アンディとは心が繋がっている。」
「その繋がりを信じていればすぐに会えるさ。」
「ソラ達はあの黒コートを追いかけるんだろ?」


バズが言う。
「私達がついていくことは出来ないが安心してくれ。」
「みんなソラ達と心が繋がっている。」
「さあ旅立て。無限の彼方へ。」


ソラ達はトイ・ボックスの世界を出てグミシップに乗り込んだ。
「ソラ、目覚めの力は戻りそう?」


「ロクサスのこと考えてたんだ。」
「ロクサスの心は俺の中にある。」
「でも心を宿す体がないんだよな。」


グーフィーが言う。
「戻し方はレイディアント・ガーデンで調べてるよね。」
「だったら体のことも考えてるかも。」
「モバイルポータルで誰かと通信してみようよ。」


「イェンツォだっけ?よし、連絡してみる。」
ソラはモバイルポータルでイェンツォにかけるが、なぜかミッキーとつながった。
「あ、ソラかい?」
「実は今リクとレイディアント・ガーデンに来てるんだ。」
「ソラ達に伝えておきたいことがあったんだけど、そっちから連絡が来たから驚いたよ。」
「何かあったのかい?」


「みんなに相談したかったんだ。」
「ロクサスの心を宿せる体ってどこかにあるのかな。」


リクが言う。
「レプリカ・・」
「レプリカなら人間とまったく同じだ。」
「ソラは知らないと思うけど、前のⅩⅢ機関は心を宿す器としてレプリカと呼ぶ人形を作っていた。」
「人形とは言ってもそれこそ心を宿していない人間だ。」
「心さえ宿せばレプリカは人間そのものだった。」


ソラが聞く。
「じゃあそのレプリカさえ見つけられれば姿も元のままロクサスになるのか?」


「ああ、干渉した心とまったく同じ姿になる。」


ミッキーが言う。
「後でイェンツォに聞いてみるよ。」
「元ⅩⅢ機関だし何か知っていると思う。」


「あいつらもレプリカを探してるのかな。」
「ⅩⅢ機関とマレフィセント。」
「黒い箱を探しているみたいで。」


「ちょうどよかった。僕らもⅩⅢ機関のことで話があるんだ。」
ミッキーは真のⅩⅢ機関のことをソラ達に伝えた。
「じゃあ一旦ロクサス達の件はこっちに任せて。」
「ソラ達はテラの方を頼むよ。」
モバイルポータルの通信が切れた。


ミッキーがリクに言う。
「向こうは相変わらずのようだね。」
「さて、マーリン様にカイリ達の衣も預けたし、賢者アンセムの研究所を訪ねてみよう。」
ミッキーとリクは研究所に向かった。


ソラ達はグミシップでキングダム・オブ・コロナというラプンツェルの世界に向かった。


ラプンツェルが聞く。
「お外に出ちゃ駄目なの?」


「外の世界はとても危ないところなの。」
「ずっとここにいなさい。安全だからね。」
「分かった?ラプンツェル。」


ラプンツェルは森の中にある塔の最上階にある自分の部屋から夜空に浮かぶ光を眺めていた。
「毎年私の誕生日に現れる光・・」
「はっきりと感じる。あの光は私のために。」
「窓越しにじゃなく、いつかこの目でその場で直接あれが何なのか知りたい。」


次の日の朝、ソラ達が森の中を歩いているとハートレスに襲われているフリンという男性がいたので助けてあげた。
フリンは何も言わず走って行ってしまったので心配になり追いかけると森の奥にある塔の中に入っていった。
塔の中にはラプンツェルが住んでいる。
「調子はどう?俺、フリン・ライダー。」
「楽しくやってる?」
フリンはラプンツェルの長い髪で体を拘束され、カバンを取られてしまった。
ラプンツェルが手に持つフライパンを構える。
「他に誰がこの場所のことを知ってるの?フリン・ライダー。」


フリンが言う。
「なあお嬢ちゃん。俺は森の中を楽しく駆け回ってた。」
「で、たまたまこの塔を見つけたんだ。」


ラプンツェルが言う。
「それで私の髪の毛をどうしたいの?切るの?売るの?」


「そんな訳ないだろう。」


ラプンツェルが言う。
「いいわ、フリン・ライダー。あなたと取り引きしてあげるわ。」
ラプンツェルは壁に描かれた夜空に浮かぶ光の絵をフリンに見せた。
「あなた知ってる?この光が何か。」


フリンが言う。
「プリンセスの為に飛ばしている灯りのこと?」


「飛ばしてる。やっぱり星じゃないのね。」
「いい?明日の夜になるとこの灯りが沢山空に向かって飛んでいく。」
「あなたは私のガイドとしてその場所に連れて行き、ここへ送り返すの。」
「無事に帰れたら大事なカバンを返してあげる。」
「さあ、どうかしら?」


フリンが言う。
「いや、そりゃ無理な話だな。残念だけど。」
「俺は今、この国相手にちょっと喧嘩してるもんでね。」
「のこのこ出かける訳にはいかない。」


「あなたはここへ導かれたのよ、フリン・ライダー。」
「何が導いたのか。運命、宿命。」
「だからあなたの事を信じるって決めたのよ。」
「私は本気なのよ。」


フリンが言う。
「つまりこういう事かい?」
「君に空飛ぶ灯りを見せてここへ送ってくればすぐにカバンを返してくれるって訳?」


「ええ、約束する。」
「私は一度約束したら何があっても決して破ったりしないわ。」


フリンが考えている。
「まいったな。盗んだティアラが見つかったらマズい。それだけは絶対ダメだ。」
「カバンは絶対に取り戻さなきゃならないけど、また魔物が現れるかも知れないし。」
「そうだ、さっきの奴らまだいるかな。」
「腕は立ちそうだし使えるかも知れない。」


「いいよ、分かった。見に連れてってやる。」
「ただし条件がある。」
「俺の仲間も一緒に連れて行く。」


しばらくするとソラ達が塔の中に入ってきた。
「お前達!いい所に来た!」
「彼女の名前はラプンツェル。」
「どうやら初めて外に出るみたいなんだ。」


ラプンツェルと一緒に塔の外に出た。
「信じられない!とうとう外に出たのよ!」
「外に出た、信じられない!とうとう外に出た!」
「お母様の言いつけを破って外に出てしまった。きっとカンカンね。」
「だけど別に構わない。バレなきゃ平気だもん。でしょ?」
「ああ、どうしよう。お母様が悲しむわ。」
「でもものすごーく楽しい!」
「私ってひどい娘よね。戻らなくちゃ。」
「絶対戻ったりしないんだから!」


フリンが言う。
「君、自分の心と戦ってるんだね。」
「こいつらは俺の仲間。だろ?名前は・・」


「ああ、俺はソラ。」
「ドナルド。」
「グーフィーだよ、よろしくね。」


ラプンツェルが言う。
「ええ、よろしくね。私はラプンツェルよ。」


フリンがソラ達に言う。
「彼女、城に行って空飛ぶ灯りを見たいそうなんだ。」
「親切な俺は彼女の願いを叶えてやりたい。」
「でもさっきみたいな魔物が現れるかも知れないだろ。」
「親切な君達もきっと協力してくれるんじゃないかって。」


ソラがラプンツェルに言う。
「俺たちにお任せ!」


ソラ達が旅立った後、ラプンツェルの育ての親ゴーテルは塔の中にラプンツェルがいないことに気づいた。
そこに元ⅩⅢ機関のNo.Ⅺでマールーシャと名乗っていたラーリアムという男が現れる。
「いなくなったか。」
「彼女は大切な存在だ。」
「私が取り戻すのを手伝ってやろう。」


ソラ達の前にラーリアムが現れた。
「私は真ⅩⅢ機関のマールーシャ。」
「あえて久しぶりと言わせてもらおう、ソラ。」
「お前の記憶になくても私はお前のことをよく憶えている。」
「もっとも、それは消し去りたい記憶だがな。」
「お前が分かる必要はない。今後分かることもないだろう。」
「さて、私は頼みがあってお前に会いに来たんだ。」
「気づいていると思うが・・いや、気づいていないな。」
「お前と同行しているラプンツェルという娘はこの世界の大切な光なのだ。」
「光を闇の脅威から守って欲しい。」
「闇は光と寄り添うものなのだよ。」
「我らの目的は決してお前達光側との衝突ではない。」
「あくまで均衡を保つことだ。」
「くれぐれも頼んだぞ、キーブレードの勇者。」
ラーリアムは闇の回廊に消えていった。


いつの間にかラプンツェル、フリンとはぐれてしまったソラ達の前にゴーテルがやって来た。
「ちょっとー、そこの少年達。ラプンツェルの事を知ってるの?」
「私はゴーテル。ラプンツェルの母親さ。」
「ラプンツェルが黙っていなくなったんでね。心配で捜してたんだ。」


グーフィーが言う。
「さっきまで一緒だったんだけど、はぐれちゃったんだ。」


「何だ、そうかい。ならお前達に用はないよ。」
ゴーテルは去っていった。


森の中を進んでいくとラプンツェルとフリンがいた。
「ラプンツェル!」


「ソラ、無事だったのね。」
「そうだ、お友達が増えたの。」
白馬が近づいてきた。
「マキシマスよ。」
「フリンとは前から知り合いで追いかけっこする仲みたい。」
「私を守ってくれるの。」


ラプンツェルと合流したソラ達は森を抜けて町に向かった。
「外の世界にはこんなに楽しいことがあったのね。」
「ソラ達のおかげで知ることが出来たわ。ありがとう。」


町の中に入るとラプンツェルに似た少女を抱きかかえる王様と王妃の壁画があった。
町の少女が壁画の前に花をそえる。
「消えたプリンセスに。」


夜になり、フリンと小舟に乗ったラプンツェルは夜空に灯りが浮かぶのを待っていた。
「ずっと18年間、窓の外を眺めて夢見てた。」
「あの光が空に舞い上がる様子を間近で見たいって。」
「想像してたのと全然違ってたらどうしたらいいの?」
「夢が叶ってしまったら次は何をしたらいい?」


フリンが言う。
「それが楽しいんじゃないか。」
「また新しい夢を探すんだ。」
その時、お城や町から無数の灯籠が夜空に浮かび上がった。
フリンがラプンツェルに灯籠を手渡す。
「私も渡すものがあるの。」
ラプンツェルがフリンのカバンを出す。
「もっと早く返さなきゃいけなかったけど、なんだか恐くて。」
「だけどね、今はもう恐くない。」
「なぜか分かる?」
二人は灯籠を夜空に放った。
「分かる気がする。」


小舟を降りた後、フリンはカバンを手に持った。
「ほんとごめん。何も心配ないよ。」
「ちょっと片付けることがあるんだ。」
「すぐ戻るから。」


フリンはカバンを持ってどこかへ行ってしまった。
そこにラーリアムが現れる。
「やはり彼はティアラだけが目的だったようだな。」
「もう諦めたまえ。」
「君には君の居場所があるはずだ。さあ。」


ゴーテルがやって来る。
「ラプンツェル、無事だったのね。」
「大丈夫だった?怪我はない?」
「あなたのことがとても心配だったのよ。」
「さあ行きましょう。また魔物が現れないうちに。早く。」


ソラ達の前にラーリアムが現れた。
「ラプンツェルは大切な存在だ。」
「塔の上で誰の目にも触れず、一生、母ゴーテルと暮らすのだ。」


グーフィーが言う。
「誰とも会えないの?」
「それって閉じ込めてるのと一緒じゃない?」


「もちろん閉じ込めているのだ。」
「ゴーテルはラプンツェルの髪が持つ魔法、怪我や病気を癒す力を独占したいが為に閉じ込めている。」
「外からの干渉を断ち厳重に保存されるなら機関にとっても好都合だからな。」
「機関が必要とした時に使うためだ。」
「お前達光の守護者が揃わなかった場合、新たな7つの純粋な光の心が必要となる。」
「ニューセブンハートの一人として迎えると言うことだ。」
「そう、役目を終えたプリンセスの光を引き継ぐ者。」


「守れとか言って、結局ラプンツェルを狙ってるってことなんだな!」
「そんなことさせない!」
ソラがキーブレードを構える。


「やはり静かに見ていられないか。」
「ならばしばらく眠っていてもらおう。」
ラーリアムはソラに催眠術をかけた。
「お前は本当によく眠るな。」


塔に戻ったラプンツェルは町での出来事を思い出していた。
すると突然、全てを理解した。
「私は消えたプリンセス・・」
ラプンツェルがゴーテルに言う。
「私は消えたプリンセス。そうでしょ?」
「聞こえた?お母様。」
「お母様って呼ぶべきなのかしら?」
「あなただったのね。みんなあなたが仕組んだことなのよ。」


ゴーテルが言う。
「全てはあなたを守る為にしたこと。」


「生まれてからずっと隠れて生きてきた。」
「私の力を利用しようとする悪い人達から。」
「でも私を利用していたのはあなただった。」


ゴーテルが言う。
「どこへ行くつもり?」
「あいつは絶対に来ないよ。」
「あの悪人は間もなく死刑になるわ。」
「ほらほら、もう平気だから安心なさい。」
「これで全部収まる所に収まったのよ。」


「やめて!」
「外は怖いなんてみんな嘘だった。」
「私がプリンセスってことも隠してた。」
「あなたにはもう二度とこの髪の力を使わせたりしないわ!」
「二度と!」
ラプンツェルは塔の外に出ていった。


「私を悪者にしたいのね。」
「ああそう、なら悪者になってやるわよ。」


フリンがマキシマスに乗って眠っているソラの所にやって来た。
「ソラはどうしたんだ?」


グーフィーが言う。
「それがさっきから何度も呼んでるんだけどなかなか起きないんだ。」
「ソラー!」


ソラが目を覚ました。
「あれ、俺どうして・・」
「そうだ、ラプンツェルが塔に閉じ込められるって。」


フリンが言う。
「ああ、きっと彼女の母親だ。」
「俺はラプンツェルを助けに行く。」
「一緒に行くよな?」


塔の中に入るとラプンツェルが体を拘束されていた。
「ラプンツェル、もう会えないかと思っていたよ。」
その時、背後に隠れていたゴーテルにナイフで体を刺されるフリン。
フリンはその場に倒れ込んでしまった。
「ラプンツェル、おいで!」
「いい加減にしなさい。逆らうのはやめるんだよ。」


ラプンツェルが言う。
「いや、絶対にやめない!」
「これから先も生きてる限りずーっと逆らい続けるわ。」
「諦めないわよ。どんなことをしてでも逃げ出してみせるから。」
「でも彼を助けていいなら言うことを聞く。」


フリンが苦しそうに言う。
「駄目だ・・ラプンツェル・・」


「絶対に逃げないから、すぐに彼の傷を治させて。」
「そしたらあなたのそばにいる。」
「望み通りいつまでも一緒にね。」
「何もかも今まで通りよ。」
「約束する。望み通りにするわ。」
「だから彼の傷を治させて。」


フリンの体を鎖で柱につなぐゴーテル。
「あんたがあたし達のことを追いかけてきちゃ困るからね。」


ラプンツェルがフリンの傷を治そうと近づいた時、フリンは隠し持っていたガラスの破片でラプンツェルの髪を切り落とした。
ラプンツェルの金色の髪は魔力を失い、黒い髪に変わった。


ゴーテルが叫ぶ。
「そんな、ウソー!」
「何てことしてくれたの・・何てことしたのよー!」
ゴーテルの体がどんどん年老いていき、醜い老婆の姿になった。


その様子を外から見ていたラーリアムが呟く。
「闇に堕ちたか。ならば光の元には置いておけんな。」


ソラ達が到着して塔の中に入るとショートカットで黒髪のラプンツェルと倒れ込んでいるフリンがいた。
「なあラプンツェル、君は俺の新しい夢だ。」
フリンは意識を失ってしまった。
「傷を癒せ、運命の川。」
「遡れ、蘇らせろ。過去の夢。」
ラプンツェルの涙がフリンの顔に落ちた。
落ちた涙が金色に輝きフリンの傷を癒やす。
フリンが意識を取り戻した。
「ラプンツェル、俺言ったっけ。」
「その髪の色の方がいいって。」


ラプンツェルはお城に帰る準備を始めた。
ソラが言う。
「ラプンツェル、本当の自分の居場所に帰るんだな。」


「うん、そうね。そうだわ。信じられない。」
「これからは本当の家族といられるのね。」
「ソラ達が助けてくれたおかげよ。」


フリンが言う。
「この王国にピッタリの素敵な姫君だ。」
「そして君達は最高の仲間だ。ありがとう。」


ソラが言う。
「二人は大丈夫だな。」
「魔物達を操っていた奴が途中から姿を見せなくなったんだ。」
「もしかしたらまだこの世界にいるかも知れない。」
「あいつラプンツェルを狙ってたから、フリンが守ってやってくれよな。」
「何かあったら俺達も駆けつけるよ。」
「まあフリンよりラプンツェルの方が強そうだけどね。」


フリンが言う。
「ああ、任せてくれ。」
「ラプンツェルは俺がずっと守るよ。」
「俺の本当の名前はユージーン・フィッツハーバート。」
「ソラ達には言ってなかったけど。」


ミッキーとリクが賢者アンセムの研究室でイエンツォと話をしている。
「え?いなくなった?」


イエンツォが言う。
「はい。ⅩⅢ機関の時ヴィクセンと名乗りレプリカの研究をしていたエヴァンは我々と共に人間に戻ったのですが、ずっと意識が戻らないままでリアがここを発った頃に姿を消したんです。」
「ここにいるエレウス、そしてお二人を案内したディランが街中捜しまわったのですが発見できませんでした。」


リクが聞く。
「レプリカは残ってないのか?」


「そもそもレプリカの研究自体未完成でしたから資料は残っているでしょうが、実際に心を宿すほどのものは残っていないでしょうね。」


ミッキーが聞く。
「エヴァンが行きそうな場所は知らないかい?」


「エヴァンも我々も今はただの人間です。」
「もうこの世界から出る術はありません。」


ミッキーが呟く。
「闇の回廊なら・・」


「我々にはもうそんな力はありません。」


リクが言う。
「その力を持つ者がエヴァンを連れ去ったとしたら?」
「真ⅩⅢ機関もまだ欠落がある。」
「その欠落をレプリカで・・」


ミッキーが言う。
「イェン・シッド様の所に戻ろう。」
「ソラ達にも来てもらうんだ。」


ソラ達はアレンデールという雪と氷の世界にやって来た。
エルサという少女がソラ達の前を駆けて行く。
「あの人、悲しそうな顔してた。」
「何かあったのかな。」
「事情を聞いてみようか。」


ソラ達はエルサを追いかけた。
「あなた達はどこから来たの?」


「うん俺は・・その、ちょっと遠くの・・南国から来たソラ。」
「僕ドナルド。」
「グーフィーだよ。」


「もしかして戴冠式のお客様?」


ソラ達が頷く。
「そうなんだ。それで君は?」


「エルサ。アレンデールの女王、エルサです。」
「ここに居るのは危険。街に戻って下さい。」


ソラが言う。
「でも女王様がこんな雪山で一人きりなんて、何かあったんじゃないの?」


「帰って下さい。一人になりたいの。」
「誰も傷つけたくないから。」


その時ハートレスが現れたので倒してあげた。
「エルサ、大丈夫だった?」


「助けてくれてありがとう。」
再びハートレスが現れたが、エルサは氷の魔法でハートレスをやっつけた。
「見たでしょ?私はこの力のせいで人を傷つけてしまうの。」
「あの魔物は一体何なの?」


「あの魔物はハートレスといって人の心を狙ってどこにでも現れて悪さをするんだ。」
「だから危険なんだ。」
「エルサは自分の家に帰った方がいいよ。」


エルサが言う。
「私に帰れる場所はないわ。」
「心まで傷つけたくないもの。」
「そうならないように私は一人で行くの。」
「お願い、来ないで!」
エルサは一人雪山の奥に走っていった。


「最初に見かけた時の表情が気になるんだよな。」


その時、元ⅩⅢ機関のNo.Ⅻでラクシーヌと名乗っていたエルレナという女が現れた。
「女心が分からない子ねえ。放っておいてあげなさいよ。」
「私はラクシーヌ。もう忘れないでね。」
「ともかく彼女のことは私達に任せとけばいいから。」
「アンタ達にうろつかれてたら目障りだから、しばらくここでいい子にしてて。」
エルレナの魔法により氷の壁に閉じ込められてしまったソラ達。
「氷は私の専門外だけど。」


何とか氷の壁を脱出してエルサのあとを追いかけるソラ達。
吹雪の中でエルサの歌声が聞こえてきた。
「降り始めた雪は足跡消して。」
「真っ白な世界に一人の私。」
「風が心にささやくの。」
「このままじゃ駄目なんだと。」
「とまどい傷つき誰にも打ち明けずに悩んでた。」
「それももうやめよう。」
「ありのままの姿見せるのよ。」
「ありのままの自分になるの。」
「何も怖くない。風よ吹け。」
「少しも寒くないわ。」
「悩んでたことが嘘みたいね。」
「だってもう自由よ。なんでもできる。」
「どこまでやれるか自分を試したいの。」
「そうよ。変わるのよ、私。」
「ありのままで空へ風に乗って。」
「ありのままで飛び出してみるの。」
「二度と涙は流さないわ。」
「冷たく大地を包み込み、高く舞い上がる想い描いて。」
「花咲く氷の結晶のように。」
「輝いていたい。もう決めたの。」
「これでいいの。自分を好きになって。」
「これでいいの。自分を信じて。」
「光あびながら歩き出そう。」
「少しも寒くないわ。」


エルサが作り出した氷の城に入ろうとするとエルレナが現れた。
「のぞき見なんて趣味が悪いわよー。」
「私達は彼女の動向に関心を寄せている。」
「新たな純粋な光の心の持ち主、ニューセブンハート。それを捜してるの。」
「光の中で光を見出すのは簡単じゃないわ。」
「だから相反する闇から見ることでその姿があらわになる。」
「でもエルサは少し違うみたいね。」
「見て、あの荘厳な氷の城。」
「彼女が封じ込めようとしてきた力で築き上げたの。」
「それは闇に通じる力。」
「今はまだどちらともつかないわ。自らの捉え方次第ね。」
「力を邪なものと捉えればそれは闇に染まる。」
「そして彼女は自らの心を解き放つ為に力を受け入れた。」
「果たして彼女の行く末は光か闇か。」
「興味深いと思わない?」
「アンタは干渉し過ぎなの。」
「それじゃモテないわよ。」
「男の子ならお節介ばっかりしてないで、時には黙って見守ってなさい!」
ソラ達はエルレナの魔法で崖の下に落とされてしまった。


「何だこれ。変なのが落ちてるぞ。」
「青いのと、緑はいいねー。あと黒?」
「ああ、黒も意外といいかもね。あれ?」
ソラ達が目を覚ますと目の前にオラフというしゃべる雪だるまがいた。
オラフを追いかけて行くと、エルサの妹アナと山男のクリストフと一緒にいるオラフを見つけた。
「早くエルサに会いたいなー。きっと優しくて暖かくていい人なんだろうなー。」


アナが言う。
「あなた達はオラフの知ってる人?」


「俺はソラ。」
「僕はドナルド。」
「緑のグーフィーだよ。」


「私はアナ。」
「知らない人だけど悪い人達じゃなさそうよね?」


「俺はクリストフ。」
クリストフは相棒のトナカイを一緒に連れている。
「そしてこいつはスヴェン。」
「俺達はこの不自然な冬を終わらせに行くんだ。」


アナが言う。
「そのために姉さんのエルサに会いに行くの。」


グーフィーが言う。
「僕達もエルサに会いに行く途中なんだ。」


「姉さんのこと知ってるの?」


ソラが言う。
「うん。ここに来る前に一度会って。」
「何があったのか詳しく教えてくれないか?」
「もしかしたら大変な事に巻き込まれてるかも知れないんだ。」


「いいわ。なぜかあなた、ソラって言ったわよね?」
「ソラは信じられるって気がする。」
「私達、小さい頃はすごく仲良しだったの。」
「だけどある日突然エルサは私を避けるようになったの。」
「そして雪と氷だけ残してお城から出ていってしまった。」
「私はエルサを連れ戻したいの。」


一緒に氷の城を目指して雪山を登るソラ達。
ソラ達がハートレスを倒している間にアナが氷の城に入っていった。
エルサがアナの前にやって来た。
「エルサの力で国中が雪と氷に包まれたの。」
「エルサなら元に戻せるでしょ?」


エルサが驚く。
「国中が?」
「いいえ、無理よ。やり方が分からない。」
突然エルサの力が暴走し、氷の欠片がアナの心臓に刺さってしまう。
それを見たエルサは怖くなり、氷の城の奥に引きこもってしまった。


氷の城に到着したソラ達にクリストフが言う。
「エルサの氷の欠片がアナの心に刺さってしまったんだ。」
「放っとくと永遠に凍りついてしまうようだ。」
「凍った心を溶かせるのは真実の愛だけらしい。」


そこに隣国の王子ハンスがやって来てエルサを殺すため剣を振り下ろした。
アナが身を挺してエルサを庇った瞬間、アナの身体は完全に凍りつきハンスの剣を砕いた。
エルサは氷の彫像と化したアナを抱きしめながら泣き崩れる。
すると凍りついたアナの身体が元に戻り、息を吹き返した。


そこにエルレナが現れる。
「愛が心に光を照らしたようね。」
「想定外だけど、この世界には二人もいたわ。」
「さっきも言ったけど、ニューセブンハートよ。」
「アンタ達が仲間を7人揃えられなくても私達の計画通り進めるための保険。」
「他の世界の人間を巻き込みたくなかったら、ちゃんと7人の守護者を揃えることね。」


ソラが言う。
「お前らこそ13人揃ったのか?」
「王様からは一人足りてないって聞いてるぞ。」


「もう揃ってるわよ。」
エルレナは闇の回廊に消えていった。


「13の闇が揃った・・」
「光の守護者が7人揃わなければエルサとアナが危険に・・」


アナとエルサが抱き合う。
「私を助ける為に何てことするの。」


アナが言う。
「大切な人だから。」


オラフが言う。
「真実の愛が凍りついた心を溶かしたんだよ。」


「愛は氷を溶かす・・」
「愛・・愛よ!」
エルサは力をコントロールし、王国を覆っていた雪と氷を溶かした。


謎の荒野にいるアイザとエヴェン。
アイザは元ⅩⅢ機関のメンバーNo.Ⅶでサイクスと名乗っていた男でリアの親友でもある。
エヴェンは元ⅩⅢ機関のメンバーNo.Ⅳでヴィクセンと名乗っていた男だ。
アイザが言う。
「人として復活したのにまた機関のメンバーとして戻っていいのか?」


エヴェンが答える。
「ああ、構わんさ。」
「むしろいざとなったら、私を消したアクセル達は信用できない。」
「私にとって大事なことは研究だ。」
「人であろうがなかろうが、そんな事はどうでもいい。」
「私の研究を完成させることが大事だ。」
「レプリカ・・もはやレプリカは人形ではない。」
「心さえ宿せば血肉を持つ完全な人間の器となる。」


アイザが言う。
「それを聞いて安心した。」
「その研究によって最後の器を完成させるためにお前を機関に招いたんだ。」


ソラ達はモンストロポリスというモンスターの世界にやって来た。
ソラ達の体もモンスター風になっている。
「何でモンスターになってるんだよ!」
「この姿がこの世界の秩序ってことか。」
「でもやっぱり二人、怖いな。離れて歩いて欲しいなー。」
「この姿もそうだし、この世界は怪しいな。」


倉庫の中に入るとサリーとマイクいうモンスターと人間の女の子ブーがいた。
「あいつらは一体誰だ?」


マイクが言う。
「まずいよサリー。こんなとこ見られたら。」
「お前は社長なんだ。示しがつかないだろ。」


サリーが言う。
「別に隠すことじゃないだろ。」


ソラが言う。
「お前達がその子を驚かしてるのか?」


グーフィーが言う。
「ソラ、落ち着いて。あの子笑ってるよ。」


ソラがブーに声を掛ける。
「こんにちは。俺はソラだよ。」


そこに突然アンヴァースが現れた。
ソラ達は協力してアンヴァースを倒した。


マイクが聞く。
「今の奴らのこと、知ってるのか?」


「ハートレスじゃないんだよな。」
「何だっけな。王様が前に話してた負の感情が何とか・・」
「アンヴァースだっけ?」


グーフィーが言う。
「昔、王様と消えた3人のキーブレード使い達が戦っていた魔物だよ。」
「今捜してる人達。」
「でもどうしてあんな昔の魔物が?」


ソラが言う。
「えーと俺達、よそからあの悪さをする奴らを駆除しに来たんだ。」
「害虫駆除的な。」


マイクが言う。
「ブーは俺達と深い縁があって別の世界から来てたんだけど、そんな危険な状況なら家に帰さないと。」


「分かった。それなら手伝うよ。」
「またアンヴァースが出てくるかも知れないから。」
「俺達も一緒に行くよ。」
「それにアンヴァースがどうして現れたのか調べないと。」


ソラ達は倉庫の奥に進んでいった。
サリーが言う。
「前は人間の子供達の悲鳴を利用してたんだけど、今は笑いをエネルギーにしてるんだ。」
「笑いの方が大きなエネルギーになるからね。」
「ブーが気づかせてくれたんだ。」


ブーの世界に繋がる扉をくぐるが、そこは工場の中だった。
「あれ、ここはどこだ?」


そこにがランドールやって来た。
「どこかなんて気にするな。」
「どっちみちここがお前達の終着点なんだからな。」


「ランドール!」
「あいつは強引なやり方で悲鳴を集めようとして追放されたんだ。」
「ブーもいじめようとした。」
「どうやってここに戻ったんだ?」
「お前が使ったドアは壊れたはずなのに。」


ランドールが言う。
「ああ。あれから酷い目にあったが親切な誰かさんがドアを直してくれたおかげで戻ってこられたのさ。」
「俺が戻ったからには今日からまた俺様がトップだ。」
「負の感情。工場に入り込んでる連中を使えば集められる。」
「笑いなんて一時的なものだ。」
「収まっちまえばまた笑わせないといけない。」
「その点、負の感情は特に悲しみだな。」
「植え付けてしまえばずーっと悲しみ続ける。」
「無限にエネルギーを集められるんだ。」


ソラが言う。
「悲しみを植え付けるなんて許さない。」
「お前がアンヴァース出現の原因だったんだな。」


「さーて、どうだかな。」
「俺様が会社のトップになるためだよ。」
「つまりお前達はもう用なしだ。」
「ここで全員消えちまいな。」
「工場のコントロールは俺様が握ってるからな。」
「いろいろ仕掛けておいたぜ。」
「とっておきもある。もう逃げられないぞ。」
ランドールは姿を消した。


ランドールの仕掛けをかいくぐり、なんとか工場の外に脱出したソラ達の前にランドールが再び現れた。
「もうここにお前の居場所はないぞ。」
「さあさあ、お帰りはこちら。」
サリーとマイクはランドールを追い詰め、扉の中に押し込んだ。
「覚えてろよ!」
「またすぐに戻ってきて今度こそお前達を追放してやるからな。」
サリーが扉を閉めた後、ソラがキーブレードで扉を閉めた。


するとそこにヴァニタスが現れた。
ヴァニタスはマスター・ゼアノートがヴェントゥスから心の闇を引きずり出した時に生まれた存在だ。
「奇妙な姿で気づかなくて悪かった、兄弟。」
「直接会うのは初めてだな。」
「俺はヴァニタス。」
「この世界は人間の子供の悲鳴をエネルギーに変換して成り立っていた。」
「そしてここはエネルギーを生産する会社。」
「言い換えれば負の感情を溜め込む会社だ。」
「過去に集めた悲鳴はまだ大量に残っている。」
「この施設はとても俺に適した環境だった。」
「復讐で心を闇に染めた扱いやすい手駒もいたしな。」
「負の感情が俺の心そのもの。」
「アンヴァースを使って子供の恐怖や悲しみを集めたのさ。」
「だがどんなに負の感情を集めても俺は不完全なまま。」
「足りていない。」
「ソラ、お前の心に眠る俺の半分が必要だ。」
「ヴェントゥス、そんな所に隠れていたとはな。」
「俺の心の残滓。」
「もはや記憶もないだろう。」
「お前が幼き日、俺の半分であるヴェントゥスがお前の心に触れ一つになった。」


グーフィーが言う。
「消えた3人のキーブレード使いの一人がソラの中に?」
「王様から聞いたんだ。」
「ヴェントゥスはヴァニタスに勝てなかった。」
「とっても強くて相討ちしてヴェントゥスの心は帰って来なかった。」
「ソラを同じようにはさせない。」


「さあ、俺にヴェントゥスを返せ。」
「邪魔をするな。」
「俺の心と繋がれ。」


その時、サリーがヴァニタスのすきをついて扉の中に放り込み、その扉をシュレッダーにかけて粉々にした。


「凄いな。助かったよ。ありがとう。」


サリーが言う。
「お礼を言うのはこっちさ。」
「ここまで無事にブーを連れてこられたのは君達のお陰なんだから。」
「ブーを帰すドアも見つかったしね。」


ソラが言う。
「ブー、せっかくマイクやサリーと遊ぼうとしてたのに巻き込んじゃってごめんな。」
「またね。」


ブーは自分の世界に帰っていった。
サリーが言う。
「何だか久しぶりにスリルがあって楽しかったよ。」
「また遊びにおいでよ。」


グミシップに乗り込んだソラが言う。
「やっぱり闇の世界に行ってみよう!」
「早くあいつらを止めないと。」
「俺達がモタモタしてたらみんなが危険だ。」
「王様とリクに聞いてみよう。」


その時モバイルポータルが鳴り、出るとイェンツォからだった。
「今大丈夫ですか?」
「心を移す肉体に代用するレプリカと賢者アンセムのデータ解析のご報告です。」
「レプリカの研究をしていたエヴァンは不在ですが、資料のバックアップが見つかりました。」
「引き続き調査を進めておきます。」
「賢者アンセムが託したデータについては意味深な箇所が解析できたので原文のまま読ませてもらいますね。」
「ソラの心にはロクサス以外に2つの心が確認できた。」
「1つはロクサスより昔からソラの中で眠っている。」
「もう一つはロクサスと同じ時期からソラの中にある。」
「つまりソラは自分の心以外に3つの心を内包していることになる。」
「その3つは完全に沈黙しソラの心に溶けた状態だがソラは自分以外の記憶を3つ持っていることになり、その3つの記憶はソラの記憶とは別の箱に個々に分けられた状態になっている。」
「つまりその記憶の箱に再びソラに溶けた心を戻せば3人の心は目覚めることが可能になる。」
「あとはソラの心からそれぞれの心が入った記憶の箱を3つの肉体に宿せば、その3人も元の姿に戻るだろう。」
「以上です。ではまた。」
通信が切れた。


グーフィーが言う。
「全部で3つだって。」
「1つはロクサスで、もう一つはヴェントゥスだよね。」
「ソラ、3つ目に心当たりはある?」


「ううん、ないな。」


闇の海岸でアクアと賢者アンセムが話をしている。
「さて、これからどうする?」


アクアが答える。
「この海岸は私の知っている海岸と繋がっている気がします。」


賢者アンセムが言う。
「デスティニーアイランド。綺麗な場所だ。」
「こことはずいぶん違ってな。」


アクアが言う。
「ここにいれば誰かに会える気がします。」


賢者アンセムが言う。
「この海岸は光と闇の狭間。昼と夜の出会う場所だ。」
「我々が出会ったように、確かにまた誰かに出会うかもな。」


そこに偽アンセムがやって来る。
「お迎えにあがりました。我が師よ。」


賢者アンセムが言う。
「お迎えだと?今更何を。」


偽アンセムが言う。
「あなたが私に心の研究を中止させた時、被験者となっていた少女を憶えていますか?」
「彼女は私と同じように記憶を失っていた。」
「そしてあなたがソラの記憶を再生させたと聞いた。」
「あなたは彼女の記憶も見たのではないですか?」


賢者アンセムが言う。
「それを知ってどうする?」


偽アンセムが言う。
「あの少女をどこに隠した?」


「知らん。」


「では・・やはり一緒に来てもらおう。」
アクアが賢者アンセムを守る。
「あなた何者なの?」


「消えた光の守護者か?」
「お前はここで待っていろ。」
「いずれ王達が助けに来る。」
「キーブレードはどうした?」
アクアはなぜかキーブレードを持っていない。
「必要ない!」


「そうか。ならば土産を残してやろう。」
アクアの心に向けて闇の術を放つ偽アンセム。
アクアは偽アンセムの闇の術をまともに受けて海中に飛ばされてしまう。
「何だこの感情は・・」
アクアの体は闇に包まれ、そのまま闇の海に沈んでいった。


ソラ達はひとまずイェン・シッドの所に戻ることにした。
ミステリアス・タワーに入るとミッキーとリクもいた。
「ⅩⅢ機関はもう13人揃ったって言ってた。」
「俺達何度か新しいⅩⅢ機関に会ったんだけど、あいつらニューセブンハートとか言って色んな世界のお姫様を狙ってるみたいなんだ。」


イェン・シッドが言う。
「かつてのセブンプリンセスは既にその力を別の者へと継承している。」
「機関は継承された純粋な光の心の持ち主をニューセブンハートとして捜しているようだ。」


ソラが言う。
「カイリは誰にも力を継承してないからニューセブンハートなのか?」


ミッキーが言う。
「そうなるね。」
「でもキーブレードを持つ守護者としてソラと一緒に戦う道を選んだんだよ。」


グーフィーが言う。
「テラはまだ見つかってません。」
「でもヴァニタスが言ってました。」
「ソラの中にヴェントゥスの心があるって。」
「賢者アンセムの記録にも記されていたので確かな情報です。」


ミッキーが言う。
「それならヴェントゥスを助けられる。」


リクが言う。
「でもヴェントゥスの居場所はアクアにしか分からないんですよね?」
「やはりまずはアクアを捜さないと。」


ソラが言う。
「俺が行くよ。」


イェン・シッドが言う。
「ソラは目覚めの力は取り戻したのか?」
「その力なしで闇の世界に行くのは危険だ。」


リクが言う。
「ソラは俺とミッキーが闇の世界で苦戦したから心配してくれてるんだよな。」
「ありがとう。」
「でもまずは目覚めの力を取り戻すんだ。」
「闇の世界にはミッキーと俺で先に行ってるから、あとから追ってくれ。」


「分かった。」
「でも無理しないで何かあったら呼んでくれよ。」


イェン・シッドが言う。
「では引き続きソラは力を取り戻すことに、王とリクはアクアの捜索に注力してくれ。」


謎の荒野でラーリアムとエルレナが話をしている。
ラーリアムは元ⅩⅢ機関のNo.Ⅺでマールーシャと名乗っていた男。
エルレナは元ⅩⅢ機関のNo.Ⅻでラクシーヌと名乗っていた女だ。
「なぜ機関に戻った?」


エルレナが言う。
「かつての相棒に冷たいじゃない?」
「それにしても新しいリーダーのお爺ちゃん、なんで私達みたいな裏切り者を仲間に招いたんだろうね。」


ラーリアムが言う。
「ゼアノートは中身に興味はない。」
「我々を器としか思っていないからな。」
「元々のⅩⅢ機関の結成もゼアノートの器を13集める為だった。」


エルレナが言う。
「えー、ひっどーい。」
「また乗っ取ちゃおうよ。」


そこに元ⅩⅢ機関のNo.Ⅸでデミックスと名乗っていた男が現れた。
デミックスの人間の時の名前は不明だ。
「いやー、前も乗っ取れてないし、やめといた方がいいよー。」


エルレナが驚く。
「なんでアンタが!」


デミックスが言う。
「さっきマルちゃん言ってたじゃん。中身に興味はないって。」


「それにしてもアンタみたいな役立たず使うくらいだったら鍋でも器にした方がマシよ!」


デミックスが言う。
「いやいや、さすがに言いすぎだって。」
「俺だって本気出せばそこそこ強いし、まあ出来れば戦いたくないけど。」


「アンタどこの世界にも行ってないでしょ。何がしたいのよ。」


デミックスが言う。
「だって俺、補欠だもん。」


ラーリアムが言う。
「サイクスがヴィクセンも連れてきた。」
「おそらくレプリカを使う気だ。」


「また人形使うの?」


デミックスが言う。
「いやいや、それが今回はただの人形じゃないんだって。」
「俺はレプリカの補欠なんだから。」


ラーリアムが言う。
「今回はただの人形じゃない。」
「忘却の城で使ったリク=レプリカは試作。」
「その後もう1体、ソラの記憶から作られたレプリカは機関のメンバーとなった。」
「そして今回のレプリカは更に人間と等しいと聞く。」
「完成はまだらしいがな。」


エルレナが言う。
「へー、でも私ソラ達に機関はもう13人揃ってるって言っちゃったよ?」


そこにゼムナスが現れる。
「それはそれでいい。」
「こちらが13人揃ったと知れば彼らも策を急ぎ、きっと準備は不十分となる。」
「機関の結成ナンバー6までは元々賢者アンセムの弟子。」
「そこに7と8が加わり、13番目のロクサスはキーブレード使いだった。」
「ではお前達9から12の4名がなぜ選ばれたのか。」
「他の目的の達成のためだ。」


そこに元ⅩⅢ機関のNo.Ⅹでルクソードと名乗っていた男が現れた。
ルクソードの人間の時の名前は不明だ。
「末席の私はまた除け者かな?」
「私はちゃんと任務についている。補欠ではない。」


エルレナが言う。
「任務ってまさかシグバールのテキトーな噂しか情報がない謎の箱探しのこと?」


ルクソードが言う。
「君に詳細を教える必要はない。」
「それでゼムナス、他の目的とは?」
「同窓会という訳でもなさそうだが。」


ゼムナスが言う。
「この4名の中にいる古のキーブレード使いを捜すためだ。」


ソラ達はザ・カリビアンの世界にやって来た。
キャプテン・ジャック・スパロウと再会し、デイヴィ・ジョーンズの海の墓場に一緒に向かう。
するとバルボッサがやって来た。
「ああ、ヘクター。久しぶりだよな?」


バルボッサが言う。
「ああ、死の島で会って以来だ。」
「お前に撃たれた。」


ウィルとエリザベスもいる。
「ジャックは海の悪霊デイヴィ・ジョーンズへのツケを返さず怒りを買って、ジョーンズが送り込んだ海の怪物クラーケンに食われてしまったんだ。」
「それで俺達はジャックを助けに来たんだ。」
「ジャック、ベケットがジョーンズの心臓を手に入れてフライング・ダッチマン号を操ってる。」
「海を支配するために。」
「対抗するため海賊長の評議会が招集される。」


グーフィーが言う。
「えっとー、ベケットって人が海を支配しようとしてるみたいだね。」


ソラが言う。
「放っとけないな。」
「ジャック、俺達と船に乗ろう。」


ジャックが言う。
「そうだな。ソラ、ドナルド、グーフィー。船に乗ろう。」


ソラ達は船に乗り込んだ。
「俺達どこへ行こうとしてるんだ?」
「勢いで乗っちゃったし、ジャックもあんな感じだし。」


そこにティア・ダルマという女性がやって来た。
「ジャック・スパロウなんかとつるんでると、あんた達もデイヴィ・ジョーンズの怒りを買うことになるよ。」
「あんた達、デイヴィ・ジョーンズのことを知らないなんて、それでもこの海の住人かい?」
「まあいいさ。」
「ジャックとデイヴィ・ジョーンズとの因縁だったね。」
「ジャックは海底から引き上げてもらったブラックパール号の船長にしてもらうのと引き換えに自分の魂をデイヴィ・ジョーンズに差し出したんだ。」
「期限の13年が過ぎてジャックは契約を破った。」
「だからデイヴィ・ジョーンズが差し向けた怪物クラーケンに食われた。」
「自業自得さ。」
「でもジャックが甦ったと知ったらデイヴィ・ジョーンズはただじゃおかない。」
「その仲間もね。」
「ジャックはデイヴィ・ジョーンズとの因縁にケリをつけたいのさ。」
「その為に箱の中身を探してる。」
「デイヴィ・ジョーンズが心の痛みから逃れる為に手に入れたものをね。」
「心の痛みは耐え難いほど辛かったけど、彼の命を奪うほどじゃなかった。」
「デイヴィ・ジョーンズは箱の中に自らのハートをいれたのさ。」


離れたところからその様子を見ているエヴェンとルクソードが話をしている。
「興味深いとは思わんか?」
「ハートを欠いた本体がいかにして存在を保てるのか。」
「私が作り出したレプリカでも成しえなかったことだ。」
「その箱がいかなるものか。」
「是非ともこの目で見てみたいものだな。」


ルクソードが言う。
「我々が命じられたのは箱の捜索、回収だ。」
「余計な詮索は不要ではないかね。」


「固いことを言うな。」
「なぜわざわざ人として復活した私を再び機関に招き入れたのか。」
「私のこれまでの研究成果を、頭脳を評価してのことだろう。」
「私の研究が完成すれば機関の益にもなるはずだ。」


ルクソードが言う。
「機関か。それに尽くしてどうなると言うのだ?」


エヴェンが言う。
「お前もまさか・・機関に背くつもりではないだろうな。」


「いや、そのつもりはない。」
「私はただお前達とは違ってゼムナスとは特別な関係ではないからな。」
「なぜ彼に益をもたらそうとするのか前から疑問だった。」


エヴェンが言う。
「私は自分の研究が続けられさえすればいい。」
「かつての師―賢者アンセムは研究を止め、禁じた。」
「だから私はゼムナス、いや、ゼアノートに賛同した。」
「それだけのことだ。」


「なるほど。」
「その研究がどう利用されようがいいのか?」


エヴェンが言う。
「そんなものに興味はない。」
「私は完全な人間の器が完成できればいいのだ。」


ルクソードが言う。
「研究のことは分からないが、ここは知った土地でもある。」
「私に任せてもらおう。」


「ああもちろんだ。」
「厄介な奴らも現れたようだしな。」
「研究どころではないよ。」


ルクソードが言う。
「奴らは私が排除するとしよう。」
「その後に研究とやらをすればいい。」


「期待しているぞ。」
「私は高みの見物をさせていただこう。」


ルクソードがソラ達の前に現れた。
「お前も機関に戻ったのか?」


「ああ。まさか私にもお呼びがかかるとはな。」
「カードは最後まで何が出るか分からないものだ。」
「私は探している。」
「ある箱を。」
「知っているな?」


ジャックが言う。
「まあ、とある箱のことなら知ってる。」
「そもそもお前が欲しがるような箱なんかじゃない。本当さ。」


ソラが小声で言う。
「あいつに箱が渡るのはマズいんだ。」
「ジャックは本当に箱のことを知ってるのか?」


ジャックが小声で言う。
「さあね。俺が知ってるのはデイヴィ・ジョーンズの心臓が入った箱だ。」
「奴がなぜそれを手に入れたがってるかは見当もつかない。」


ルクソードが「パーレイ」を宣言し、海賊同士の勝負が始まった。
勝負はソラ達が勝利した。
「何か企んでるんだろ?」


ルクソードが言う。
「とんでもない。私は引き際を知っている。」
「さて、報酬を用意しなければな。」
「だがあいにく私は君が望むものが分からない。」
「君は何が欲しいんだ?」


ジャックが言う。
「そんなの決まってる。」
「俺が欲しいのはダッチマン号にある箱だ。」


「ほう。」
「試合には負けても勝負に勝つと言うことだ。」
「さて、ここからが本当の勝負。」
「一足お先に失礼するよ。」
ルクソードは姿を消した。


ソラ達は何とかダッチマン号に辿り着き、ルクソードと対峙する。
「ジャックが言ってた箱にはデイヴィ・ジョーンズの心臓が入ってるんだ。」
「お前達の探してる箱じゃないだろ。」


ルクソードが言う。
「黒い箱の中身を見た者はいない。」
「疑いのある箱は全て回収させていただく。」


「中身を見た者はいない?」
「正解が分からない物を探してどうする気なんだよ。」


ルクソードが言う。
「さあな。上座の考えることが全て理解できる訳じゃない。」
「ただそこには希望があると。」
「おしゃべりはここまでだ。」


黒い箱を手に持っているジャックを見つける。
「望むものを手に入れたか。」
「君もなかなかの勝負師のようだ。」
「だがその箱はこちらに渡してもらおう。」


ジャックが言う。
「はあ?何言ってんだ。」
「お前に渡す訳ないだろ。」
「おっと、パーレイもなしだ。」
「分かるだろ。今はそれどころじゃない。」
「それに俺の欲しい物はもうここにあるからな。」


その時、デイヴィ・ジョーンズが箱を狙って襲ってきた。
ソラ達が助けに入る。
「スパロウ、箱をよこせ!」


クラーケンが暴れまわる。
ジャックは箱を開けデイヴィ・ジョーンズの心臓にナイフをあてた。


その様子を見ていたエヴェンが言う。
「なんとつまらない。ハートとは心ではなかったか。」
「箱も我らの求めるものではなかったな。」
エヴェンとルクソードは姿を消した。


ジャックが言う。
「たまらないねー。お前の生き死には俺が握ってる。」


デイヴィ・ジョーンズが言う。
「まったく酷い奴だな、ジャック・スパロウ。」
その時、ウィルがやって来てデイヴィ・ジョーンズの心臓にナイフを突き刺した。
デイヴィ・ジョーンズは倒れ込み、そのまま海の中に落ちていった。


リアの所にカイリがやって来た。
「アクセル!」


リアがカイリを見る。
「ああ、着替えたのか。」
「髪も切ったんだな。」


カイリが言う。
「うん。アクセルは着替えないの?」


「うーん、そうだな。まだいいかな。」


カイリが言う。
「でもずっとその格好でしょ?」


「俺、この格好のイメージ強いだろ?」
「久々に見て違う格好してると俺だって気づかないと困るから。」


カイリが言う。
「優しいんだね。」
「もうすぐ修行も終わりだね。」
「私の中にはナミネがいるんだけど、ロクサスが戻れたらナミネも戻れるんだよね。」


リアが頷く。
「そうなるな。」


「元々ナミネはソラの中にいた私から生まれた。」
「今の私の中にいる状態で解決してるようにも思えたけど、きっとこうして見る風景、顔に感じる風、全部私とは違って感じるはずなんだよね。」
「ナミネはナミネで短くても彼女の時間を過ごした。」
「そこでの感情や感触は彼女のものなんだ。」
「私に戻すものじゃない。」
「それはロクサスも同じ。」
「今は何も解決してない。」


リアが言う。
「そうだな。」
「昔ガキの頃、一度しか会ったことがない奴なんだけど、そいつ、何だか不思議な奴でさ。」
「それっきり見かけなくて、いつの間にか気にしなくなってて。」
「で、ロクサスに会った時に内心少し驚いたんだ。」
「見た目がそいつそっくりでさ。」
「でもずっとロクサスには話さなかった。」
「話すとそいつみたいにまた、いなくなりそうでさ。」
「そいつ、ヴェントゥスって名前だった。」
「今ソラ達が捜してる守護者の一人だ。」
「俺のこと憶えてくれてるかなー。」
「そろそろ合流だから色々心配になってな。」


「きっと記憶してるよ。」
「もう一人で抱えなくていいんだよ、アクセル。」


一方、闇の海岸で偽アンセムに捕まった賢者アンセムはトワイライト・タウンの幽霊屋敷に連れて来られた。
「もう誰も犠牲には出来ない。」


偽アンセムが言う。
「今更何を言っている。」
「お前の研究で多くの子供が犠牲になった。」
「その懺悔の機会だ。」


賢者アンセムが言う。
「私が隠した訳ではない。」
「あの子の失踪で研究の中止を決めたのだ。」


「この期に及んで言い逃れか。」
「ロクサスとナミネを犠牲にしたお前がそんな慈悲深い人間だと信じられるはずがない。」
「きっとどこかに隠しているはずだ。」
「まずはこの屋敷にあるデータを見せてもらう。」


賢者アンセムが言う。
「ロクサスとナミネ・・」
「私がまだ生かせれている理由があるとするならその二人に償いをするためだ。」
「お前はあの被験者だった子を見つけてどうしようと言うのだ。」


「きっとあの子の記憶に謎がある。」
「我々光と闇の戦いに大きく関与する記憶が。」
「お前は何かを知ってしまった。」
「だから研究を中止させたんだ。」


賢者アンセムが言う。
「それはお前の妄想だ、ゼアノート。」


「もうすぐ分かる。」


その時、突然ピンツがやって来て偽アンセムに声を掛ける。
「あのー。すみませーん!」
「ここに友達が住んでいたはずなんですが。」
ピンツを追い払おうと偽アンセムが近づいてきたスキに、オレットが賢者アンセムを連れ去った。
ハイネが偽アンセムにドロップキックを放つが、あっさりと捕まって壁に投げつけられる。
壁に激突する直前、ダスクが現れてハイネを助けた。
ダスクは下級のノーバディで誰かに操られているようだ。
「守ってくれたのか?白いグニャグニャが・・」


ピンツがハイネに駆け寄る。
「ハイネ、早く逃げよう!」
ピンツとハイネは逃げていった。


ダスクに囲まれた偽アンセムが言う。
「元ⅩⅢ機関、裏切る気か?」
「だいたい見当はつく。構わん、好きにしろ。」


賢者アンセムを連れ去ったオレットとピンツ、ハイネが地下道で合流する。
「みんな大丈夫?」


「ああ。多分な。」
ピンツが言う。
「この地下道なら僕達以上に詳しい人はいないからね。」


賢者アンセムが言う。
「君達はロクサスの・・」


ハイネが言う。
「おじさん、ロクサスを知ってるんだよな。」


「ああ、知っているとも。」


ピンツが言う。
「やっぱり!」
「あの屋敷を張ってればロクサスの手掛かりにたどり着くって考えは間違ってなかったね。」


オレットがロクサスと4人で写っている写真を取り出す。
「私達とロクサスの唯一の手掛かりだからね。」
「ロクサスのこと教えてもらいたいんだけど。」


そこにエヴェンがやって来る。
「我が師よ、ご無事ですか?」


賢者アンセムが驚く。
「お前はエヴェン。」
「そうか、さっきのノーバディはお前か。」


エヴェンが言う。
「こんな時が来るかと人間としてではなくⅩⅢ機関として生まれ変わりました。」
「あなたの捜索にゼアノートが向かったと聞き、いよいよ私の計画を実行する時だと。」
「私にも償いをさせて下さい。」


ソラ達はグミシップでサンフランソウキョウという世界に向かった。


未来の都市サンフランソウキョウの橋の上でゴー・ゴーという短い黒髪の女性が倒れている。
そこにヒロ・ハマダとベイマックスがやって来る。
「ゴー・ゴー?」
ヒロ・ハマダは14歳のロボット工学の天才少年で、ベイマックスはヒロの兄タダシが開発した心と体を癒やすために生まれたロボットだ。
ベイマックスがゴー・ゴーを分析する。
「スーツのおかげで大きな怪我はありませんが、頭に衝撃を受けたせいで軽い脳震盪を起こしています。」
「回復にはしばらくはこのまま動かさず安静にするのが最適です。」


そこにソラ達が駆けつけた。
「こんにちは。私はベイマックス。あなたの健康を守ります。」


ソラが喜ぶ。
「ロボット?すっげー!」
「俺はソラ。」
「ドナルド。」
「グーフィーだよ。」


ヒロ・ハマダが言う。
「俺はヒロ。君達も一緒に魔物と戦ってくれるの?」
「僕達はビッグ・ヒーロー6だ。」


ソラ達は協力してハートレスを倒した。
その後ソラ達はヒロ・ハマダの家に招待され、元気を取り戻したゴー・ゴーと一緒に新聞の記事を見る。
ハートレスの襲撃事件を面白おかしく書いてある。
「ひどいね。」
高身長で眼鏡をかけた金髪の女性がやって来た。
この女性はハニー・レモンという名前でサンフランソウキョウ工科大学に通うタダシの友人だ。
「みんな刺激的なニュースが見たいのよ。」
ドレッドヘアーの大柄な男性がやって来た。
この男性はワサビという名前でこちらも大学に通うタダシの友人。
「報道はニュースショーに成り下がってエンタテイメントになったのさ。」
着ぐるみを着たフレデリックという青年がやって来た。
「なんでだよ。俺達がこの街を守ってきたんだぞ。」
フレデリックは大学に出入りしているタダシの友人で大学のマスコットキャラを務めていてフレッドと呼ばれている。
「まあ一撃食らって気を失ってたのは確かだけど、科学の力で事件を解決してきたじゃないか。」


ハニー・レモンが言う。
「でも今回はまったく効かなかったのよね。」


ワサビがソラ達を見る。
「なあ、それで彼らがやっつけてくれたんだろ?」
「ヒロ、俺達にも紹介してくれよ。」


ヒロ・ハマダが言う。
「まずは僕達のことから。」
「彼女はゴーゴー、彼がワサビで彼女はハニー・レモン。」
「この着ぐるみを着ているのがフレッドさ。」
「それで彼らはソラ、ドナルド、グーフィー。」


ゴーゴーが言う。
「要するにあんた達があの敵を倒したのね。」


ソラが言う。
「あいつらはハートレスって言って、心の闇に引き寄せられる魔物なんだ。」


ベイマックスが言う。
「今の私達の力では先程の敵に勝てる可能性は0.000・・」


ヒロ・ハマダが言う。
「もういいよ、ベイマックス。」
「でも僕達は誓ったんだ。」
「兄さんの想いにね。」
「僕に考えがあるんだ。」
ソラにARデバイスを渡す。
「それは現実の環境をコンピューターグラフィックスで拡張するデバイス。」
「これは着けてる人の行動データも収集することが出来るんだ。」
「着けてみれば分かるよ。」
「まあでもこの街の地形データしか入れてないから他の街じゃ使えないけどね。」


ハニー・レモンが言う。
「ソラはヒロがプログラムしたARのステージを攻略してくれればいいの。」
「ゲームみたいなものよ。」
「私達はソラの動きをトレースして一緒に修行するってわけ。」


ヒロ・ハマダが言う。
「さあ、フラッシュトレーサーを始めよう。」


ソラはARデバイスを装着してヒロがプログラムしたARのステージを攻略した。
ヒロ・ハマダはその戦闘データをベイマックスにインストールする。
「これでよしっと。」


デレビからニュース音声が流れる。
「番組の途中ですが緊急ニュース速報をお伝えします。」
「先程中心街南エリアに正体不明のモンスターが現れました。」
「モンスターは市民を襲い、被害者はハートのような形に姿を変えられてしまったとの未確認情報もあります。」
「州警察は外出を控えるよう呼びかけています。」


ソラ達は中心街南エリアに向かい、協力してハートレスを倒した。
橋の上で街を眺めながらヒロ達とチョコレートアイスを食べる。
「沢山の人を助けたい。」
「兄さんと僕達の想い。」
「兄さん、タダシは火事があって亡くなったんだ。」
「沢山の人を助けたいって想いで兄さんは苦労してケアロボットのベイマックスを完成させた。」
「その想いはベイマックスに、みんなの心に宿ってる。」
「兄さんは僕の心の中で生き続けている。」


「その心の繋がりがヒロ達の強さ。」
ソラは胸に手をあてた。
「ロクサス、繋がってるよ。」


ヒロ達と夜の街を歩いていると異質な魔物を見つけた。
「待って、みんな。その敵はさっきのとは違う。」
「あれってまさかマイクロボット・・」
「マイクロボットというのは神経トランスミッター制御で頭で考えた通りに動かせるロボットで、以前僕が作ったロボットなんだ。」
「ある事件があってマイクロボットは全部消えてしまったはずなんだけど。」
「あれはどことなくマイクロボットに似ている気がする。」
「だとしたら誰かが操ってるはずなんだ。」
「そんな事が出来るのは・・」
「僕はあのロボットの正体を調べてみようと思う。」


異質な魔物を追いかけると黒コートを着たリクが現れた。
「もう遊びは終わりか?」
「まったく、こっちはくだらない実験に付き合わされてるってのに。」
リクは赤いカードを手に持っている。
それを見たヒロ・ハマダが言う。
「あれは僕が最初に作ったベイマックスの戦闘プログラムチップだ。」
「あの中のデータでベイマックスは動くんだ。」


リクが言う。
「これは渡せない。まだ実験の途中だからな。」


ソラが言う。
「リク、その姿、本当にリクなのか?」


「見た目なんて関係ない。」
「重要なのは心。」


グーフィーが言う。
「騙されないで、ソラ。」
「あの格好はⅩⅢ機関だ。」
「そしてあれはリクそのものじゃない。」
「アンセムやゼアノート、その他にも今まで倒したはずの敵がみんな復活してる。」
「きっとあのリクはアンセムの心と同化してた時のリクだ。」
「過去から来たんだ。」


リクが言う。
「過去からどうやって?」
「古の魔法使いでもあるまいし。」
「肉体を持ったまま時間を超えることは出来ないが、目に見えない存在なら可能だ。」
「ゼアノートが自ら心だけの存在となり時間を遡った。」
「そして若き自分に計画を打ち明けた。」
「心だけのゼアノートはそのまま時の流れに従い、次に俺達の時代に現れた。」
「そして俺の体と融合し、お前達の知るアンセムとなった。」
「一方抜け殻として元の時代に残っていたゼムナスは機関を結成し計画を進めた。」
「それらによってゼアノートの心と接触した多くの心をこの時代に集結させたのが真ⅩⅢ機関。」
「そして俺達のように過去から来た真ⅩⅢ機関のメンバーは、この世界に用意された器に心だけ移した。」
「そう、レプリカだ。完成されたレプリカ計画。」
「もう人間と差異はない。」
「心をデータ化して人形に移す。」
「そう、お前も興味があるんじゃないか?」
「ベイマックスにも同じような物が入ってるんだろ?」
「こんなカードに心が宿るとは思えないけどな。」


ソラが言う。
「何にだって心は宿る。」
「そこに心を感じれば心は存在するんだ。」


ヒロ・ハマダが言う。
「それをどこで。それは僕が作ったプログラムチップだ。」


「ああ、これはお前のだったのか。」
「心配しなくてもちゃんと元に戻して返してやるよ。」
「最後の準備に取り掛かるとしよう。」
ダークリクは姿を消した。


ヒロ・ハマダが言う。
「リクって言ってたっけ。」
「ソラの知り合い?」


ソラが言う。
「うん。でもあれはリク本人じゃない。」
「俺達はあのⅩⅢ機関という組織と戦ってるんだ。」
「ここにはデータに心を宿す実験に来たらしいけど、実は俺達にも結局何がしたいのかよく分からないんだ。」
「いろんなところに現れるんだけど直接俺達と戦うわけじゃなく、俺達や俺の友達の心を揺さぶるようなことばかりして姿を消すだけで。」
「あいつがヒロに迷惑をかけてるんだったら俺達のせいだ。」


ヒロ・ハマダが言う。
「ううん、迷惑なんかじゃない。」
「ただ僕はあのチップの事を知りたいんだ。」
「実はこのベイマックスは2代目なんだ。」
「最初のベイマックスとあのチップは、とある事件の時にマイクロボットと一緒に異空間に消えたはずなんだ。」
「それがなぜ・・」
「もしかしたらベイマックスもどこかに・・」


ベイマックスが言う。
「大切な人を失った悲しみをみんなで一緒に乗り越えましょう。」


突然大きな地響きが起きた。
外に出るとマイクロボットとプログラムチップを持ったダークリクがいた。
「あと少し。」
「このガラクタを通して集めた心のデータ。」
「理由なく襲われる恐怖。」
「逃げ場のない状況に追い詰められた絶望。」
「仕返ししたい怒り。」


ソラが言う。
「心はそれだけじゃない!」
「勝利の歓び、笑顔を生む楽しさ、仲間との信頼。」
「心の繋がりは希望だ。」


ダークリクが言う。
「その通り。」
「だからお前達と戦わせてデータを集めた。」
「間もなくこれは完全な心となる。」
「何にだって心は宿る。」
「ソラ、お前が言ってたことだぞ。」
「さあ、仕上げだ。」


マイクロボットは黒いベイマックスに姿を変えた。
「この人形は心をなくして眠り続けていた。」
「約束通り元に戻して返してやるさ。」
黒いベイマックスにダークリクが持つプログラムチップがインストールされる。
「だがまだ足りない。」
「ソラ、お前が完全なものにしてやってくれ。」
「大切なものを失う悲しみで心は満たされる。」
「ソラ、お前はヒロの大切な友達を倒すことになるのさ。」
ダークリクは姿を消した。


ソラ達は襲いかかってくる黒いベイマックスを倒した。


ヒロ・ハマダが言う。
「今は負荷が掛かりすぎたせいでセイフティモードが動いて休眠状態になってるだけだと思う。」
「完全に停止させるにはチップを壊さないと。」
黒いベイマックスからプログラムチップを取り出した。
「これが最適な方法・・」
黒いベイマックスからマイクロボットが剥がれ、初代のベイマックスになる。
「兄さんも同じことを言うと思う。」


ソラが言う。
「でもそれはベイマックスの心じゃないのか?」


ヒロ・ハマダは自分の胸に手をあてる。
「大丈夫、心はここにある。」
「これは僕の役目だ。」


その後、ヒロ・ハマダはプログラムを修復することに成功した。
「ベイマックスが2体だ!」
「よかったな!ヒロ!」
「なあヒロ、1体連れて行ってもいいかな?」


「ええっ!ちょっとそれは駄目。」
「修理とか・・充電とか・・」


ソラ達がグミシップに乗り込むと、チップとデールからモバイルポータルに着信があった。
「大変だよー!」
「闇の世界に行った王様とリクとの通信が途絶えて全然連絡が取れなくなっちゃったんだ!」
「闇の世界への扉は王様が開いてるんだ。」
「王様が持ってる闇の世界のキーブレードでね。」
「やっと開き方が分かったって。」


「鍵が導く心のままに俺の心に従ってみるよ。」
ソラがキーブレードを掲げると、異空間にゲートが現れた。
「どこに続いてるんだろう。」
グミシップでゲートをくぐると、そこはデスティニーアイランドだった。
砂浜にマスター・エラクゥスのキーブレードが落ちている。
このキーブレードはマスター・エラクゥスからアクアに継承され、アクアが闇の世界で使用していたものだ。


マスター・エラクゥスのキーブレードを拾い上げるソラ。
「キーブレード?」
「ずいぶん古いな。」
「どうしてこんなところに・・」


グーフィーが言う。
「鍵が導く心のままに。」


「これが導いてくれるのか?」
ソラがマスター・エラクゥスのキーブレードを掲げると闇の世界への扉が現れた。
「俺一人で行く。」
「闇の世界は二人も分かってる通り危険だ。」
「王様とリクでさえ危険なんだ。」
「もしもの時誰もいなくなったらどうする?」
「ドナルドとグーフィーがみんなを助けなきゃいけない。」
「ここで全員に何かあったらみんな困るだろ。」
「俺は大丈夫。必ずリクと王様を助けて戻るから俺を信じて。」
ソラは一人で闇の世界へ向かった。


闇の世界で闇の海岸に辿り着いたリクとミッキー。
ミッキーは突然襲いかかってきたハートレスの群れ「デビルズウェーブ」に飲み込まれてしまった。
「ミッキー!」


デビルズウェーブの中からアクアが飛び出しきてミッキーが落としたキーブレードを拾う。
「キーブレード・・」
「ミッキー、遅かったな。」
「お前達は私を見捨てた。」
「この暗黒の牢獄に私がいると知りながら十数年も放置したのだ。」
「この最果ての闇の海に辿り着き、助けが来るのをひたすら待ち続けた。」
「しかし助けは来なかった。」
「キーブレードを失った私はもうあとに戻りハートレスと戦う術もなかった。」
「だからここでひたすら待つしかなかった。」
「お前達にこの孤独が理解できるか?」
「不安と恐怖が理解できるか?」
「心の奥底に閉じ込められた存在の悲しみをお前達にも分けてやろう。」


「その必要はない。間に合っている。」
リクがキーブレード構えた時、空中に扉が現れてソラがやって来た。
「お待たせ!」


ソラとリクが二人のキーブレードを合わせてハートレスに振り下ろすと、飲み込まれていたミッキーが解放された。


リクが言う。
「よくここが・・」


ソラはマスター・エラクゥスのキーブレードを出現させた。
「これが導いてくれたんだ。」
「リクは王様を頼む。あとは俺がやる。」


ソラは自分のキーブレードを出現させてアクアに挑み、アクアの闇をはらった。


意識を失ってしまったアクアをソラ、リク、ミッキーの3人でデスティニーアイランドに連れて帰る。
しばらくするとアクアは意識を取り戻した。
「ヴェン・・テラ・・」


ソラとリクがアクアに駆け寄る。
「アクア!」


「あなた達・・」


ミッキーが言う。
「良かった。気がついたようだね。」


「ミッキー・・」
「ここはデスティニーアイランド?」
「闇の世界のデスティニーアイランド?」


リクが言う。
「光の世界に戻ったんだ。」
「おかえり。」


ミッキーがアクアに抱きつく。
「おかえり。」


デミックスとエヴェンがレイディアント・ガーデンで話をしている。
「ええー!」


デミックスの口をおさえるエヴェン。
「静かにしろ!」


「だってさー、何で俺なんだよ。」


エヴェンが言う。
「正式メンバーにこんな話が出来るわけないだろ。」


「ひっどい。補欠だからって馬鹿にして!」


エヴェンが言う。
「私も補欠だ!」


エヴェンの口をおさえるデミックス。
「静かに!」
「でもさー、正直なところみんなを裏切るの怖くない?」
「バレたら絶対ただじゃすまないしさー。そもそも俺に何の得があるのよ。」


「償いだ。」
「我々研究者は元はと言えば人々に役立てたいと願って研究をするものだ。」
「その気持をいつしか見失っていた。」
「私の研究が彼らの為になるならそれを償いとしたい。」


デミックスが言う。
「俺、研究者じゃないから。」
「俺、関係ないし。怖いし。」
「そもそも俺とヴィクセンってそんな絡みないよね。」
「仲良くもないよね?」
「昔からの知り合いでもないし。」


「分かった。まあ待て。」
エヴェンはデミックスに耳打ちをした。


デミックスが驚く。
「え?嘘でしょ?」


「本当だ。この計画の首謀者は彼だ。」
「彼もまた償いだと言っている。」
「正式メンバーが故に自らは動けないがな。」
「だからこうして私が動いているが、今回の計画で私の裏切りが気づかれるかも知れない。」
「そこで私との繋がりが薄いお前にも手伝って欲しい。」


デミックスが考える。
「うーん・・戦ったりしなくていいんだよね?」


「ああ。何より誰かの代わりではない。」


デミックスが言う。
「じゃあ俺向きかもな!」
「Yes!俺向き!」


イェンツォが賢者アンセムのコンピュータシステム「D・T・D」を操作している。
「心の再形成はある程度可能になった。」
「あとはやはりその器・・」
「しかし人間の体など手に入れられるものではない。」
「やはりバックアッププランしかないのか・・」
「でもそれでは本当の意味での解決には・・」


そこにエヴェンが造った器を持ったデミックスが現れる。
「着いた着いた。」
「へえー、ここかー。」
「やあ、ゼクシオン。久しぶり!」
「人間の方がやっぱりいいのかなー。」
「俺はまたノーバディに戻ったけどさ。」
「なんかうまいこと言って騙された感があるんだよねー。」
「あとでどっちがいいのか聞かせてよ。」


イェンツォが驚く。
「何なんですか。急に。」


「ああー、ごめん。そういうんじゃないんだ。」
「今回は俺向きの頼まれごとがあってね。」
「俺ってノーマークらしくてさ。」
「大事な物を運ぶのには最適らしいんだよね。」
「ジャジャーン!」


賢者アンセムが現れた。
「おお、久しぶりだな。イェンツォ。」


「賢者アンセム様!」
「まだ幼かった私はあなたが暴走して消えたと聞き、まんまと信じ込み・・彼らの仲間になってしまいました。」
「本当に申し訳ありません。」


賢者アンセムがイェンツォの肩に手を添える。
「お前もまた償いをしようとしているのだな。」
「いいんだ、イェンツォ。」
「私こそ恨みに取り憑かれ、お前達のことを何も考えられなくなっていた。」
「許してくれ。」


デミックスが言う。
「えーと、話を先に進めていいかな?」
「実はヴィクセンに頼まれてまずは1体だけど器が用意できたから賢者アンセムとゼクシオンに託してくれって。」


ソラ達はアクアと一緒に忘却の城に向かっていた。
「大丈夫?アクア。」
「やっぱり王様とリクと一緒にイェン・シッド様の所で休んでた方がいいんじゃないか?」


アクアが言う。
「ありがとう。」
「でもヴェンに約束してたの。」
「すぐに起こしにくるって。」
「十年以上も経っちゃって全然すぐじゃないんだけど。」
「休んでたら叱られるわ。」
忘却の城の前にやって来たアクアはマスター・エラクゥスのキーブレードを出現させ、鍵を開いた。
忘却の城の封印が解かれ、旅立ちの地が復活した。


以前承認試験が行われていた建物の中に入ると、椅子の上に意識がないヴェントゥスが座っていた。
「ヴェン!」
「長い間待たせてごめんね。」
「ヴェン、起きて!」
「目を覚まして、ヴェン!」
ヴェントゥスは目を覚まさない。
「ヴェン、やっぱりまだ心が帰っていないの?」


そこにヴァニタスがやって来た。
「こういう仕掛けか。」
「これじゃ誰も見つけられないわ。」


アクアが身構える。
「ヴァニタス!何をしに来た!」


「感動の再会に水を差して悪いが、俺も兄弟として参加させてもらうよ。」
「やっぱりヴェントゥスは目覚めないか。」
「出来の悪い兄弟を持つと苦労する。」


アクアはヴァニタスにキーブレードを振り下ろすが、簡単に受け流されてしまう。
「このマスター様は血の気が多いな。」


ソラが言う。
「アクア、ここは俺が!」
「まだ体が・・」


「ううん、私がケリをつける。」
「さっきはあなた達に格好悪い姿見られちゃったから。」
「少しはいいところ見せなくちゃ。」


アクアとヴァニタスの戦闘が始まった。
アクアは終始ヴァニタスを圧倒する。
ヴァニタスは苦し紛れにヴェントゥスに火炎弾を放つ。
アクアはヴェントゥスを庇ってまともに攻撃を受けてしまった。
倒れるアクアにヴァニタスが止めを刺そうとした瞬間、ソラの心の中に眠っていたヴェントゥスの心が目覚めた。
「俺・・起きなくちゃ・・」


ソラがヴェントゥスの心に問いかける。
「ああ、俺はどうすればいい?」


「目覚めの力を・・」


ソラがヴェントゥスの心に言う。
「でも俺はまだ力を取り戻せてない。」


「失ってない。眠ってるんだ。」
「誰かの為に目覚めるんだ。」
「誰かの為に。心で。」
「今まで守ってくれてありがとう、ソラ。」
ソラは目覚めの力を取り戻し、ヴェントゥスの心を目覚めさせた。
ヴェントゥスの心がヴェントゥスの身体に帰っていく。
ヴェントゥスの身体が光り輝き、ヴェントゥスがついに目覚めた。


ヴェントゥスは目覚めたと同時に攻撃を放ち、ヴァニタスを吹っ飛ばす。


「さすがに守護者3人相手は無理だわ。」
「兄弟も目覚めたことだし、またの再会を楽しみにしてるぞ。」
ヴァニタスは闇の回廊に消えていった。


ソラの顔を見たヴェントゥスは、ソラの顔がヴァニタスに似ていることに驚く。
「え?君がソラ?」
「そうか・・欠落を補い合う者・・」
ソラと握手をするヴェントゥス。
「ヴェンでいいよ。」


アクアがヴェントゥスの頭を撫でる。
「おはよう、ヴェン。」


「おはよう、アクア。」


ミステリアス・タワーに戻ったソラ達。
イェン・シッドのもとにソラ、リク、アクア、ヴェン、カイリ、リア、ミッキーの7人が揃った。
「よくぞ集まってくれた。」
「まずはソラ、リク、ドナルド、グーフィー、王よ。」
「感謝の言葉しかない。ありがとう。」
「そしてアクア、ヴェントゥス。よく戻ってくれた。」


アクアが言う。
「いえ、長い間不在にして申し訳ありませんでした。」
「そして皆さん、助けてくれてありがとう。」


ミッキーが言う。
「時間が掛かってしまってごめん。」
「テラもまだ助けられなくて。」


「いいえ、これは我らエラクゥス一門、3人の問題です。」
「私達で乗り越えないと。」


リクが言う。
「以前闇の世界で助けていただいたと聞きました。」
「もっと早く助けに行ければ良かったのですが、自分が未熟なばかりにすみませんでした。」
「そしてありがとうございました。」


「ううん、立派になりましたね。」


グーフィーが言う。
「リクはキーブレードマスターなんだ。」


「そうなんですね。」


ドナルドが言う。
「王様もね。」


アクアが驚く。
「ミッキーも!」


ドナルドが言う。
「ソラはまだだけどね。」


「またそれ言うー。」
皆で笑い合う。


アクアがソラに言う。
「出会った頃と変わってなくて安心したわ。」
「あなたは憶えてないかもしれないけど。」


イェン・シッドが言う。
「そして新たなキーブレード使いとなったリアとカイリ、短期間でよく頑張ってくれた。」


リアが言う。
「よろしく。俺もキーブレードマスターになるからさ。」


カイリの名前を聞いたアクアが驚く。
「カイリ?」
カイリがつけているペンダントを見るアクア。
「あなたはやっぱりあの時の・・」


ミッキーが聞く。
「顔見知りかい?」


「私とミッキーがレイディアントガーデンで出会った時にアンヴァースに襲われていた小さな女の子、憶えていませんか?」


ミッキーが言う。
「ああ、あれカイリだったの?」


「私がかけた魔法が少しは役に立ったのかな。」


カイリが言う。
「ごめんなさい。」
「私、幼い頃の記憶がなくて。」
「でも私も助けていただいていたんですね。」
「ありがとうございます。」


「ううん、あなたはまだとても小さかったから。」
「記憶をなくしていなくてもきっと憶えていないわ。」


リアが言う。
「旧知を温めるのはいいけど、俺、置いてけぼりだし。」
「ロクサスそっくりな奴がいて一瞬息止まるくらいびっくりしたけど。」
「ヴェンはヴェンで久しぶりな上に友達なんだけど、その説明もややこしいし。」
「なんかみんな誰かと誰かが昔出会ってて、情報多すぎて記憶出来ねえよ。」


ヴェントゥスが言う。
「ごめんよ、リア。」


リアが驚く。
「記憶してるのか?」


「ああ、もちろん。友達だろ?」
「リアまでキーブレード使いになっててびっくりだよ。」


ソラが聞く。
「アクセルとヴェンは知り合いなのか?」


「アクセル?リアじゃないの?」


リアが言う。
「ほらほらほら、ややこしいだろ?」


ミッキーが言う。
「これで守護者は7人揃った。」


ソラが言う。
「うん。でもロクサスもナミネもテラもここに揃わせてあげたかった。」


リクが言う。
「何弱気になってんだよ、ソラ。らしくないぞ。」
「テラはきっと機関側にいる。」
「その時こそ助けるチャンスだ。」


アクアが言う。
「私とヴェンもいる。テラは必ず連れ戻す。」


ヴェントゥスが言う。
「俺、昔テラと約束したんだ。」
「テラを助けるのは俺じゃなきゃいけない。」


リアが言う。
「ロクサスは何とかする。」
「方法はまだ見つからないけど、俺が連れ戻す。」


カイリが言う。
「ナミネは私といつも一緒にいる。」
「それを感じている限り彼女は消えない。」
「戻ってこられる。」
「私も諦めないよ。」


ミッキーが言う。
「一人で抱え込まなくていいんだ、ソラ。」


グーフィーが言う。
「僕らはキーブレード使いじゃないけど、ソラのキーブレードを一緒に握ってるんだ。」
「いつもそう思ってソラの背中を見てるんだよ。」


ドナルドが言う。
「3人で一人前だからね。」
皆で笑い合う。


イェン・シッドが言う。
「ここに全員が揃わなかったのは残念だが、こうして7人の守護者は揃った。」
「ドナルドとグーフィーも参加し、9人の光の守護者とも言える。」
「その先に必ずや全員が揃うと信じよう。」
「明朝、彼の地に集う。」
「今日は各々ゆっくり静養するといい。」


アクアとヴェントゥスは2人で塔の外に出た。
「入ってくる時に思ったけど、本当に綺麗な星空だね。」


星空を見上げながらヴェントゥスが言う。
「あれから十年以上も経ったんだね。」
「俺、色んな夢見てた。」
「アクアやテラの夢やソラ達の夢も見てたかな。」
「あと全然見たことない仲間の夢や・・そうそう、変な動物もいっぱい出てきたな。」
「夢の中でもずっと冒険してきた気がする。」


「私も色々あったわ。」
「でももう少し・・もう少しで元に戻る。」


ヴェントゥスが約束のお守りを取り出す。
「テラが戻ったらいっぱい話そう。」


アクアも約束のお守りを取り出す。
「うん。」


マレフィセントとピートが話をしている。
「もう黒い箱探しはたくさんだ。」
「出てくるのは全部違う箱だしよ。」


「そうだねえ、箱探しはここまでにしよう。」
「世界のどこにも黒い箱はない。」
「それが答えさ。」
「焦らずお聞き。」
「今探しても意味が無いんだよ。」
「箱があるのは光と闇が衝突するキーブレード戦争の舞台さ。」
「私達はただ待っていればいい。」
「どちらが勝とうが箱は見つかる。」
「箱が手に入ったら忙しくなるから、それまで力を温存しておきな。」


リアがトワイライト・タウンの時計塔の上で一人シーソルトアイスを食べている。
左手には他に2本のシーソルトアイスを持っている。
「ロクサス、とうとうお前を助けられないままこの日が来ちまったな。」


そこにアイザがやって来た。
アイザは元ⅩⅢ機関のメンバーNo.Ⅶサイクスと名乗っていた男でリアの親友だ。
「お前の故郷はこの世界ではないだろう。」
「戦いに来たわけじゃない。緊張するな。」
リアのシーソルトアイスを一本奪い取る。
「そんなに食えないだろ。」
「それに一本はロクサスの分としてもう一本は誰のだ?」
「2本食うつもりだったのか。」


リアが言う。
「知らねえよ。なぜか3本買っちまったんだよ。」
「てか何しに来たんだ、お前。」


「記憶してるか?」
「俺達が親友だった頃、城に時々忍び込んでた。」
「そこで出来た友達を救い出す為に俺達は賢者アンセムに弟子入りした。」


リアが言う。
「憶えてるよ。」
「でも見つからなかっただろ?」


「諦めたのか?」


リアが顔をそらす。
「諦めてねえけどさ・・」
「俺らが弟子になった直後、何だか知らねえうちに賢者アンセムは行方不明。」
「何だか知らねえうちにノーバディになって。」
「何だか知らねえうちにお前はゼムナスの側近になって。」
「それどころじゃなかっただろ。」


アイザが言う。
「ゼムナスの元の姿、ゼアノートの研究材料だっったあの子を救い出すにはそうするのが近道だと思った。」


「で、見つかったのか?」
「俺も最初はお前が上に行けるように協力してただろ。」


アイザが言う。
「見つからなかった。」
「いたという痕跡さえな。」
「あの子は最初からいなかったのかも知れない。」
「いつしかそう思うようになった。」
「そしていつの間にか俺の目的は変わっていった。」
「より強い存在になることに。」


リアが言う。
「そこが駄目なんだよ。今からでも機関なんてやめちまえよ。」


アイザがリアを見る。
「お前こそ。ロクサスも捜していた友達と同じだろ。」
「あの子はもういない。そう思った方がいい。」


「ふざけんな。俺はロクサスを必ず連れ戻す。」
「そしてあの子も捜してやる。」
「何ならお前も連れ戻してやる。」


アイザが言う。
「目の下にあったマーク、消えたんだな。」


リアが言う。
「ああ。もう必要ない。」


「泣き虫だったお前に俺が教えてやった逆さ涙のおまじないだ。」


リアが怒る。
「うるせえ!早く帰れ!明日ボコボコにしてやっからな!」


「楽しみにしている。」
アイザは笑みを浮かべながら闇の回廊に消えていった。


デスティニーアイランドの海岸でリクとダークリクが話をしている。
「いつお前の中に居ると気づいていた?」


リクが笑って答える。
「助けてくれただろ。」
「俺について来たのは何が目的なんだ。」


ダークリクが言う。
「レプリカの試作だった俺は失敗作だった。」
「お前達と別れたあと、すぐ身体は朽ち果ててしまい中途半端に持った自我は闇の一部となって彷徨っていた。」
「そのまま闇に溶けようとしていたところにお前が現れた。」


「運命でも感じたか?」


ダークリクが言う。
「そうかもな。」
「どうせ溶けるなら闇よりお前がいい。」
「でも最後にまだやることがある。」
「だからもうしばらく溶けずにいるさ。」


「ゆっくりすればいい。」


少し離れたところでソラとカイリがリクを見ている。
「リク、一人で何してるのかな?」


「でも一人にさせてほしいって言ってたから、そっとしてあげよう。」
カイリはソラに星型のパオプの実を差し出した。
「これからの戦いは今までと違う。」
「もう離ればなれにならないようにおまじない。」


「うん、でもカイリは俺が守る。」
ソラはパオプの実を受け取った。


「ううん、私がソラを守るよ。」


翌日、ソラ達7人の光の守護者達は謎の荒野にやって来た。
ミッキーが言う。
「彼の地、キーブレード墓場はこの先だ。」


そこに年老いたマスター・ゼアノートがやって来る。
「わずかに伝わるχブレードとキーブレード戦争の伝説。」
「かつて世界は闇に覆われ、そこから新たな光を見出した。」
「破壊のあとに創造があるようにキーブレード戦争のあとに何があるのか。」
「我らもまた伝説通りに光を見いだせる、光に相応しい生命なのか。」


偽アンセムが現れた。
「それとも世界は闇に帰属されるべきなのか。」
「これよりこの場で伝説が再現される。」


ゼムナスが現れた。
「それにはまず世界を闇に覆うため、光であるお前達の絶望が必要となる。」
ヴァニタスが現れた。
「抗って抗って、抗った先に掴む鍵によってキングダムハーツが現れる。」


青年のゼアノートが現れた。
「まずは我々からの贈り物だ。標をたどれ。」


出現した大量のハートレスを倒すソラ達。
謎の荒野の先に進むとテラが一人で立っていた。
アクアが言う。
「あなたの中にテラはいない。」
「テラの体を返しなさい!」


テラの髪の色がゼアノートと同じ髪の色になる。
「これで13人目。」
「お前達はここで敗北する。」
「13の闇にたどりつくこともなく、この場で心は肉体を離れ我が身を散らす。」
「だが安心しろ。」
「χブレードはここで完成する。」


ソラが言う。
「お前達に負けることはない。」


テラはキーブレード「ノーネーム」を出現させた。
ノーネームはマスター・オブ・マスターからルシュに託され、その後マスター・ゼアノートが使用していたものだ。
テラはヴェントゥスとリアを攻撃し、吹き飛ばす。
ドナルドはカイリを守るためゼタフレアを唱えテラを彼方へ吹き飛ばし、力尽きて倒れてしまった。


今度はハートレスの群「デビルズウェーブ」が現れた。
アクア、ソラ、リクの3人がデビルズウェーブに立ち向かう。
「ミッキー、カイリ、グーフィー、3人を頼みます。」
しかしデビルズウェーブはアクア、ミッキー、ドナルド、グーフィー、ヴェントゥス、カイリ、リアを飲み込み、強大な竜巻となった。


ソラが項垂れる。
「カイリもドナルドもグーフィーも王様も消えちゃった。」
「どうしよう、リク・・」
「俺どうすればいいんだよ、リク。」
「もう戦えないよ。」
「俺はみんながいたから戦えたんだ。」
「一人じゃ駄目なんだ。」
「これ以上・・無理だ・・」


「ソラ、俺は信じてる。」
「お前は諦めない。」
リクは一人でデビルズウェーブに立ち向かい、飲み込まれていった。


ソラは気がつくと「終わりの世界」にいた。
チリシィがやって来る。
「僕はチリシィ。ここは終わりの世界。」


「俺はソラ。終わりの世界って何?」


チリシィが答える。
「これ以上先がないって意味だね。」
「これまで君は個々の精神の中で形成される目覚めの園から勝手に来てたから放っておいたんだ。」
「眠りと死の間は密接で目覚めの園とここは繋がってるんだよ。」
「心と体がともに最期を迎えたのに消滅しない者がこの終わりの世界にたどりつく。」
「何かが君を引き留めてるんだね。」
「だから消えなかった。」
「まだギリセーフだね。」
「君と同じタイミングでここに来た人はいないよ。」
「ここに来てないならもう消滅してしまったか、元の世界に留まってるんじゃないかな。」
「でもいつもみたいにはここから出ていけないよ。」
「さっきも言ったように君はいつも勝手に来たり帰ったりしてたけど、今回は自分から来たわけじゃない。」
「元の世界にいる本体の君に戻るには、まずこの世界でバラバラになった君を元に戻さないと。」
「いや、実際にバラバラになってるわけじゃないけど、形式上そう言っただけ。」
「中身はともかく姿は君のままだと思うよ。」
「ここは本来、心だけがたどりつける世界なんだ。」
「でも君がこの世界でその姿を保ってるってことは、君の体もこの世界に飛ばされてると思うんだよね。」
「いっぱいいるから頑張って集めてよ。」


ソラはシオンの心を見つけた。
「私はその名も姿も奪われ、今は何者でもありません。」
「私は彼を待ち続けています。」
「彼も姿を奪われ、今存在する彼は別の心を宿しています。」
「もし彼が元の心を取り戻す時がくれば、きっと私を捜しまわると思います。」
「だからここに留まり続けているのです。」
「あなたはあなたの成すべきことをして下さい。」
「この世界に来ても姿を保っていられるあなたなら、きっと強い思いがあるんだと思います。」
「その思いを信じて下さい。」


ソラはナミネの心を見つけた。
「ソラ、私はナミネ。」
「良かった。やっぱり君は姿を失わなかったのね。」
「カイリの心の中にいた私は強い闇の衝撃を受けて気づいたらこの世界だった。」
「カイリの心は感じてる。」
「君の消滅を食い止めようとしてる強い気持ち。」
「カイリが繋ぎ止めてる。早く行ってあげて。」
「私はいいの。」
「私は元々カイリから生まれた。」
「カイリが復活すればまたその心に戻る。」
「ロクサスを待つ人はいる。」
「でも私は・・」
「私は記憶をたどって唯一足取りが途絶えていたテラと話したことがあるの。」
「彼は今も強い思いで元の世界に留まっている。」
「私がその繋がりをたどってみるわ。」
「それできっと敗北の運命が変えられる。」
「私も戦うってことかな。」
「気をつけてね。」


チリシィが現れた。
「全部見つけたみたいだね。」
「じゃあいつものように帰って。」
「これ、僕の本来の役目じゃないんだよ。」
「サービスなんだから。」


ソラが言う。
「そう言えばさ、チリシィも姿を保ってるだろ。」
「どっかに体落ちてて見つけられないの?」
「それとも誰かのお迎えを待ってるとか。」


「うーん、近いかな。」
「でも今彼は過去の記憶はないし。」
「何より今の仲間達ときっと楽しく過ごしてる。」
「ここにいればまた彼に会えると思うから。」


ソラが言う。
「じゃあまた俺が会いに来るよ。」
「俺達もう友達だろ。」


「友達か。なんだか懐かしいな。」
「君はキーブレード使いなんだよね。」
「心を失った人の心を取り戻す力は習得してる?」


ソラが考える。
「心を取り戻す・・」
「ちょっと違う気もするけど、目覚めの力かな?」
「助けたい・・心・・」
「よし!」
ソラはキーブレードで鍵を開いた。


「闇を照らす光を探して。」
「鍵の導く心のままに。」


ソラは元の世界に戻った。
気がつくとリクが一人でデビルズウェーブに立ち向かっているところだった。
ソラもデビルズウェーブに飲み込まれてしまう。
闇を照らす光を追いかけながらハートレスを倒し仲間達の心を集め、残すはカイリの心のみとなった。
「行ける場所は全部周った。」
「でも一つ足りない。カイリの心が・・」


青年のゼアノートが現れた。
「眠りの世界をめぐる旅で何も学ばなかったようだな。」
「眠りを重ね、闇の深淵へと堕ちていった。」
「今回と似ていないか?」
「今戦っていたのは他のハートレスとは違い奪った心を闇の深淵へと運ぶハートレス。」
「それを追えばお前の心も同じく深淵へと向かう。」


ソラが言う。
「俺の心はここにこうしてある。」


「お前が取り戻した目覚めの力。」
「本来は心を介して世界に入る力であって、実在の世界で心を追って飛び回る力ではない。」
「力の使い方を誤れば大きな代償を払うことになる。」
「もう負けているのだがな。」
「お前が払った代償はもう闇の深淵へと堕ちたのだ。」
青年のゼアノートは闇の回廊に消えていった。


再び現れた光を追いかけるとカイリの心を見つけた。
「おかえり。」
「必ず戻ってくるって信じてたよ。」


ソラが言う。
「闇を照らす光、カイリだったんだね。」
「俺が消えないように留めてくれたのも。」


カイリが言う。
「私はソラを諦めなかっただけだよ。」
「もうみんな戻ってる。早く行こう。」
「言ったでしょ。私がソラを守るって。」


「ありがとう、カイリ。」


ソラは謎の荒野に戻ってきた。
仲間達も皆無事だ。
どうやらテラと出会う前の世界に戻ってきたようだ。


皆で先に進むとテラが一人で立っていた。
アクアが言う。
「あなたの中にテラはいない。」
「テラの体を返しなさい!」


テラの髪の色がゼアノートと同じ髪の色になる。
「これで13人目。」
「お前達はここで敗北する。」
「13の闇にたどりつくこともなく、この場で心は肉体を離れ我が身を散らす。」
「だが安心しろ。」
「χブレードはここで完成する。」
テラはキーブレード「ノーネーム」を出現させた。


その時、鎧を身にまとったテラが現れた。
ゼアノートに乗っ取られているテラが驚く。
「お前は何なんだ?」
「なぜ動ける。」


鎧を身にまとったテラが言う。
「ゼアノートだな。」
「この時を待っていた。」


ゼアノートに乗っ取られているテラと鎧を身にまとったテラの戦闘が始まると、デビルズウェーブが現れた。
「俺が止める!」
一人でデビルズウェーブの中に飛び込むソラ。
するとソラの前にエフェメラが現れた。
エフェメラは古のキーブレード使いでダンデライオンのユニオンリーダーの一人だ。
「力を貸すよ。」
するとキーブレード墓場に突き刺さっていた無数のキーブレードが降り注ぎ、デビルズウェーブを消滅させた。


アクアが言う。
「さっきのは古のキーブレード使い達・・」


ヴェントゥスが言う。
「過去からの光が届いたんだ。」


そこにダークリクが現れる。
ダークリクを見たミッキーが言う。
「過去にゼアノートの心に触れて大きな影響を受けた者を機関として集めている。」
「あれはアンセムに心を支配されていた時のリクだ。」


リクが言う。
「ああ、嫌なことをする。」


「マスターから最後の承認試験だ。」
ダークリクがそう言うと、ブライグが闇のゲートから現れる。
ブライグはノーバディの時シグバールと名乗っていた元ⅩⅢ機関メンバーのNo.Ⅱだった男だ。
「急場しのぎじゃ前回同様失敗しかねないからな。」
「お前達が真の守護者かどうか、爺さんから最後の贈り物ってハナシ。」
「じゃ、頼んだぜ。」
ブライグはダークリクにさらなる闇の力を与えて去っていった。


ダークリクは闇の力を使いハートレスの大群を出現させ姿を消した。
そこにイェン・シッドが現れ巨大な光の結界を張り、ハートレスの大群を封じ込める。
「さあ若き勇者達よ。」
「これくらいしか手助けはできんが進みなさい。」


ドナルドとグーフィーが言う。
「みんなは先に行って!」
「僕らもイェン・シッド様と一緒にここで闇を食い止めるよ。」
「ソラはもう一人でも一人前だよ。」
「あとで行くから心配しないで。」


「分かった!」
ソラ達はキーブレード墓場へ進み、辿り着いた。
真ⅩⅢ機関のメンバー達と対峙するソラ達。


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「我らキーブレード使いの運命を刻みし場所。」
「この時を待ちわびたぞ。」
「我らもまたキーブレード戦争の鍵を開く。」
キーブレード「ノーネーム」を出現させる年老いたマスター・ゼアノート。
「掴み取るのだ、究極の鍵―χブレードを!」
ノーネームを地面に突き刺し、迷宮を出現させた。


バラバラにされてしまった7人の光の守護者達はそれぞれ迷宮を進んでいく。
ソラの前に現れたルクソードと戦闘が始まり、勝利した。
ルクソードは一枚のカードをソラに投げた。
「それはジョーカー。勝負の切り札になる。」
「取っておくといい。」
「賭けの取り分だ。」
「次のゲームを楽しみにしておこう。」
ルクソードは消滅した。


ソラの前に現れたラーリアムと戦闘が始まり、勝利した。
ラーリアムは元ⅩⅢ機関のNo.Ⅺでマールーシャと名乗っていた男だ。
「そうか・・こんなタイミングで思い出すとは・・」
「久しぶりに自らに心を感じている。」
「私が何者で何の為にこの世界に存在するのか。」
「ようやく取り戻せそうだ。」
「感謝するよ、ソラ。」
ラーリアムは消滅した。


ソラの前に現れたラクシーヌと戦闘が始まり、勝利した。
「ちょっと待ってよ。」


ソラが言う。
「人間に戻るだけだ。」


「ずいぶん生意気な口利くようになったじゃない。」
「私はね、アンタ達に負けたことが気に入らないの。」
「でも、まあいいわ。」
「あんな爺さんの器になるのもゾッとするし。」
「私はあいつに付き合ってやっただけだよ。」


ソラが聞く。
「あいつ?」


「ヒミツ!」
ラクシーヌは消滅した。


リクと合流したソラの前にブライグが現れた。
ソラとリクは協力してブライグを倒した。
「やっぱり・・キーブレードが使えないと駄目か・・」


リクが言う。
「お前がキーブレードだって?」


「ああ。その資格はある。」
「爺さんから受け継ぐ約束になってた。」
「それでここまで協力してきたってハナシ。」
ブライグは姿を消した。


ソラとリクの前に現れたダークリクと戦闘が始まり、勝利した。
「俺が本物だ・・」
「俺が本物なんだ・・」


リクが聞く。
「お前はアンセムに乗っとられた時の俺じゃないのか?」


リクの体からもう一人のダークリクが出現する。
「その時のリクは今のお前じゃないか。」
「あれは俺だ。」
「あの体はレプリカだ。」
「俺はこの時を待っていた。」
「俺はもういい。お前がいる。」
「まだ助けないといけない子がいるだろ。」
「あの器を使え。」


リクが言う。
「お前・・ナミネの為に・・」


「頼んだぞ。」
ダークリクは消滅し、人間の形をした器が残された。


ソラが言う。
「ナミネの器って言ってたよな。」


リクが言う。
「ああ。すぐにでも届けたいけど、今は・・」
「俺はアンセムを追う。」


ソラはリクと別れて迷宮の奥に進み、リア、カイリと合流する。
そこにゼムナスとアイザ、そしてシオンが現れた。
アイザはゼムナスに操られているようだ。
ゼムナスがリアに言う。
「今までお前には裏切り者の始末をさせていた。」
「だがそのお前が裏切ったのならリーダーである私が始末しなければ。」


リアが言う。
「そりゃわざわざご足労だな。」
「でももうアンタは俺のリーダーじゃない。」


「ああ。お前は奪われたチェスの駒。」
「ボード上から退場した存在。」
「もう何の役にも立たない。」


リアが言う。
「悪いが俺はこれでも人気者でな。」
「みんながまだ俺を頼りにしてるんだ。」
「そう簡単にフェードアウトは出来ねえよ。」


「お前という想定外によって我らの計画は何度か狂わされた。」
「最後はせめてその光に染めた心を闇に捧げろ!」
その時、シオンがゼムナスの前に立ちふさがる。
「お前も裏切るのか?」


シオンが言う。
「命を奪えば目的は果たせない。」


ゼムナスが言う。
「必要なのはぶつかり合う光と闇の心。魂は必要ない。」
「そうか・・」
「お前達も親友だったな。」
「ならばお前が命を奪え。」


リアがシオンに聞く。
「お前・・誰なんだ?」


ソラがシオンに言う。
「もうやめよう。」
「もういいんだよ。」
「君は―シオン。」


シオンが泣きながら頭を抱える。
それを見たゼムナスが言う。
「使えない人形だ。」
ゼムナスがシオンに攻撃を放つ。


その時、リアがシオンのことを思い出した。
「シオン!」


それと同時にソラの体から光の玉が飛び出し、ゼムナスの前に立ちふさがる。
「親友に触るな。」
ロクサスが復活した。
シオンも記憶を取り戻す。
「ロクサス・・」


ゼムナスが言う。
「なぜお前が・・」
「体はどうした。」
「お前には器は無いはず。」


ロクサスが言う。
「お前達と同じだ。」
「お前達の多くのメンバーはこの世界に過去から心だけを移動させている。」
「この時間に用意した完璧な器。レプリカの中にな。」
「俺をこの世界に戻すために多くの人が力を貸してくれた。」
「賢者アンセム、ゼクシオン。」
「彼らだけじゃない。」
「お前は誰からも心からは信頼されていなかった。」
「俺がこの世界に戻るためには最後にどうしても必要なものがあった。」
「それは繋がりだ。」
「ソラが俺をこの世界に繋げてくれた。」
「親友達の元へ。」


「ならばその心、最後の舞台で散らしてやろう。」
ゼムナスは瞬間移動し、カイリの体を拘束した。
「光の欠落はお前が埋めるがいい。」
「そこに転がる闇の欠落もスペアはいる。」
ゼムナスはカイリを連れて姿を消した。


ソラ達がゼムナスに操られて襲ってくるアイザを倒すと、アイザは意識を取り戻した。
側に駆け寄るリアにアイザが言う。
「何だ、その顔は・・」


リアが言う。
「ったく、いいように操られてんじゃねえよ!」


アイザが言う。
「もうおまじないは必要ないんじゃないのか?」
「だったらそんな顔するな。」


「お前こそ、もう無理はやめろよ。」
「ずっとあの子を捜してたんだろ?」


アイザが言う。
「そうかもな。」
「俺は奴らの味方になってまで真面目に捜してるのに、お前は忘れたかのように他の友達をつくり楽しそうに過ごし始めた。」
「そんなお前に苛立ちしか感じなくなった。」
「目的が遠ざかった感じがしていた。」


アクセルが言う。
「忘れたことはない。」


「ああ、分かってる。」
「お前はそんな奴じゃない。」
「多分羨ましかったんだ。」
「こんな恥ずかしいこと、人間に戻ってからは言えないからな。」


リアが言う。
「またな、アイザ。」


「またな、リア。」
アイザは消滅した。


「アイス買ってくりゃ良かったな。」
リア、ロクサス、シオンは3人で抱き合い、久々の再会を喜んだ。


ソラは一人で迷宮の奥に進み、アクア、ヴェントゥスと合流した。
そこにヴァニタスが現れ襲いかかってくる。
ソラ達は協力してヴァニタスを倒した。
「俺はヴェントゥスの欠落した存在。」
「ソラ、お前はそんなヴェントゥスの心を補った。」
「だから俺はお前から姿を補わさせてもらった。」
「俺はヴェントゥス、ソラの二人によって形づくられた。」
「俺達は欠落を補い合っている兄弟なんだよ。」


ソラが言う。
「そう思うならなぜ敵対するんだ。」
「協力し合えばいいだろ。」


「それが俺の生まれた意味だ。」
「俺が闇だからこそお前達は光として存在できる。」
「協力しあえているじゃないか。」


ヴェントゥスが言う。
「そんなことは頼んでない。」
「どっちが光だとか、どっちが闇だとか、そんなこと分ける必要はない。」
「俺は俺、お前はお前、自由に生きればいい。」


「自由・・」
「ああ、自由に生きているさ。こうしてな。」


ヴェントゥスが言う。
「闇に囚われていることが自由なのか?」


「それが俺の選んだ生き方だ。」


ソラが言う。
「それでいいのか?ヴァニタス!」


ヴァニタスは笑いながら消滅した。


ゼアノートに乗っ取られているテラが現れ、襲いかかってくる。
ソラ達は協力してテラを倒すと、テラを縛りつけている闇の鎖が出現した。


闇の鎖がソラ達を拘束する。
「テラ、俺が助けるよ。」
ヴェントゥスがそう呟いた時、テラの中から飛び出した闇の魔神が三人の鎖を引きちぎった。


テラの中から飛び出した闇の魔神が言う。
「俺が・・いつの日か・・必ず・・俺がいつの日か必ず・・この地に戻り・・二人を守る!」


「テラ!今だ!」
ソラがキーブレードで光の攻撃を放ち、テラの体を拘束する。
闇に囚われていたテラの心が飛び出し、自分の体に戻った。


アクアとヴェントゥスに駆け寄るテラ。
「アクア、ヴェン!」


アクアが言う。
「テラ・・戻ったの?」


「ああ。ずっと繋がりを絶やさずにいてくれたおかげだ。」


アクアが泣いている。


ヴェントゥスが言う
「良かった・・」


「ヴェンの声が聞こえた。」
「やっぱりお前が俺を助けてくれたんだ。」
テラも泣いている。
「ありがとう。」


アクア、テラ、ヴェントゥスは3人で抱き合い、久々の再会を喜んだ。


ソラは迷宮の奥に進み、ミッキー、リクと合流した。
ソラ達の前に年老いたマスター・ゼアノート、偽アンセム、ゼムナス、青年のゼアノートが現れる。
ソラが言う。
「ゼムナス!カイリはどこだ!」


リクが聞く。
「カイリがどうかしたのか?」


「ゼムナスに連れ去られた。」


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「落ち着け、少年。」
「13の闇と7つの光は衝突によってここに9つの鍵が揃った。」
「残る鍵は4つ。」
「これから最後の4つの鍵を生み出すこととなる。」


ソラが言う。
「結局13人全員と戦わなければ鍵は揃わないだろ。」


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「何の為にプリンセスを捕らえたと思っている?」


リクが言う。
「キングダムハーツが出現してもお前達4人を倒し、扉をすぐ閉じてしまえばいい。」


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「そうだな。そうかもしれん。」
「お前達が無事ならばな。」


ソラ達は協力して襲いかかってくる青年のゼアノートを倒した。
「言ったはずだ。」
「大きな代償を払うことになると。」
「俺は元の世界に戻り未来へと進む。」
「だがソラ、お前は違う。」
「お前の旅は終わる。」
「さようなら、ソラ。」
「お前は・・この世界から・・」
青年のゼアノートは消滅した。


ソラ達は協力して襲いかかってくるゼムナスを倒した。
「また負けるのか・・」


ソラが聞く。
「今のお前には心があるんだろ?」
「何を感じてる?これで良かったのか?」


「そうだな、私は仲間も得たが彼らを捨て駒にもした。」
「結局残ったものは孤独。」
「長い時間忘れていた感情がやっと戻ったと思えば、それは寂しさだった。」
「こんな感情ならやはり必要なかったな。」


ソラが言う。
「それが人間だよ、ゼムナス。」


「そうか、人間か・・」
「人間は強いんだな。」
ゼムナスは消滅した。


ソラ達は協力して襲いかかってくる偽アンセムを倒した。
偽アンセムがリクに言う。
「これで俺とお前の旅も終わる。」


リクが言う。
「不思議なもんだな。なんだか寂しさを感じる。」


「お前は闇さえ包む強さを持っている。」
「もう負けていたようなものだ。」
「少し悪あがきも考えてみたが、我々の仲間に裏切り者がいると知っても正直どうでもいいと思っている自分に気づいた。」
「さあ、行くがいい。少年よ。」
「お前達はまだ探求の旅を続けるんだ。」
偽アンセムは消滅した。


年老いたマスター・ゼアノートのまわりに12本のキーブレード「ノーネーム」が浮いている。
「これでいよいよ12本・・」
「最後の一振りだ。」
「さあ、ソラ。」
「光と闇の最後の衝突だ。」
「きっかけを与えよう。」
意識を失っているカイリを出現させるゼアノート。
ゼアノートはノーネームでカイリに斬撃を放ち、消滅させた。


泣き崩れるソラ。
「何でだよ!」


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「完成だ。」
「今こそ古のキーブレード戦争の続きを!」


上空にキングダムハーツが出現した。
ゼアノートがノーネームをキングダムハーツにかざすと、ノーネームがχブレードに変化した。
「これぞ真のχブレード。」
「さあ、真のキングダムハーツよ。」
「我にまだ見ぬ世界の真理を。」


年老いたマスター・ゼアノートはχブレードを使ってキングダムハーツを闇に染めた。


ソラのもとにドナルドとグーフィーがやって来た。
「諦めちゃ駄目だよ。」
「やっぱり3人で一人前がいいよね。」
「まったく、僕らがいないと駄目なんだから。ソラは。」
「落ち込んでないでマスター・ゼアノートを止めなきゃ。」


ソラが言う。
「ああ。でももうキングダムハーツは開かれた。」
「カイリだって・・」


ロクサス、リア、シオンがやって来た。
アクア、テラ、ヴェントゥスもやって来る。
「らしくないな。」
「遅くなって悪かった。」


リアが言う。
「お互い色々説明がややこしくてな。」
ヴェントゥスとロクサスは全く同じ顔をしている。


シオンが言う。
「ソラ、カイリは大丈夫だよ。」
「心を感じる。」


「ありがとう。」


アクアが言う。
「マスター・ゼアノート・・」
「キングダムハーツを開いているのね。」


リクが言う。
「一つだけ可能性がある。」
「承認試験の時、ゼアノートは自らがポータルの存在になったことを告白したはず。」
「それを使えば場所も時間も越えられるはずだ。」


ミッキーが言う。
「でも危険な戦いになる。」
「アクア、リク、僕ら3人でゼアノートをこの世界から引き離そう。」


ソラが言う。
「待って、俺が行く。」
「一番まずいのはキングダムハーツだろ。」
「ゼアノートは俺に任せて。みんなは扉を抑えてよ。」


ミッキーが言う。
「分かったよ、ソラ。」


「任せて。」
マスター・ゼアノートのもとに向かうソラにドナルドとグーフィーがついてくる。
「僕達もついて行くよ。」
「キーブレード使えないからここで役に立てないしね。」
「3人で一人前だからね。」


ソラはキングダムハーツに気を取られているマスター・ゼアノートの背後からキーブレードの光で貫き、ドナルド、グーフィーと一緒にマスター・ゼアノートの中に入っていった。
気づくと「スカラ・アド・カエルム」という世界にいた。
「ここはどこだ?」


グーフィーが言う。
「綺麗な場所だね。」


「行こう。マスター・ゼアノートもいるはずだ。」


街の中に入ると年老いたマスター・ゼアノートがいた。
「見よ、この街を。」
「これこそかつてのキーブレード使いの都。」
「世界はこの街を起点に繋がるのだ。」
「今、全ての時間の我が集う。」
「彼の地―スカラ・アド・カエルムに。」
年老いたマスター・ゼアノートに力がみなぎり、鎧に身を包んだ。


ソラ達は襲いかかってくるアーマーゼアノートを倒した。
「お前の計画はもう終わりだ。」


年老いたマスター・ゼアノートが言う。
「他の世界に飛ばしてしまえば計画を阻止できると思ったようだが・・」
χブレードを出現しさせるゼアノート。
「全ての空は繋がっている。」
スカラ・アド・カエルムの上空にキングダムハーツを出現させた。


ソラ達はχブレードを持つマスター・ゼアノートを倒した。
「なぜだ・・なぜこんな・・」


ソラが言う。
「決着はついた。もう諦めろ。」


「見るがいい。もう手遅れだ。」
「浄化。世界を元の状態にリセットするのだ。」
「世界の起源は闇だ。」
「光はその闇から生まれた。」
「そしてその光から人が生まれ、心が生まれた。」
「心に悪意が生まれ、結局また闇が生まれた。」
「そうやって世界を闇で覆っていったのだ。」
「世界に生まれた光という希望も結局は闇になる。」
「この世界はもう駄目だ。失敗したのだ。」
「だから始まりの光―キングダムハーツによって世界を元から始めればいい。」
「何もない真っ白な世界から。」


ソラが言う。
「それはお前が決めることじゃない。」


「では誰が決める?」
「力を持つ者が決めるしかない。」
「力なき者は強者の決めた世界で身勝手に闇を生み出すだけだ。」
「強者の決めた運命を受け入れていればいい。」


ソラが言う。
「だとしたら、お前も強者じゃないよ。ゼアノート。」
「本当の強者は世界の運命は握らない。」
「そんな力は持たないよ。」


「お前は我が友に似ているな。」
その時、キングダムハーツに鍵穴が出現し、そこからミッキー、リク、テラ、アクア、ヴェントゥスが現れた。
「大丈夫かい?」


リクが言う。
「あっちのキングダムハーツが消え始めて、ソラとの繋がりをたどったんだ。」


テラが言う。
「マスター・ゼアノート。」
「光は目に見えるものだけじゃない。」
「そう言っただろ?」


年老いたマスター・ゼアノートが驚く。
「やはりお前か・・」


テラの体からマスター・エラクゥスの心が飛び出し、幻影として蘇った。
「χブレードを渡せ、ゼアノート。」


「もう止められん。」


マスター・エラクゥスの幻影が言う。
「いや、彼らなら止められる。」
「もういい。」
「チェックメイトだ。」


年老いたマスター・ゼアノートはソラに近づき、χブレードを差し出した。「見事だった。」
χブレードを受け取るソラ。


マスター・エラクゥスの幻影が言う。
「テラ、アクア、ヴェン。愚かな師を許してくれ。」
「ヴェン、怖い思いをさせてすまなかった。」
「アクア、重責を押しつけてすまなかった。」
「テラ、二人を守ってやってくれ。」
「頼んだぞ。」


ゼアノートのそばに行くエラクゥス。
「行こう、友よ。」


「ああ。」
ゼアノートとエラクゥスは支え合いながら光とともにキングダムハーツに吸い込まれていった。


ミッキーが言う。
「ソラ、閉じよう。」


「みんなも力を。」
ソラはχブレードを使ってキングダムハーツの鍵を閉じ、元の世界に戻ってきた。


リクが言う。
「カイリのことは一度イェン・シッド様の所に戻ってみんなで考えよう。」


ソラが言う。
「ううん、俺はこのまま行くよ。」
「俺の旅はカイリを捜す旅から始まった。」
「やっと取り戻したと思ったらまた離ればなれ。」
「今回こそ一緒に帰れるはずだったのに、この場にカイリはいなかった。」
「もう一人にさせたくない。」


ミッキーが言う。
「ソラ、君の目覚めの力は心を追って飛び回る力じゃない。」
「カイリを助けることが出来たとしても、君が元の世界に帰れなくなるかもしれない。」


「大丈夫。俺なら何があっても必ず帰ってくる。」


リクが言う。
「行かせてあげよう、ミッキー。」
「心が命じたことは誰も止められない。」
「ソラを信じよう。」


ミッキーが言う。
「うん、でも本当に気をつけて。」


「ありがとう。」
ソラはカイリを捜す旅に出た。


ミッキー、ドナルド、グーフィーはディズニーキャッスルに帰っていった。


アクア、テラ、ヴェントゥスは旅立ちの地に帰った。
チリシィとの再会を果たすヴェントゥス。


トワイライトタウンの時計台の上でリア、ロクサス、シオンが夕日を見ている。
人間に戻ったアイザがシーソルトアイスを4本持ってやって来た。
ハイネ、ピンツ、オレットもやって来て、みんなで夕日を見ながらアイスを食べる。


レイディアントガーデンにある賢者アンセムの研究室ではナミネを復活させることに成功した。
リクと再会を果たすナミネ。


ソラはカイリの救出に成功するが、皆の記憶からソラの存在が消えてしまった。


キーブレード墓場にブライグがいる。
ブライグはノーネームと黒い箱を持って誰かを待っている。
そこにイラ、インヴィ、アセッド、グウラが現れる。
イラが言う。
「お前が我らを呼び戻したのか。」


「ああ。」
ブライグの正体はルシュだった。
ルシュはマスター・オブ・マスターからキーブレー「ノーネーム」と絶対開けてはいけない黒い箱を託された古のキーブレード使いだ。


インヴィが聞く。
「姿が違うがルシュなのか?」


ルシュが言う。
「その名で呼ばれるのは懐かしいな。」
「今はシグバールとかブライグって名前でやってるが、まあいいさ。」


インヴィが聞く。
「本当にルシュなの?」


ルシュが言う。
「ああ。色々あってルシュだった頃の体は捨てちまったけどな。」
「その後何度か姿は変えたが中身は変わってない。」


アセッドが言う。
「何があった?どうなっている?説明しろ!」


「ずいぶん時間がかかったが、これで俺の使命は終了だ。」
辺りを見回すルシュ。
「アヴァはやっぱりいないんだな。」
「アヴァには俺の使命は伝えたんだけどな。」


グウラが聞く。
「意図的にアヴァだけ呼び出さなかったってこと?」


ルシュが言う。
「いや、アヴァはアヴァの使命を全うしたんだろう。」


アセッドが怒る。
「まわりくどい!ルシュ、お前の使命とは何だ?」


足元にある黒い箱を見下ろすルシュ。
「長いハナシになる。」



ソラが旅の途中で集めたシークレットレポートの内容をここに記す。


―回想ー 筆者不明
「私は生きているの?」
「目覚めたら牢獄の中にいた。」
「そして研究者たちが私は何者かを調べようとしていた。」


「私は何者なのか・・」
「思い出せるのは4人の仲間、鍵・・」
「名もなき私はXと呼ばれるようになっていた。」


「ここに来てから唯一の楽しみは、時々来てくれる二人の少年との会話。」
「そんなある日、私を牢獄から連れだす人が現れた。」
「薄明かりの中見えた彼の顔は隻眼だった。」
「数年が経った今も自分が何者なのかわからないままでいる。」
「鍵が導く心のままに・・」


―承認試験日誌ー ゼアノート
「マスター承認試験に向け単身世界をめぐる旅を始め数日が経った。」
「エラクゥスも旅に出ることを希望していたが、まず俺からということになった。」
「書物で見たおとぎ話の世界をめぐる旅。」


「数年前まで海に囲まれた世界で育ち外の世界を夢見ていた俺は、未来からの導きによって故郷を旅立った。」
「そしてマスターの元にたどり着くまでの道中、いくつかの闇とも触れ合った。」
「闇はコントロールできるようになれば恐れる対象ではない。あの頃からそう思っている。」
「おとぎ話の時代から初代マスターの血を継ぐエラクゥス。」
「その背中を追う存在ではなく肩を並べる存在でいたい。」
「彼に対抗する力を得るには光と闇のバランスから見出せる力を身につけなければ。」


―被験者Xと心の実験に関するメモー ゼアノート
「女性、15歳前後。早朝、中央広場で発見。」
「7日が過ぎ、ようやく言葉を発するが自らの名前も思い出せず記憶喪失。」
「ここがどこの世界か気にしている様子。」
「一緒に仲間がいたと思われる言動あり。」
「仲間の名前も思い出せないようだが、数名で元の世界を離れたらしい。」
「その時の記憶を探ると拒否反応を起こす。」


「心に関する実験。」
「我が師、賢者アンセムは記憶を失っていた私を被験者とした最初の実験以降、何かを恐れ実験をやめてしまった。」
「しかしその実験こそ私と同じく記憶を失った彼女にも有効ではないか?」
「心を探ることによって記憶に触れることが可能。」
「私自身、実はその実験によって記憶を取り戻しかけている。」


「彼女がどこから来た何者なのか興味深い。」
「鍵が導く心のままに・・確かにそう呟いていた。」


「記憶は相変わらず戻らず。つかみどころのない会話が続く。」
「彼女の話は、まるでおとぎおとぎ話の世界のようだ。」
「彼女の話を断片的に考えると、考え難いが時間を超えた可能性がある。」
「だとすれば彼女の心を覗きたい衝動は抑えきれない。」


「最初の実験に際し候補者の中から数名使ってテストをしたが、皆精神が保てずに壊れていく。」
「彼女に・・特別な被験者に万が一があっては惜しい。」


「最中、我が師に多数の被験者を使いテストを繰り返していたことが知られ、研究の中止と研究結果の破棄を厳しく言い渡された。」
「それだけでなく多くの被験者たちの解放と共に彼女も姿を消してしまった。」
「被験者Xはどこに?」
「我が師が彼女を隠したのか?」
「しかしこの実験の中止はしない。」
「自ら被験者第一号として本実験を実行する。」


―回顧録ーサイクス
「子供だった自分達にとって、その城は魅力的だった。」
「中では賢者アンセムが様々な研究を行い、その恩恵によって人々は平和に過ごしていた。」
「それだけも好奇心は充分駆り立てられたが、閉鎖された塀の向こう、悪い噂もあった。」
「夜な夜な人の呻き声のようなものが聞こえる。」
「危険な人体実験を行っている。」
「親友のリアと一緒に好奇心による探索を計画した。」
「門番の二人は屈強で研究者も兼任しているとはとても思えないが、まずその二人の目をかいくぐり城へと忍びこまなければいけなかった。」
「案の定すぐに見つかって、城の外へ放り出される日々が続いていた。」
「やっと侵入が成功した日、城の奥深く長い螺旋階段の下には檻が並び暗闇が続いていた。」
「檻の中に誰かいるのかまでは確認できず、呼びかけるわけにもいかない中、確かに感じる気配の恐怖に侵入を後悔していた。」
「しかし引き返そうとした時、かすかに声がした気がした。」
「恐る恐る声の方に進むと、薄く射し込む光に照らされた彼女がいた。」


「光はわずかで彼女の姿はやはりはっきりは確認できなかった。」
「声を潜め会話をしてみたがその子は記憶を失っているようだった。」
「なぜこんな所に閉じ込められているのか。」
「それすらわからないままだった。」
「ただ、その子を助けたいと思った。」


「それから頻繁に城に忍び込もうとしては門番に放り出され、時には侵入に成功して少女の話し相手になった。」
「まだ子供だった自分たちがその子のためにできることはそれくらしかなかった。」
「そんなことを続けているうちに、その子を助け出そうとリアと決意した。」
「ともかく助けたい一心でその日は城に忍び込んだ。」
「それから何度か忍び込んでも少女に二度と会うことはなかった。」
「彼女は幻だったのか?」
「リアと正攻法で彼女を捜すことにした。」
「今日は城の門番の正面に立つ。」
「賢者アンセムの弟子となるために。」


―レプリカ計画による人の再生に関しての所見ー ヴィクセン
「ⅩⅢ機関メンバー時の消滅が大きなダメージだったのか、私は人間としての復活からすぐには目覚めなかったようだ。」
「目覚めてからも少しの間、床に伏したまま成すべきことを考えていた。」
「レプリカ計画―ⅩⅢ機関時代に用意したレプリカは約20体。」
「初期から数体はNo.もない失敗作だったが、そんな初期ロットから最初の成功例としてリク=レプリカが生まれた。」
「No.i シオンに至っては、ほぼ人間に等しい状態まで達したが対面する相手との関係性によってその姿が安定しなかった。」
「その二人を元に人間に限りなく近いレプリカを数体作っていたが完成目前で中断。」
「おそらくゼアノートは、初期ロットを含めそれら後期の未使用のレプリカを利用するだろう。」
「今日久しぶりに立ち上がり広場まで歩いてみようとしたが、彼が現れ意外な提案をしてきた。」
「私よりずいぶん若いが、ゼムナスの参謀にまで上り詰めた男。」
「その提案に同意し再びノーバディとなった。」
「過去のレプリカ計画を利用するにはその方が都合いい。」
「すべては償いのため。」


真ⅩⅢ機関の構造 ー ヴィクセン
「ゼアノートの12の器。本体となる自分を含めそれを真ⅩⅢ機関と総称している。」
「計画の数は満たされており、私とデミックスの二人は補欠扱いとされた。」
「ゼムナスが率いていたⅩⅢ機関だった数名は、私同様に一度人間として復活し再びノーバディとして機関入りしていたが、相変わらずゼムナスは例外だった。」
「この時間に存在する本物のゼアノートは老人で、彼が真ⅩⅢ機関を率いている。」
「彼が人間である以上、彼のハートレスとノーバディ、過去に打ち倒され消滅した者達、そして一番若いゼアノートはこの時間の存在ではないのだ。」
「彼らは私が過去に作ったプロトタイプを器とし過去に存在する瞬間を切り取り、その心だけを移している。」
「ゼアノートはそのプロトタイプをより人間に近づけるための改良を命じた。」
「血肉の通った人間の器となるレプリカの完成は私の償いにも好都合だ。」
「あとはその器をどうやって彼らに託せばいいのか考えなくてはならない。」


賢者アンセムのデータ解析に関してー イェンツォ
「我が師がリクに託したデータに全て目を通した結論。」
「ソラ君の心には3つの箱があり、それぞれに3人の心が収められた状態。」
「1つはロクサス。」
「もう1つはロクサスと同時期。」
「もう1つはそれ以前から。」
「その3つの心は沈黙したままソラ君の心に溶けている。」
「この心を物理的に取り出そうとすれば、以前ソラ君がハートレス化したように危険。」
「まずはその心を収める器と、その器が目覚めるきっかけが必要。」
「ベストな方法は器となる人間の体に戻すことだが、二人は不明だとしてもロクサスには人間の体がない。」
「カイリの心に内包されているだろうナミネも同様。」
「体があれば、あとはきっかけだけでソラ君から心は元の体へと還る。」
「きっかけは彼らの心に繋がる者。」
「心の完全なデータ化は不可能であり、心の欠片程度しか再構成できない。」
「やはりソラ君本人の中にある彼らの心が必須となるが、トワイライトタウンのデータから彼らの記憶はほぼ完全に再現が可能だろう。」
「しかし人間の体を持たないロクサスとナミネには、このデータが重要となる。」
「体の代わりとして考え得るのは、レプリカ。」
「この空に器にトワイライトタウンのデータから彼らのデータを移す。」
「彼らの記憶から器は彼らの姿を形成し、人間の体と限りなく近い状況が作られる。」
「そして最後の鍵はソラ君の中に眠る本人の心。」
「彼らの体の誕生に眠る心を揺り動かされるきっかけがあれば、その心は自らの肉体へと還るのではないだろうか。」


「レプリカ・・ 人の器として革新的な研究ではあるが、その研究自体まだ完成形ではなかったはず。」
「しかも、肝心なエヴェンの失踪。」
「ロクサスとナミネ、あとの1名の体の用意も必要だと想定した場合、レプリカは合計で最低3体は必要となる。」
「どちらもかなりの難題ではあるけど、こうして師のデータを解析していると子供の頃によく一緒に食べていたアイスの味を思い出す。」
「今は裏切りを後悔するより、二人を再生することで師の本当の心を証明しなければ。」


観察記ー ルシュ
「ロストページに書かれた通りに起きるキーブレード戦争を見届けた。」
「次にマスターから授かったキーブレードを継承する必要がある。」
「生き残ったダンデライオンから選出されたユニオンリーダーの5名。」
「この中の誰かにキーブレードを引き継ぎ、俺はこれからもその行く末を見ていなければならない。」
「しかしそのユニオンリーダーの選出メンバーに密かな入れ替えが起きたようだ。」
「マスターが選ばなかった想定外のメンバー。」
「いわばマスターの書いたプログラムにウイルスが侵入したようなもの。」
「このウイルスがおかしな行動をはじめた。」
「無謀な脱出を計画し、5人をまた別の世界線へ送り出そうとしている。」
「そんなことが可能なのか。」
「キーブレード戦争後ダンデライオンを別の世界線に移した計画と同じだが、マスターでもないあの少年達にそんなことが実行可能だとは思えない。」
「わざわざ未来から誘い込んだ魔女が鍵を握っているようだ。」
「ユニオンリーダーに関してはもっとシンプルな計画だとは思っていたが。」
「いや、それすらマスターの意志によるものなのか?」


「キーブレード戦争が起きない世界線であっても平和ではなかった。」
「マスターや我々弟子が不在になってから闇が現れたのだ。」
「闇の台頭によって世界は再び終焉を迎える。」
「混乱の中、マスターの指示通りユニオンリーダーの1人にキーブレードを継承した。」
「そして犠牲を伴い別の世界線へと送り出された5人。」
「これでキーブレード使いの血脈は途絶えることはないだろう。」
「キーブレードを失った自分も最後の使命を果たすためにこの地を去る。」
「この体を捨て、心を他の器へと移し続けるのだ。」
「そしてこのまま時代を見つめ先の時代へと進み、いずれ別の世界線へと送り出された5人にも、数年、数十年、数百年、先の時代で会うことになるだろう。」
「繰り返される継承の歴史のどこかで、キーブレード戦争を再現する選ばれし者が現れる。」
「その者が贖罪の山羊たるキーブレードを手にした時、俺は最後の使命を果たすために再び動きはじめる。」
「ロストマスター達の目覚めだ。」


「どうやら今回の体と名前で最後になりそうだ。」
「いくつもの体と名前を経た自分のことに関してはまた機会があれば。」
「ここでは割愛しておく。」
「キーブレードは長い時代を経て順調に継承され、ようやく闇に傾倒するキーブレードマスターが誕生しそうだ。」
「これまで遠くからキーブレードを監視してきたが、俺も舞台に上がる頃合いか。」
「キーブレードの力を欲し近づく愚者を演じればいい。」
「彼の協力者として、その傍らで我がキーブレードを見守る。」
「見つめる目。」
「マスター・オブ・マスターから託されたキーブレード。」
「マスターの目を用いて作られたキーブレードを未来へと繋げ、その目を通してマスターは未来を見る。」
「体を入れ替えながら時代を超え、そのキーブレードを見守るのも俺の使命。」
「長い時間だ。途方もなく長い。」
「いよいよこの時代でキーブレード戦争がはじまり、キングダムハーツが開かれる。」
「光と闇の衝突によって生み出される真のキングダムハーツ。」
「かつての仲間達との再会はもうすぐ。」
「それによって俺の使命も結実する。」
「そして彼の帰還も・・」